課題研究特別講座 スーパーグローカル




課題研究特別講座「スーパーグローカル」の理念


 当校の課題研究では,「国を超えた課題」や「世界共通の課題」をテーマにグループ討議を行い,文化的価値観の異なる集団等での「合意形成」の経験知を蓄積するプログラムの開発に取り組んでいます。
 文化的価値観の異なる集団とは,例えば「校内の学年を異にする集団」や「異なる学校の生徒」,「異年齢・異年代の集団」,「地域を異にする集団」などを想定しています。海外の学校との交流や協働学習を推進するだけでなく,様々な集団での「合意形成」を含む議論を導入し,高次の能力の育成を図ることをめざしています。
 このような内容を含む,校内や日本国内で実施する特別講座を,課題研究特別講座「スーパーグローカル」と呼んでいます。

2017年度 IDEC留学生との議論を含むプログラム(第1回) 2017.06.03


 当校のSGHの活動の一つの柱である「スーパーグローカルプログラム」は,異文化を背景とする人たちと英語で話をしたり,議論したり,合意形成したりするプログラムです。このプログラムの一つとして,今年度も昨年度に引き続き,広島大学大学院国際協力研究科(International Development and Cooperation: IDEC)の留学生とともに「環境」「平和と教育」の2つのテーマについて,高校2年生がグループで議論する「IDEC連携プログラム」を全5回計画しました。発展途上国を取り巻く社会的課題について学び,英語で議論する機会になればと思っています。今回は,ラオス,インドネシア,ガーナ,リベリア出身の,4名の留学生が参加しました。
 第1部では,最初に広島大学の清水欽也先生から本プログラムの説明をしていただき,その中でも特に,「何が問題点とされているのか」を考えながら発表を聴く姿勢が大切であるということ強調して教えていただきました。第2部では,最初に広島大学の中谷礼美先生が,「発想力」「つなげる力」「合意形成力」の育成を意図するWeb mappingの作成について,全体に指導をしてくださいました。その後Web mappingを実際に使って,「留学生の研究課題の原因は何か」という問いについて,グループワークを行いました。第3部の発表会では,グループで作成したWeb mappingを活用して問題の主たる原因と考えられるものについて発表を行いました。4つのグループそれぞれが違うテーマに対してディスカッションをしていたので,生徒たちは他の班の発表内容に対して興味深く聞いていました。時間の関係で,発表準備は決して万全ではありませんでしたが,英語を使って発展途上国を取り巻く社会的課題についてのグループの成果を説明することができていました。実施内容と生徒の声はこちら

2017年度 校内模擬国連 2017.06.17


 この活動は,昨年度「広島県グローバル未来塾inひろしま」に参加した生徒(6年生)が,プログラムの中で実践した「模擬国連」の初級編に当たる「国連カフェ」を学校でも実践したいと昨年度末から計画を進めていたもので,体育祭や中間テスト,学友会総会が終わったこの時期に開催が実現しました。前日の打ち合わせや,当日の議長役としての進行から企画運営の一切をその生徒が行いました。
 「国連カフェ」は,生徒が各国の大使役になり,国連カフェの新しいメニューとしてふさわしいものを選択肢の料理・ドリンクの中から考えるというもので,当日は2人一組(1か国だけ3人編成)で9か国が参加する設定でメニューを考えました。生徒には,その国の農畜産物や宗教上の特徴や国際的立場に合わせて指令が与えられており,他国の指令は分からない中でメニューについて議論しました。宗教に配慮した食材や料理を選択することはもちろん生徒の中にありましたが,それ以外にも発展途上国と先進国での考え方の違いや,各国の「自国の農畜産物を売り込むチャンスにしたい」という利害関係で意見は鋭く対立し議論は白熱しました。今回は,「コンセンサス」という一つの議案に対してすべての国が合意するというかたちでメニューが決まりました。しかし,案に同意したものの終了後も合意案にもやもやした気持ちを抱いたままの生徒もおり,3時間近い議論の中でその国の大使になりきって集中して取り組んでいたことが伝わってきました。4・5・6年という異学年が集まり,さらに様々な立場が設定された中で一つのゴールに向かう議論を経験した生徒は,1つの合意にたどり着けたという充実感と共に,合意形成の難しさを改めて感じていました。実施内容と生徒の声はこちら

2017年度 IDEC留学生との議論を含むプログラム(第2回) 2017.07.29


 第2回IDEC連携プログラムは「平和」と「教育」を柱にしたテーマで実施しました。第1部では,7名の留学生がそれぞれ,自分の研究テーマを中心に発表を行いました。第2部では,留学生と生徒がそれぞれ3組にわかれて,第1部での発表内容に関する質疑応答を行いました。「平和」と「教育」は,生徒にとって普段から考えたり触れたりする機会の多い分野ではあるものの,例えばマラウイでは,大学の制度が要因で教師の専門性が高まっていないなど,その現状や課題を理解するためには,各国の社会的背景を知っておかなければなりません。生徒はその点に苦戦し,最初は質問や発言をあまりできませんでした。しかし,留学生が積極的に意見や質問を投げかけてくださり,次第に質疑も活発になっていきました。
 次回以降では,第1回の「環境」,第2回の「平和」「教育」をテーマとし,生徒が留学生に対して発表を行います。この2回の留学生の発表によって,生徒は,内容はもちろん,問いの立て方や発表の仕方なども学ぶことができました。これからは少人数のグループにわかれ,発表の準備に取りかかります。実施内容と生徒の声はこちら

2017年度 IDEC留学生との議論を含むプログラム(第3回) 2017.09.30


 第3回IDEC連携プログラムはこれまで発表していただいた留学生の研究課題に対し,本校の生徒が多文化比較や国際理解の観点から,議論をしていきたい内容について,その課題設定を発表しました。今回は,4つテーマについて発表が行われました。
 テーマは「FOOD LOSS」,「Review Laos’ Insurance」,「Agriculture of Liberia」,「Conflict in Reduction of Carbon Dioxide Emission」の4つです。それぞれのグループとも,現状を分析し,考察を行いました。
 各班の発表終了後には,質疑が行われました。留学生の方からは大学院生の視点から,クリティカルな指摘をいただきました。質問を受けた生徒は,その質問に感嘆しながらも,先行研究などを踏まえて自分たちの考えを主張していました。また,広島大学の清水先生,中矢先生からは,質問のみならず,研究方法や発表の構成についてもご指導をいただきました。特に,研究の目的を明確にすることで,課題や方法が明らかになり研究に一貫性が生まれるというご指導は,まだまだ研究に対して未熟な生徒にとってとても重要な視点であると感じました。その他,生徒同士での質疑も行われ,盛り上がりを見せました。厳しい指摘も多くありましたが,終了後も残っていただいた清水先生の元へ質問に行く生徒も多く,このプログラムに対して主体的に粘り強く取り組む姿が印象的でした。実施内容と生徒の声はこちら

2017年度 IDEC留学生との議論を含むプログラム(第4回) 2017.11.11


 第4回のIDEC連携プログラムは,2部構成で実施しました。第1部では,前回に続いて,これまで発表していただいた留学生の研究課題に対し,本校の生徒が多文化比較や国際理解の観点から,議論をしていきたい内容について,その課題設定を発表しました。今回は以下のようなタイトルで,7つの班によって発表が行われました。
 ・How to Make the Society Friendlier to Sexual Minorities.
 ・New Education in Poor Countries.
 ・Agriculture of Liberia.
 ・Change our awareness by education.
 ・Spread Peace Education.
 ・Conflict in Reduction of carbon dioxide emission
 ・Review Laos Insurance
 全班の発表終了後,第2部へと移りました。第2部では,発表に関する議論を行いました。留学生2,3名が,20分交代で,研究の関心が近い班と議論するという構成でした。議論の中では,発表内容に関する質疑のみならず,課題設定や研究方法の提案などもしていただきました。発表内容が発展途上国に関することなので,日本語や英語での文献収集が困難な場合も多々あることから,当該国の方の経験や意見は,生徒の考えをさらに広げ,深めるものでした。
 次回は,12月です。第3回,第4回でいただいた意見を踏まえ,生徒たちは最終発表に臨みます。実施内容と生徒の声はこちら

2017年度 IDEC留学生との議論を含むプログラム(第5回) 2017.12.16


 第5回IDEC連携プログラムでは,IDECへお邪魔させていただき,第3・4回で留学生の方々にいただいたご意見を参考に加筆・修正をした内容について発表し,議論しました。
 最初に,1グループにつき10分間の持ち時間で,計7グループが発表を行いました。生徒たちは事前にしっかりと準備をしており,留学生の方々から考察や発表構成について褒めていただいたグループも多くありました。次に,各グループに分かれ,研究の関心が近い留学生の方々と議論を行いました。どのグループも積極的に議論する一方で,例えばジェンダーの問題について,宗教の違いによって日本における改善策がイスラム圏では通用しないなど,文化や宗教の違いによって,課題へのアプローチが異なることに頭を悩ませていました。最後に,IDECの清水先生から,国際社会において他者との合意形成を図るためには,文化や宗教を越えて誰にでも伝わる内容や,筋道立った論理的な説明が不可欠であるとお話いただきました。
 今年度IDEC連携プログラムは第5回を持ちまして終了となります。このプログラムでの経験を通し,生徒たちは国際社会で生き抜くことの難しさを感じ,それと同時に生き抜く力を養う事ができてのではないかと思います。IDECの先生方,留学生の皆様,ありがとうございました。実施内容と生徒の声はこちら

IDEC留学生との議論を含むプログラム(第1回) 2016.06.11


 平成28年度は,昨年度試行として実施した,IDECとのプログラムを拡張し,異文化を背景とする人たちと英語で話をしたり,議論したり,合意形成したりするプログラムとして,広島大学大学院国際協力研究科(International Development and Cooperation: IDEC)の留学生とともに「環境」「教育」「平和」の3つのテーマについてグループで議論する「IDEC連携プログラム」を全5回計画しました。
 今年度第1回の講座は,ポーランド,ベトナム,バングラデシュ,シエラレオネ,インドネシア,ミャンマー,中国,ラオス,ガーナなど9か国,10名の留学生に来校いただきました。留学生による自分の研究テーマの紹介の後に,各国での諸問題を理解し,その原因は何か,どうすれば解決できるかを,数人のグループでディスカッションを通して考え,Problem Treeとしてまとめました。実施内容はこちら

IDEC留学生との議論を含むプログラム(第2回) 2016.07.16


 第2回IDEC連携プログラムの柱は「平和」と「教育」でした。今回はポーランド,ベトナム,バングラデシュ,インドネシア,ミャンマーの5か国,9名の留学生に来校いただきました。前回同様,Problem Tree を用いながら,「その問題の原因は何か」,「どうすれば解決できるか」を考え,グループ内で意見を出し合いました。積極的にグループをまとめようとする発言が出来た生徒が多かったように感じています。実施内容はこちら

IDEC留学生との議論を含むプログラム(第3回) 2016.10.22


 第3回IDEC連携プログラムの柱は第1回と同じく「Human Activity & Environment」「Agriculture」「Poverty & Economics」でした。今回は生徒が5分間の中で英語でプレゼンテーションを行い,その発表に対して質疑応答する時間をとりました。広島大学の中矢先生からの講評で,今日の議論の中で大切なことは,日本人としてではなく,またベトナム人としてでもなく,特定の国ではなく,地球市民という立場で物事を議論したことに触れてくださいました。このIDEC連携プログラムで行う議論では,まとめや結論を出すこともあるけれど,その結論に至るまでのプロセスのあり方を学ぶ機会でもあることを教えてくださいました。実施内容はこちら

IDEC留学生との議論を含むプログラム(第4回) 2016.12.10


 第4回IDEC連携プログラムは「教育」と「平和」の分野で実施しました。第1部は「教育とジェンダー」「高校生活」「多文化主義」の3つのテーマで生徒が英語でプレゼンテーションを5分間ずつ行い,留学生からの質疑・感想の時間を取りました。その中では「ジェンダーと性差のちがいをどうとらえているか」という質問があり,議論のポイントを明確にしていくことができました。第2部は20分ごとに3チームに分かれた留学生が3つのテーマの生徒と議論する形で進め,生徒は留学生全員から意見を聞くことができました。生徒は文化・習慣といった背景の違う留学生からの新しい意見や考えを受けて活発に議論を進めることができました。第3部の発表会では,各テーマの代表者がWeb mappingを用いながら,話し合った内容とその結論を英語で紹介しました。最後に全ての活動を振り返って,広島大学の中矢先生がご講評の中で,「議論をしていく中では,課題意識を持って解決しようとするモチベーションが大事です。まずは自分の意見を持ち,テーマへの深い意見を持つように意識してください。」と話してくださいました。実施内容はこちら

IDEC留学生との議論を含むプログラム(第5回) 2017.02.18


 第5回IDEC連携プログラムは一年間のまとめの会として,小グループによるテーマ別発表と意見交流を実施しました。生徒たちは,「社会福祉」「ジェンダー」「多文化」「捕鯨」「日本人の気質」という5つのグループに分かれて,これまでの議論を振り返って考えたこと,学んだことについて全員が自分の意見を述べました。1つのグループの持ち時間を10分間とし,5分間で質疑応答を行いました。留学生の質問の中で印象的だったのは,体格差を例に出して公正と平等の具体的な違いを生徒に投げかけて議論したことです。IDECの清水教授が『自分が高校生だった時は,みなさんのように英語でうまく話すことはできませんでした。みなさんが英語で自分の考えを述べていることは素晴らしいです。高校生の段階でこれだけの議論ができれば,将来楽しみです。』と生徒の頑張りを後押ししてくださり,励みになるご講評をしてくださいました。今年度IDEC連携プログラムは5回実施してきました。生徒たちは回を重ねることで,自分の意見をしっかりと伝えようとする姿がより強く見えるようになりました。実施内容はこちら