1998年10月28日(東北大学学際科学研究センター)

        研究機関としての大学----現在と未来

         成定薫(広島大学総合科学部/科学史・科学論)

 

◎知識生産の4つのセクター

 産:企業研究所、シンクタンク

 官:国公立研究所・試験所

 学:大学

 民:市民、NGO、ジャーナリズム

 

◎情報化社会の進展

 コンピュータの進歩と普及

 インターネット

 情報へのアクセス、加工が容易に

 知識生産の普遍化・平準化--大学の特権性の喪失

 

◎知識生産のモードの変容

 モード1:ディシプリン(パラダイム)主導

 モード2:トランスディシプリナリ(専門分野横断的)でアカウンタビリティと問題解決を重視

 

◎4つのセクターの融合・連携

 4つのセクターはネットワーク(インターネット)で結ばれ、対等に

 大学は「象牙の塔」から「ネットワークの結節点」へ

 

◎大学をめぐる歴史と現状

 資料1「高等教育および学術研究システムとそれらの時代区分」

 資料2「大学の研究基盤に係わる主要経費の動き」

 資料3「科学技術基本法」

 

◎大学の戦略

 産との連携:VBL、地域共同研究センターなど

       資料4「奨学寄付金、受託研究費の推移」

       資料5「民間等との共同研究の推移」

 官との連携:サイエンスパークなど(産も含めて)

 民との連携:サービス科学の追求

       資料6「サービス科学の提唱」

 

◎結論

 組織・制度の柔軟性・多様性を高めつつ(資料7「米国の研究組織の広がり」)

 

 COE(Center of Exellence)の構築を目指す

 

出典一覧

資料1および2 山本眞一「知識生産をめぐる社会環境の変化:大学と社会との関係」『高等教育研究紀要』第16号(1998),     pp.42-51.

資料3 平凡社『百科年鑑』(1997年版)「科学技術」(成定)

資料4および5 小林信一「産学関係の新段階」『高等教育研究紀要』第16号(1998), pp.107-118.

資料6 中山茂『転換期の科学観』(日本経済新聞社、1980)

資料7 山本眞一「研究体制」『高等教育研究紀要』第16号(1998), pp.75-83.