1) 研究背景植物生長調節剤は、農作物など有用植物の成長や発育をコントロールする作用を示す化合物の総称である。これまでにたくさんの種類の植物生長調節剤が開発され、農業生産性向上のために有用に使われている。また植物生長調節剤は植物細胞の機能としくみを研究するためのツールとしても有用である。例えば、ジベレリン生合成阻害剤(例:ウニコナゾール)は作物の倒伏軽減に効果があるだけでなく、ジベレリンの生合成と作用の研究にも有用に用いられている。しかしながら、きわめて有用な作用を示し実用に供されているにもかかわらず、その作用機序に不明確な点が残されている植物生長調節剤も存在している。2) 主題と対象それらの既存する植物生長調節剤の作用機構を詳細に理解することは、より効果的な新規化合物の開発を可能にする。また、その植物生長調節剤の新たな作用と用途の発見につながる重要な課題である。1)