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広島大学大学院医歯薬保健学研究科(医)医学講座 精神神経医科学です。

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◆現在進行中のプロジェクト

(1)脳科学研究推進戦略プログラム(脳プロ)融合脳

 うつ病患者の臨床症候評価、治療反応性、脳画像解析、血中バイオマーカー測定などを行い、これらのImaging genomics解析により、うつ病症候に関連する神経回路ー分子病態を検索するとともに、うつ病症候モデル動物においても解析を行います。これらのデータを用いて神経回路モデル解析を行うことにより、うつ病の神経回路ー分子病態を解明します。
 次にうつ病患者から得られた臨床データと神経回路モデル解析結果に関する多次元的データを、学習アルゴリズムを用いた機械学習的手法によりパターン解析を行い、より精度の高い客観的層別化技術および治療反応予測法の開発を行います。
 さらに、うつ病症候の神経回路ー分子病態解明の結果に基づいて脳神経回路ダイナミクス解析を行い、Neurofeedbackによる新規治療法の開発を試みます。
 また、これらの診断・治療技術の開発の基盤として、報酬依存的なドパミン神経回路と報酬非依存的なセロトニン神経回路の双方を調整すると考えられる手綱核の役割をモデル動物を用いて検証するとともに、手綱核ニューロンの興奮性を調整するグリア細胞機能異常の解明を行います。
 さらに、企業シーズ探索によりTranslocator Protein(TSPO)の作用に着目し、グリア細胞機能異常を標的とした薬物治療法に関する治療技術開発を行います。





(2)脳科学研究戦略推進プログラム・革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト(革新脳

(研究開発課題名)大規模脳画像解析とヒト−霊長類トランスレータブル脳・行動指標開発にもとづく精神・神経疾患の病態神経回路解明
(分担研究開発課題名)脳画像計測を用いた気分障害の神経回路病態の解明


中核拠点や臨床研究総括チームの指導・監督の下、統合失調症、自閉症スペクトラム障害、うつ病、双極性障害などの精神疾患の病態解明を目指して、
(1)疾患患者の脳画像・生理・認知行動データによる疾患病態神経回路を同定する
(2)ヒト・霊長類で共通に計測出来る脳画像・生理・認知行動指標であるトランスレータブル脳指標を精神疾患解明目的に特化して開発する
(3)精神疾患モデルマーモセットを作出したうえで、トランスレータブル脳指標を通じて疾患病態神経回路に相当するマーモセット神経回路を同定し、神経回路解析や回路操作を通じて、病態神経回路と行動異常の因果関係を示す
(4)こうしてミクロ脳病態に裏打ちされたトランスレータブル脳指標を臨床研究総括チームにフィードバックすることにより、神経回路にもとづく精神疾患の再分類、診断・治療法開発に役立つバイオマーカー(「神経回路マーカー」)として確立することを目的とする。
 このため、国立大学法人東京大学を代表機関として、分担機関である国立大学法人名古屋大学、国立大学法人大阪大学、 国立研究開発法人放射線医学総合研究所、学校法人昭和大学、大学共同利用機関法人自然科学研究機構生理学研究所及び国立大学法人広島大学と密接に 連携し研究開発を実施する。国立大学法人広島大学は、「脳画像計測を用いた気分障害の神経回路病態の解明」を担当し、 平成28年度までに「臨床研究総括チーム」が策定したプロトコルに従って多面的にデータを取得・解析し、気分障害の症候 に関連した神経回路病態を明らかにする。脳画像は、3T-MRIを用いて中核症候に関連する賦活課題による機能画像およびそのネットワーク解析、 構造画像などを行う。平成30年度までに、臨床研究総括チームから、他の精神疾患の神経回路異常の情報を得て、気分障害における 神経回路病態との異同を検討するとともに、中核拠点で明らかになったマーモセットにおける神経回路の所見と照合する。 これまで得られた成果と中核拠点でマーモセットにおいて明らかになった成果から、気分障害の症候に関連する神経回路を同定する。





(3)高度通信・放送研究開発委託研究

(研究開発課題名)脳機能補完による高齢者・障がい者の機能回復支援技術の研究開発
 ・項目2 認知・感覚運動機能の維持とリハビリテーションシステムの開発


個人の認知機能を予測する脳内ネットワークを機械学習アルゴリズムに基づいて同定するために、
多施設からさまざまな個人特性を持った高齢者の脳活動データを収集する。
広島大学では健常高齢者およびうつ傾向のある高齢者のデータを収集する。


(4)新学術領域研究ー新学術領域 脳・生活・人生の統合的理解にもとづく思春期からの主体価値発展学

主体価値の発展支援-思春期後期うつ病に対する主体的価値に基づいた行動変容プログラムを用いた発達支援
 人間は、進化過程で発達した前頭前野を活用して自我機能を成立(自己像を形成)させ、自分自身の精神機能さらには脳機能を自己制御する、「精神機能の自己制御性」を持っています。そして、人間は、社会・生活というリアルワールドのなかで、それに能動的に働きかけ、自己制御を通じて主体価値を更新・発展させ、ウェルビーイングを実現させていきます。
 思春期とは、社会環境に適応した自己を形成するための極めて重要なライフステージであり、ここでの発達の歪みは現代の若年層に見出される深刻なこころの問題や社会病理に多大な影響を及ぼすことがわかっています。
 新学術領域研究では、人間がライフコースを通じて長期的にウェルビーイングを実現する過程に直結する主体価値形成の理解と発展を目指します。
 新学術領域研究は東京大学の笠井清登先生を中心として様々な大学が一緒に研究を行っています。広島大学では、分担研究として主に大学生を対象としたうつ病の改善に向けた研究を行っています。大学生は入学に伴う環境の変化や在学中に様々なライフイベントを経験する時期であり、在学中に精神的な不調を訴える学生が近年増えてきています。思春期、青年期にうつ病を経験すると慢性的な経過をたどり、対人関係の困難や、学業成績の低下、薬物乱用や自殺率の増加などの否定的な結果にいたることが多く報告されています。そこで、われわれは、個人の主体価値に基づいた行動変容プログラムの検証を行い、うつ病を伴う大学生を対象として行動変容プログラムを用いて抑うつ症状の改善、主体価値の変化について明らかにしようとしています。


    

(5)文部科学省「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM:Center of Innovation Science and Technology based Radical Innovation and Entrepreneuship Program)」

精神的価値が成長する感性イノベーション拠点 従来の「モノづくり」は、より効率的で安価な大量生産、より便利がコンセプトでありましたが、 「モノ」があふれた現代社会において、 果たして「人は幸せになったか」という素朴な疑問に対して、「YES」とは言い難い状況にあります。 このことは、グローバル化、市場原理優先による競争激化などに起因するうつ病の急増、毎年3万人に及ぶ 自殺者などからも明白であり、産業革命以後の物質的なイノベーションは限界に来ていると言えます。 そこで、「精神的価値が成長する感性イノベーション拠点(以下、感性COI拠点)」では、 従来型の「モノの豊かさ」から、精神的価値が成長する「こころの豊かさ」へのパラダイムシフトを基本コンセプトに、 モノとこころが調和する「こころ豊かな社会」を目指します。感性COI拠点では、「こころ豊かな社会」の実現のために、 最新の脳科学を応用して、人と人、人とものを感性(こころ)で繋ぐBrain Emotion Interface(BEI)の開発を目指しています。 これまで客観的に評価することが困難とされていた「ワクワク」、「イキイキ」、「きれい」などの感性をBEI技術を用いて 可視化(見える化)し、定量化することで、個人の感性やニーズなどに対応した製品、サービスが提供できるようになり、 衣食住、車、教育、医療など多様な分野において社会の大きな変革が起こることを期待しています。



 
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