物質に光が入射したとき、散乱される光には入射光と異なる波長が含まれる。ラマン効果、ラマン散乱と呼ばれる。散乱される光のスペクトルシフトを分光器で分析する。それぞれの物質の分子構造、結晶構造によってスペクトルシフトが変化する。このことを利用して、ある物質の、局所的な分子構造、組成、結晶構造を調べることができる。
共焦点レーザー顕微鏡のように、光を当てる部位をスキャンし、得られるデータを蓄積し再構成することによって、レーザーラマン顕微鏡が作られている。
ナノフォトン株式会社 では、レーザーラマン顕微鏡 RAMAN-11を発売している。 http://www.nanophoton.jp/raman/raman-11.html
ラット心筋細胞を観察した例が紹介されている。核酸、タンパク質、脂質を無染色で色分けし表示することができている。植物ならば細胞壁を構成する物質や可溶性糖を区別することも可能になるかもしれない。特に結晶化したセルロースの量や局在がはっきりとわかるかもしれない。残念ながら使ったことがないのでわからない。
そのほかにも、生物試料を観察した例が多数掲載されている。
ラマン分光は、種々の形態の試料からリグノセルロース物質を分析することに有効に利用されている。植物バイオマスの効率的変換の研究のために使用されている。
リグノセルロース物質のNIR-FT ラマンスペクトル http://www.nedo.go.jp/itd/grant/pdf/98gp1.pdf