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フレーベルが好きだったゆりの花
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1813年、祖国解放戦争に従軍したフレーベルは、郷里に帰る途中で
美しい花園に立ち寄る。フレーベルはその花園にゆりの花がないことに
驚くとともに、ゆりの花が自分の求めるものを示していることを悟った。
ここにいたって私は自分が何を恋しがり、また何を求めているかという
ことがわかった。このことを私の心は次の言葉よりももっと美しい言葉で
言い表すことがどうして出来たろう。「お前は心臓の静かな平和と生命の
諧音と魂の清澄とを静かな明るい単純な百合の姿のうちに求めてる」。
種種様々の美観を呈しているこの花園も、百合の花がなくてはあたかも
統一と調和との欠けた、眼前を過ぎ去る雑然たる生活のように私には
思えた。
(『フレーベル自伝』より)
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