第4回「現代の技術と私達のくらし」(於 五日市公民館、2001年11月29日)レジュメ
快適さの裏には!〜情報化社会の光と影〜
☆最初に受講生の皆さんに受講動機・自己紹介をお願いします。
☆講師の自己紹介
拙稿「テクノロジーの明と暗」(『トレイドピア』1998年12月号)
T.ローザック著(成定・荒井共訳)『コンピュータの神話学』(朝日新聞社、1989年)
拙著『科学と社会のインターフェイス』(平凡社、1994年)
情報化社会の光の部分
☆ETV特集「情報の爆発(20世紀をつくった科学技術 第3回)」 視聴
われわれの身の回りには、コンピュータ・ネットワークが張り巡らされ、非常に便利になった。
(例)
自動販売機の管理
救急医療システム
新幹線のチケット販売
連絡・コミュニケーションの手段
☆情報化社会の進展が社会変革・政治変革をもたらす
(例)
衛星TVとパソコン通信が冷戦を終結させた(旧社会主義諸国では通信・出版の自由が大幅に制限されていた→コンピュータ技術の発達が遅れた)。
政府・企業の情報公開を促す→嘘か本当かを評価することが必要。
情報化社会の影の部分
☆クローズアップ現代「インターネットは誰のものか」視聴
インターネットは「悪用」される可能性があり、それを寄生・阻止するのは法律的・技術的に非常に難しい。
(例)
発禁本の公表(フランス)--法律の未整備
危険思想(ネオナチ)の宣伝(ドイツ/カナダ)--「言論・思想表現の自由」
インターネット賭場(イギリス)--文化・価値観の違い
有害情報の氾濫(アメリカ)--監視・法的規制は可能か--「言論・思想表現の自由」
☆クローズアップ現代「危ない情報がかけめぐる」視聴
日本でも多くの問題が起こっている。
(例)
猥褻画像
薬物販売
個人「攻撃」
「情報倫理」は未確立(参考文献『インターネット無法地帯』洋泉社、2000年)
ロボット
☆夢
アニメ「鉄腕アトム」(1963年/1980年)視聴
「鉄腕アトム」は可能か?
主題歌「心やさし科学の子」「心ただし科学の子」
→アトムは感情をもち、倫理的判断ができる
アトム誕生は2030年(1980年版アニメによる)
☆現状
NHKスペシャル「ロボット どこまで人間に近づけるか」視聴
○産業用(単機能)ロボットから人間型(汎用)ロボットへ
ペット型ロボット犬(ソニー製)の開発:「アイボ」紹介
人間型ロボット「アシモ」(ホンダ製)の開発(2足歩行を実現)
人間と共存し、人間をサポートするロボット(介護ロボット)
○困難性と問題点
「考える/対話する」ロボット(人工知能)の開発は非常に困難
軍隊(兵士)ロボット登場の危険性
先端医療
☆NHKスペシャル「人体改造時代の衝撃」視聴
○研究開発の戦略
臓器移植
ヒトからヒトへの移植/異種間移植/人工臓器
→拒絶反応の克服が困難
クローン技術とES(胚性幹)細胞の利用
→拒絶反応をクリアできる
○問題点
人体の商品化
「優生学」思想の復活?
配布資料:ES(胚性幹)細胞に関する最近の新聞記事を資料として配付しました。