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ステロールと結合する抗生物質 -

Counter カビなどの真菌の細胞膜にはエルゴステロールが含まれる。動物ではコレステロールなどの、他の種類のステロールが使われておりエルゴステロールは含まれない。そのためエルゴステロールの生合成を特異的に阻害する抗真菌剤、エルゴステロールと特異的に相互作用する抗真菌剤(膜作用分子)が開発されている。

植物では、シトステロールやスチグマステロールが主要ステロールとして含まれる。ブラシノライドの前駆体にもなる。コレステロールの吸収を妨げる働きがある。食品の生体調節機能の見地から注目されている。食品(植物)には生体調節機能を持つ物質が多数含まれている。研究が進み、実用化も盛んにされている。例えば、「βグルカンはスポンジのように、血中のコレステロールの高い酸性区分を捕捉する」と書かれていた。

細胞膜などの生体膜はリン脂質二重層が主成分である。しかし実際にはステロールなどの他の種類の脂質もかなりの割合含まれている。吉田静夫先生が書かれた解説(「蛋白質核酸酵素別冊 植物の細胞生物学的研究法 52ページ」)によると、黄化ヤエナリ下胚軸の細胞膜の脂質組成ではステロールの比率が高く40%以上を占める。一方液胞膜では30%以下である。ステロールとリン脂質の比率は植物種によって異なるだけでなく、低温・高温のような環境条件、リン栄養状態などによっても変化する。そのことによってアルミニウム感受性(アルミニウムイオンはリン脂質と相互作用して植物に影響を与える)などにも変化が生じる。参考文献: Higher sterol content regulated by CYP51 with concomitant lower phospholipid content in membranes is a common strategy for aluminium tolerance in several plant species.   Wagatsuma T, Khan MS, Watanabe T, Maejima E, Sekimoto H, Yokota T, Nakano T, Toyomasu T, Tawaraya K, Koyama H, Uemura M, Ishikawa S, Ikka T, Ishikawa A, Kawamura T, Murakami S, Ueki N, Umetsu A, Kannari T.   J Exp Bot. 2015 Feb;66(3):907-18. doi: 10.1093/jxb/eru455. Epub 2014 Nov 21.   PMID: 25416794

アンフォテリシンB
ポリエン系抗真菌剤 エルゴステロールと相互作用する。コレステロールとの相互作用は小さいので真菌に特異的に作用する。

http://www.chem.sci.osaka-u.ac.jp/lab/murata/research.html 大阪大学大学院理学研究科化学専攻生体分子化学 村田研究室 

PubMed で「amphotericin B sterol 」を検索 ステロールとの相互作用を調べた例   http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=amphotericin+B+sterol

Staphylococcal alpha-toxin: effects on artificial lipid spherules.

Weissmann G, Sessa G, Bernheimer AW.

Science. 1966 Nov 11;154(3750):772-4.

PMID:

    5919441

The action of polyene antibiotics on phospholipid-cholesterol structures.

Weissmann G, Sessa G.

J Biol Chem. 1967 Feb 25;242(4):616-25. No abstract available.

PMID:

    5297406

Effect of polyene antibiotics of phospholipid spherules containing varying amounts of charged components.

Sessa G, Weissmann G.

Biochim Biophys Acta. 1967 Jul 3;135(3):416-26. No abstract available.

PMID:

    6048812

The interaction of polyene antibiotics with thin lipid membranes.

Andreoli TE, Monahan M.

J Gen Physiol. 1968 Aug;52(2):300-25.

PMID:

    5672005 

Effects of Amphotericin B on thiourea permeability of phospholipid and cholesterol bilayer membranes.

Lippe C.

J Mol Biol. 1968 Aug 14;35(3):635-7. No abstract available.

PMID:

    5673698

セオネラミド
セオネラミドが、細胞膜のエルゴステロールに直接結合して、細胞膜に存在する細胞壁合成酵素に働きかけ、細胞壁合成を異常に促進する 

http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2010/100614/detail.html   http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150525_1/   理研基幹研究所ケミカルゲノミクス研究グループのすばらしい研究成果

「細胞膜を攪乱する海洋天然物」化学と生物(日本農芸化学会会誌)2011年5月号295ページ   セオネラミドに関して、西村、掛谷、吉田博士によって解説されている。