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オーレオバシジンA -

抗真菌剤 
GIPC 合成の初期段階を担っているIPC 合成酵素を阻害する抗生物質であり、真菌類は AbA を含む培地では成育が著しく阻害される。タカラバイオで、真菌類形質転換システムの一部として発売している。

参考になる文献

植物で効くかどうかはわからない。カビの中でも効くのと効かないのがあると報告されている。セラミドは重要な役割を果たしている割に、生物種によって構造や生合成経路がかなり異なっている。

セラミドに関しては、植物での合成を阻害する植物病原菌毒素 フモニシン が見いだされている。

Certain Fusarium spp produce the sphinganine toxin fumonisin B1 (FB1) that elicits cytolysis of plant and animal cells most probably through competitive inhibition of ceramide synthase、 a key enzyme in sphingolipid biosynthesis (Wang et al. 1996; Tolleson et al. 1999).

GPIアンカーが付いたタンパク質は、植物でも動物でも非常に重要なものが多い。GPIアンカー合成の特異的な阻害剤があれば、いろいろと面白いことがわかりそうだし、実用(薬、農薬)にも役立ちそうだが案外見つかっていないようである(私が知らないだけかもしれないが)。 
既に見つかっている薬品や除草剤で作用機構が不明なものの中に、この経路に関係するものが存在する可能性もあり得る。

横尾 岳彦(産総研・糖鎖センター)博士が書かれた解説に以下のような文章があった。 http://yeast.ac.affrc.go.jp/Yoko-o.htm

酵母で)GPI へのアシル基転移酵素をコードする遺伝子 GWT1 の機能解析を行っている際、 この遺伝子の変異株において、トリプトファン輸送体 Tat2p およびウラシル輸送体 Fur4p の 局在が異常になっていることを見出した。局在異常の原因は、GPI 合成が異常になる と、これらがマイクロドメインに取り込まれないためであった。このことよ り、特定の膜タンパク質のマイクロドメインを介した輸送や局在化に、GPI アンカー型タンパク質が重要な役割を果たしていることがわかった。

エーザイ株式会社によって、GPIアンカー蛋白質の細胞壁への輸送を阻害する化合物を見いだす手法が開発され、新規化合物が見いだされているそうである。    http://blog.goo.ne.jp/riibs/e/e38601562f9d1e9de9d04d7fe31ff9b9 「バイオの故里から」というホームページで紹介されている。