痛み研究グループ
研究概要
慢性疼痛発現における電位依存性Naチャネルの役割に関する研究を行っています。
電位依存性Naチャネル(以下、Naチャネル)は中枢および末梢神経系において、神経細胞の興奮を直接担っている膜タンパク質です。Naチャネルの機能的
変調は多くの場合、神経細胞の過剰な興奮を引き起こし、さまざまな疾患の大きな原因の一つとなっています。
炎症性疼痛や神経因性疼痛に代表される慢性疼痛におきましても、その背景には神経細胞の異常興奮が存在し、Naチャネルが慢性疼痛の発現や進展に重要な役
割を果たしていることが明らかとなりつつあります。
なかでもフグ毒・テトロドトキシンに対する感受性が無いNaチャネルは、疼痛発現に強く関与している可能性が示唆され、副
作用の少ない新しいタイプの疼痛治療薬のターゲットとして注目されています。
私たちの研究室では、新しい疼痛治療戦略の糸口を見出すことを目標とし、慢性疼痛発現におけるNaチャネルの機能的役割を検討しています。