ネタバレ大ありです。 これから小説を読む予定の方、映画をご覧になる予定のある方は絶対に読まないでください。
『アヒルと鴨のコインロッカー』 を観ました。 率直な感想、「何それ?」。 伊坂幸太郎さんは本当に絶賛したんだろうか? この作品の最大のトリックは、自称河原が実はドルジってことで、その描き方を伊坂幸太郎さんは 「その手があったのか」 と絶賛されていたように思うのですが、その手って、過去の虚の部分 (椎名の想像?) はモノクロで実の部分 (ドルジの回想) はカラーで描かれているってこと? それだけ???って感じです。 期待して損した。 内心 「どういう風に描かれているんだろう…」 ってちょっとドキドキ期待していたのになー。 ま、キャストを見れば、本当の河崎が松田龍平くんだってことは一目瞭然だったしなー。 全体の描かれ方もものすごく雑に感じました。 原作のおもしろさの半分も生かしきれていないように思います。 原作の中で、ドルジをバカにしたガールフレンドを河崎が一喝した場面 (表現がちょい違うかも) がすごく好きだったので、そこが描かれていなかったのがすごく不満。 その場面が全然出てこないのならまだしも、ペットショップに河崎がガールフレンドと一緒に行く場面がありましたからね、どうしてそのシーンを無視したんだろう、サイアクです。 そのシーンに、河崎が軽薄なだけじゃない、友情を重んじる面もあるってことが描かれていたように思うのにな。 琴美ちゃんの最期のシーンもチープすぎ。 気が遠くなりました。 なんだかんだとけなしてばっかりですが、最後に椎名と別れる時のドルジ (瑛太) の表情は良かったな。 それだけがちょっと救い。 もう一度原作を読んで、原作の世界に浸りたい。 そう思わせる映画でした。
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