2.二次代謝生産制御システムの包括的解析

 Streptomyces 属放線菌の二次代謝生産は、低分子シグナル分子を鍵物質とした二次代謝シグナルカスケードにより厳密に制御されている。研究課題1で述べた線状プラスミド pSLA2-L にもシグナルカスケード特有の制御遺伝子が数多く見つかった。pSLA2-L上には6つのtetR型リプレッサー遺伝子srrA (orf82), srrB (orf79), srrC (orf74), srrD (orf99), srrE (orf92), srrF (orf126)、3つのSARP (Streptomyces antibiotic regulatory protein) 型活性化因子srrY (orf75), srrZ (orf71), srrW (orf55)、そしてシグナル分子SRB合成酵素遺伝子srrX (orf85) が存在していた。これらの網羅的遺伝子破壊および転写解析などにより、図3に示すS. rochei 抗生物質シグナルカスケードを明らかにしてきている。

 また、我々は本菌のシグナル分子SRB (Streptomyces rochei butenolide) の構造を決定し、Streptomyces属放線菌のシグナル分子の構造多様性を見出した(図4)。放線菌の60%がブチロラクトン型を有していると言われており、本知見は残り40%のシグナル分子の構造特性、さらには二次代謝非生産菌の二次代謝悉皆的活性化に何らかの解をもたらすものと考えられる。

 我々は制御遺伝子群の網羅的解析を通じて二次代謝制御機構の解明・大量発酵生産への応用を目指している。さらにゲノム情報・制御機構の知見を組み合わせることにより、ゲノム上に眠った二次代謝遺伝子を覚醒させ、新しい「ものつくり」の展開も考えている。

・ 二次代謝生産・形態分化の制御カスケードの解明

・ シグナル分子の構造多様性解析と二次代謝悉皆的活性化


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