宮島植物実験所について


歴史:
宮島自然植物実験所は、世界遺産に登録され日本三景で有名な「安芸の宮島」にある。宮島町の大元公園から上室浜に至る国有地が昭和38年に広島大学へ所属替となり、昭和39年学内措置によって理学部附属自然植物園が発足した。平成10年現在の敷地面積は,約11.4ha(= 11万4千平方メートル)である。平成12年4月より理学研究科に組織替えされた。島嶼環境植物学講座は、理学研究科附属宮島自然植物実験所に設置されている。
所在地(右下の地図をクリックすると大きな地図が表示されます):
739-0543 広島県廿日市市宮島町室浜1156
(港から約6 km、歩いて約1.5時間,大元公園から約1時間)

1156 Murohama, Miyajima-cho, Hatsukaichi-shi, Hiroshima 739-0543, JAPAN

構成員:
所長(併任) Director
   出口博則; Hironori DEGUCHI, D.Sc.

助教授 Associate Professor
   豊原源太郎; Gentaro TOYOHARA, D.Sc.

技官 Technician
   向井 誠二; Seiji MUKAI

臨時用務員 Keeper
   向井 美枝子; Mieko MUKAI

大学院学生 Graduate Students (博士課程後期1名)
   黒田有寿茂; Asumo KURODA, D2

目標・理念:
宮島自然植物実験所の設置目的は、国立公園宮島のすぐれた自然を利用して植物学の教育・研究を行うことにある。また、島嶼という地理的条件を生かして、隔離環境下における植物の種分化・分布・生態などの生物地理学に関する諸問題の解明および生物の保全・自然保護、地球規模での環境保全対策、生命現象の基礎的解明について教育・研究が行われている。さらに生物の共生現象を解明するため様々な観点からの研究も行われている。本実験所は、昭和39年に設置されて以来、宮島という人為撹乱の少ない自然を対象として、主として植物学の分野において研究を深化するとともに、学術研究において国際的な役割と果たすことを目指している。また実験所には、維管束植物・蘚苔植物・藻類など約35万点の貴重な植物標本が保管されており、標本のデータベース作成が行われている。
研究内容:
宮島は、彌山原始林をはじめとして人為的撹乱の少ない自然が全島に残されている。このすぐれた自然を研究対象とすると共に、島という立地条件を生かし島嶼生物学に関するさまざまな研究が行われている。また生物の適応や進化の問題を明らかにするため共生現象の研究も行われている。くわえて、宮島における植物季節学的研究および酸性雨や山火事などが植物に及ぼす影響の調査も行われている。
活動:
  1. 本実験所とヒコビア会(広島植物学研究会)の共催で、毎月1回、広島県内各地で「植物観察会」を行っている。毎回学生や一般の人々が多数参加している。しばしば分布上興味ある植物が発見されており、研究上貴重なデータが蓄積されており、その成果は「広島県植物誌」(1997年、中国新聞社)に含まれている。また、この観察会は「社会に開かれた大学」としての意義も大きい。
  2. 実験所には、約35万点の国内外で採集された貴重な植物標本が所蔵されている。標本は、維管束植物、蘚苔植物、地衣植物、藻類など多岐にわたっている。これらの標本を、研究・教育のために容易に利用できるように整理し、特に重要な標本から順次データベース作成が行われている。また、整理の終了した標本については、国内外の研究機関からの要請があれば貸出しも行っている。
  3. 顕花植物の種子、シダ植物の胞子の収集を行い、種子類標本の蓄積を行うとともに、要請があれば標本の提供あるいは交換を行っている。
  4. 島嶼環境の気象データを収集するため、総合植物気象観測システムが所内に設置されており、気温・地温・湿度・雨量・風速・風向・日射量が記録されている。