主な好みはクラシック音楽。熊本ではピアノも弾いていました(現在お休み)。
J.S.Bach, W.A.Mozart, L.v.Beethoven, G.Mahler, R.Strauss など大好きです。オペラも好きなのですが、特に5つ挙げると「コジ・ファン・トゥッテ」、「魔弾の射手」、「カルメン」、「神々の黄昏」、「バラの騎士」でしょうか。イタリアオペラも聴くことは聴きますがあまり好きではありません。
◎G.マーラー 第5交響曲: S. ラトル/ベルリン・フィル
最近買ったわけではなくもう1年以上前、2002年の年末だったと思いますが、最近聞き直してやはり紹介することにしました。ラトルのベルリン・フィル常任就任のお披露目コンサートのライブです(多分)。新しく改訂された国際マーラー協会版の楽譜を使用していて、3楽章で登場するオブリガートのホルンソロを協奏曲のソリストのように指揮台の横で吹かせています(楽譜に指示がある)。それはともかくとして、これだけ楽譜の多くの指示を理解して再現した演奏は聴いたことがありません。とても個性的です。他の演奏ではネグられて聞こえてこない(だけれどもちゃんと譜面にはそう書いてある)音がきちんと聞こえてきますから、まるで初めて聴くような気さえします。ぼんやり聞くと誰が振っているのかわからないような演奏の多い今日この頃めずらしいことです。さらに、単に部分的な再現を積み上げただけというのではなく、全体もよくまとまっています。ただ、とてもよくできているのですが、聴き終えて感動するか?というと、どうも感動に結び付かないのですね。何か足りないものがあるように感じるのです。決して冷たい演奏ではないのですが。多分時間が経つと丸くなってきて解決するのかもしれません。10年、20年後の再演が楽しみです。とはいってもこれはすごい演奏です。EMIから。
◎P.チャイコフスキー 第4交響曲: K. ベーム/チェコ・フィル
1971年ザルツブルグ音楽祭でのライブ(レーベルはORFEO)。カップリングはベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番(ソリスト:E.ギレリス)。でもこのチャイコフスキーが素晴らしい。ロシア風というのとは違いますが、どっしりとした風格を備えた、しかも重すぎずという演奏。実はこの曲はそれほど好きではないのですが、まぁこれほどの演奏に触れれば感動します。「皇帝」の方はそれほど・・・。同時にリリースされた、同じくベームのザルツブルグ音楽祭でのライブ、モーツァルトの29番の交響曲、R.シュトラウスの「死と変容」、マーラー「なき子をしのぶ歌」(クリスタ・ルートヴィッヒの名唱!)のCDも文句無く素晴らしいです。
◎L.v.ベートーヴェン ピアノソナタ23番ほか: M. ポリーニ
ポリーニのベートーヴェンというと70年代に出た後期のソナタ集を繰返し聞いたものでしたが、その後は単発で数枚だけというスローテンポのリリース。23番の「アパッショナータ」は演奏会では弾いていたようですが、本人がなかなか納得せず、ようやく今年はじめに発売。私が購入した発売当初の輸入盤にはオマケにライブ録音の23、24番の全曲CDが付いていました。基本的にはどちらの演奏も同じで、とにかく好き嫌いは別として凄いの一言です。極度に研ぎ澄まされた緊張感の上で弾いていて、特に3楽章のコーダは凄まじいばかり。一方の極にある演奏でしょう。「疲れる」と言って、こういう演奏に違和感を持つ人も多いでしょうが、一度は聞いてみるべき演奏です。DG(ドイツグラモフォン)から。カップリングは22、24、27番のソナタ。それにしてもベートーヴェンという人はすごい人です。ピアノ音楽でも結局(後期ソナタで)ほぼ頂点を極めてしまっていて、ベートーヴェン以後この高みに達したのはあの3つの遺作のソナタを書いたシューベルトだけだと思います。
◎(番外)J.S.バッハ 平均率クラヴィーア曲集: S. リヒテル
今更というべきかもしれない誰もが認める名盤中の名盤ですが、最近改めて繰返し聞いています。と言っても第一集ばかり聞いているのですが。8番の変ホ短調をお聞きなさい!