頭蓋咽頭腫

頭蓋咽頭腫ってなに?

頭蓋咽頭腫とは下垂体の茎あるいは下垂体の中にできるできものです。
発生する細胞のもとはラトケ嚢胞と同じですがラトケ嚢胞と違い明らかに腫瘍であり放置すれば必ず大きくなります。
小児期と中年期以降に起こりやすい病気です。
腫瘍の性格は良性腫瘍に属しますがその発生する場所が脳の中心に位置するため放置すると死に至ります。

こんな症状に注意

小児期発生の腫瘍として多いのは

  1. 低身長(身長の伸びが鈍る)
  2. 尿崩症(尿量が増加する→トイレの回数の増加、夜尿症の悪化など)
  3. 視力視野障害(目が見えにくくなる、見える範囲が狭くなる)
  4. 頭痛、嘔吐(水頭症による症状)

などです。

成人期発症の場合

  • 視力視野障害
  • 下垂体機能低下による症状
     尿崩症(のどがよく渇く、トイレの回数、尿量の増加、夜にトイレに行く回数の増加)
     月経不順
     疲れやすくなる
     寒がりになる
  • 頭痛、吐き気、嘔吐(水頭症による症状)

などです

腫瘍は袋を伴うことが多く、下垂体の上に位置することが多いのが特徴です。

頭蓋咽頭腫の治療

腫瘍が下垂体の中や比較的下垂体のすぐ上に存在し、大きさが比較的小さい場合には下垂体腺腫やラトケ嚢胞と同様に経鼻的手術(鼻からの手術)で腫瘍を摘出することができます。しかしながら腫瘍が第三脳室という脳髄液の通る部屋を圧迫するほど大きい場合には開頭手術が必要になります。

腫瘍が完全に摘出できれば再発はありませんが、下垂体の茎に癒着していることも多く、一部を残さざるを得ないこともよくあります。その場合、手術後に放射線療法(ガンマナイフも含む)が必要となります。
腫瘍は下垂体の茎や視床下部という脳の重要な組織に存在しますので、手術後に下垂体機能が強く障害されホルモン補充療法が必要になったり、視床下部の障害や下垂体機能低下により肥満が生じたり、電解質異常や記銘力障害が生じることもあります。しかしながらきちんと治療を行わないと高率に再発するやっかいな病気です。

治療後はどうなるのでしょう?

きちんと治療すれば腫瘍をコントロールすることができます。
通常、何らかの下垂体ホルモン分泌不全を生じることが多く、ホルモン補充療法が必要になります。
腫瘍のコントロールを行い、ホルモン補充療法をきちんと行えば、生命の危険はありません。

しかしながら、これらを怠ると生命の危険が生じます。

定期的な検査とホルモン補充療法を行うことにより通常の人と同じ生活を送れる場合も多いです。当然ながら、他の脳腫瘍と同様に、腫瘍の大きさが大きい場合などでは治療後も社会復帰ができなかったりすることもまれならずあります。