下垂体腫瘍

下垂体ってなに?

下垂体とは脳の下にぶらさがっている組織で、目の奥、鼻の奥に位置しています。
ここからは脳(視床下部)からの命令により8種類のホルモンが分泌されています。
下垂体は前葉と後葉にわかれています。
前葉からは 成長ホルモン(GH)、プロラクチン(PRL)、性腺刺激ホルモン(2種類)(LH. FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
後葉からは抗利尿ホルモン(ADH)、オキシトシンが分泌されています。

下垂体の周囲にはいろんな組織があります。下垂体の上には視神経(視交叉)、両横には内頸動脈と海綿静脈洞があり、海綿静脈洞内には目を動かす3つの神経(動眼神経、滑車神経、外転神経)が走っておりさらにその外側には三叉神経が走っています。

下垂体腫瘍ってなに?

下垂体腺腫

下垂体にはいくつかの種類の腫瘍ができます。
最も多いのが下垂体から発生する下垂体腺腫です。
下垂体腺腫は基本的には良性腫瘍です。癌のように転移したりすることはありません。しかしながらまれにがんと同じように非常に早く進行したり転移するものがあります。
下垂体腺腫には大きく分けて2つのタイプがあります。
ひとつは下垂体の性格を引き継いで特定のホルモンを産生する腫瘍、もう一つはホルモンを産生しない腫瘍です。特定のホルモンを産生する腫瘍を「機能性下垂体腺腫」ホルモンを産生しない腫瘍を「非機能性下垂体腺腫」といいます。
機能性下垂体腺腫はその分泌されるホルモンによりさらに細かく分類され

  • 成長ホルモン産生腺腫
  • プロラクチン産生腺腫
  • ACTH産生腺腫
  • ゴナドトロピン産生腺腫
  • TSH産生腺腫

などに分類されます。
機能性腺腫ではそのホルモンが過剰に産生されるための症状で見つかることが多く、非機能性腺腫では腫瘍が大きくなって周囲の組織を圧迫することによる症状でみつかることが多いのが特徴です。

そのほかに下垂体、下垂体の近くにできる腫瘍には

ラトケ嚢胞、頭蓋咽頭腫、髄膜腫、転移性腫瘍 などがあります。転移性腫瘍以外はほとんど良性腫瘍です。

下垂体腫瘍の治療

下垂体腫瘍は大部分が手術療法が第一選択です。機能性下垂体腺腫では特に熟練が必要で下垂体腫瘍専門の手術数が手術成績に関係してきます。

脳ドックで下垂体に腫瘍があるといわれたけどどうすれば?

ほとんどの場合良性腫瘍ですのでまずあわてないようにしましょう。
MRIでは腫瘍が袋状のできものか、充実性(かたまりの)のできものかわかります。
袋状のものであればたいていはラトケ嚢胞です。頭蓋咽頭腫や下垂体腺腫で袋を伴うものであることも時にあります。

充実性であればたいていは下垂体腺腫です。髄膜腫は下垂体腺腫と形が違うのでどちらかは区別がつきます。
まずは脳神経外科を受診しMRIにて再検査してもらいましょう。
血液検査も必要です。ホルモンの異常がないかどうかを調べてもらう必要があります。
下垂体を専門にみている病院であれば下垂体負荷試験といって注射薬で下垂体を刺激してホルモン分泌に異常がないかどうかをしらべてくれます。