- 染色体
- 2003.5.6
- (#1) イントロンの存在について、とても不思議に思った。mRNAのスプライシングの時に切り落とされてしまったり、細菌は捨ててしまっていたりなど、あまり大きな必要性は一見見られないのに、大事に遺伝情報の中に保存されている事が、私にとってのミステリーであった。 また、今回の講義でイントロンは、
exon shuffling 等により進化上有利であるために必要であるようである。という講義を受けたが、早い増殖効率のためにイントロンを捨てた細菌は、イントロンを保持する遺伝子を持つ生物に比べ、実際、進化上不利になっているのであろうか?進化の方法は
exon shuffling のみではないのは知っているが、イントロンの存在が本当に進化上有利であるならば、何らかの差なり、不利であったという証拠が見つけられると面白いと思う。 実際どのようにしてそれを発見するかはとても難しいと思うが…。古細菌から系統樹を洗い直して見るのというのは、どうであろうか?その生物が誕生したと思われる古細菌からの時間を、イントロン数で比較してみたり、できるのではないだろうか?しかし、それだけでは、絶対的に足りない。 思いつきません。
- (#1-#14) 遺伝子間のイントロンは必要なものだと思う。遺伝子を保つにはDNAが安定であることが必須条件。イントロンはDNA分子の安定化に関与していると思う。また進化の過程ではむしろ有利に働いていると思われる。環境に合わせて遺伝子を獲得する時にイントロンは利用されているのではないでしょうか。
- #1−#14-#2 遺伝子を保つにはDNAが安定であることが必須条件であり、イントロンは必要なものであると書かれているけれど、イントロンを持たない原核生物ではどうなるのでしょう?安定に保つ働きもあると思うけど、それだけではイントロンがあまりにも多すぎるのではないでしょうか?
- #1-#14-#10 イントロンは、DNAを安定した状態に保つためと言っていますが、実際、イントロン部位が少ない生物(酵母以外)でも、正常に発生することができます。カエルやサメでも過不足なく発生できているのではないでしょうか?「イントロンが、環境に合わせて遺伝子を獲得するために利用されている」のであれば、高次の生物になればなるほど、イントロン数は増える事になります。酵母もその場での環境に適応して、分裂を行う必要があるのではないですか?さすれば、イントロンは必要無い?
- #1-#14-#13 環境に合わせて遺伝子を獲得するときに、イントロンが利用されている、という発言に私も同意見だ。ただ、遺伝子が獲得できたとして、獲得できた個体と、獲得してない個体が交配できるのか、という新たなミステリーが生まれてしまった。
- (#1-#17) イントロンの存在、染色体の構成の変化。 どちらも現象はよく知られていても、それがなぜなのか?どのような意味をもつのか?ということについては謎である。 ヒトをはじめ様々な生物のゲノム解読が終了し、人類は生物や生命の不思議について多くを解明したが、まだわからないことは山のように残されている、ということを実感する。 だからこそ、日夜研究に励むのであるが。 しかし、たまにふと考える。 #3の人が言うように、私たちが解明しようとしていることが本当に意味のないものだったりして・・・。
- (#1-#4)古細菌にはイントロンがあってexon shuffilingなどにより進化上有利であるはずなのに、細菌は、進化の過程で、早い増幅速度のためにイントロンを捨ててしまった。このイントロンを捨てたことによる進化上の不利益が観察できるのではという意見。無理矢理その実験法を考えてみました。同じ位の必須遺伝子数、同じ位の遺伝子スケールで一方はイントロンを持たない生物、もう一方はイントロンを含み その分だけDNAが長く、増幅速度も遅い生物を用意する。ただし、それ以外には2つの生物に差は無い。この二つの生物に適度の選択圧をかけ両者の生存率を比較する。口で言うのは簡単ですね、、、、たぶん私は、進化の観点からもこのイントロンを捨てたことによる進化上の不利益がよりも、増幅速度を上げることによる利益のほうが、細菌にとって多かったのではないかと思います。
- (#1−#12)私は、イントロンの存在の有無は、生物進化上で大きな違いを引き起こしていると思います。イントロンでDNAが切断された場合は、そのほかの生きていくために必要な遺伝子には影響を与えないため多くの部位で非相同組み替えなどが可能である。と講議でもありましたが、それが真核生物の多様性を生み出しています。一方原核生物は、真核生物に比べて複雑さに乏しいと思います。イントロンが進化上有利であったということは、イントロンが存在したため進化し、複雑な機能や器官を獲得できたということではないでしょうか?それが証拠にはならないでしょうか??
- (#1-#19)イントロンの存在について私も同じようなことを考えました。一見、必要性が見られないのに遺伝情報の中に保存されているので、その存在が不思議です。
- (#2) 直径10ミクロンの核の中に、2メートルもの長さのDNAが折りたたまれて入っていることが最大のミステリーであると感じました。どのようにして必要な部分のみを翻訳し、蛋白質の合成をしているかを調べていく必要があると思います。
- (#3) 染色体の構成要素であるDNAは律儀なまでに正確に受け継がれてゆく必要があり、その変化はほとんどの場合致死である。それに対し染色体は、進化の過程において非常に変化しやすい上にその変化に寛容である。
このことが本日の講義での話題で最大のミステリーであると思われます。例えばヒトとマウスを比較した時、この二種の生物はその遺伝子的には非常なまでに似通っているのに対し、その染色体の形状や各々の遺伝子の配置を見ると、大きく様子が異なります。これは何を意味するのでしょうか。私達はとかく意味を求めがちですが、ここにはあるいは意味などないのかもしれません。この事実を解明するには、染色体構造に関するより深い知見が必要となってくると思われます。今までに細胞遺伝学的研究により蓄積されてきた染色体に関する知見をヒントにしながら、分子生物学的な視線で捉え直すことが大切であると思います。
- (#3-#1) みなさん同じ授業を聞いているのに、いろいろな別の感想をもっているのだなと、面白く思った。(#3)の感想でヒトとマウスの遺伝子はとても似通っているのに対し、染色体の形状やおのおの遺伝子配置の様子が大きく異なることについて、何を意味するか、意味など無いのかも知れないと考えられている。私は、その意味はほとんど無いのではないのだろうかと、感じている。やはり大事なのは遺伝情報なのではないだろうか?と思う。 しかし、意味の無いようなものに意味を見つけることができれば、すばらしく面白いと思う。
- (#3-#17) イントロンの存在、染色体の構成の変化。 どちらも現象はよく知られていても、それがなぜなのか?どのような意味をもつのか?ということについては謎である。 ヒトをはじめ様々な生物のゲノム解読が終了し、人類は生物や生命の不思議について多くを解明したが、まだわからないことは山のように残されている、ということを実感する。 だからこそ、日夜研究に励むのであるが。 しかし、たまにふと考える。 #3の人が言うように、私たちが解明しようとしていることが本当に意味のないものだったりして・・・。
- #3-(#1, #17)-#3の方々には、私の意見の中にあった『生命構造、現象の意味』についての御意見を頂きました。この命題は、突き詰めると生命の意味論的な哲学思考へ流れてしまいがちでありますので、ここでは科学的な観点に限定して意見を述べます。この事について私は「あるいは意味などないかもしれない」と述べましたが、今までに我々人類が得てきた生命現象に関する多くの知見から考えますと、私は生命の構造や現象の多くには機能的意味がある可能性の方が高いと考えます。生命というものは実にシステマティックで省エネな化学反応の場であり、あらゆる構造や現象は、そのシステムとリンクしているものだと考えるのが自然であると思うのです。そのため科学を行う我々の姿勢としては、意味があると信じて進むのが最良であると思います。
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(#4) 哺乳動物はXXorXY染色体、鳥類はZWorZZ染色体、昆虫はZZorZO染色体、酵母はMAT座のカセッティング、、、、、どうして方法が異なるのか? 染色体の形が問題なのではないのだろう。また、それぞれ場合の詳しい遺伝子発現制御の仕組みは? 基本的な知識が不足している。自分で勉強します。
今回の最大の謎は、方法は異なるにしても、結局のところ、基本的に真核生物は、二種類の性をもち、2nまたは、nの形で生育する。そもそも、真核生物の性はどうして二種類で染色体は2倍体なのか?(性が3種類で染色体は3倍体という生き物は、なぜか存在しない。)
マウス染色体のCENはどうして端っこにあるのか?
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(#5) マウスとヒト。タンパクをコードしている遺伝子部位はかなり似ているが、一見無意味のように思えるリピート配列がかなり異なるもにであることを知りました。遺伝子の50%近くも占めるリピート配列が、同じ哺乳類であるヒトやマウスの種分化をなしているのではないかとかと予想する以外にも、やはり何かしらは重要な働きをしていることが考えられそうである。また、染色体においてもヒトとマウスとを比較すると、セントロメアの位置やバンド構造が全く異なっていることを、恥ずかしながら初めて知りました。ヒトに近い(オラウータンなど)の染色体構造であっても、他の哺乳類より多少似通ったところが見受けられるものの、やはり種によりセントロメアの位置、バンドなど異なる部分が多いようです(fig.4-19から)。おそらく進化の過程で、高次の行動を取れるヒトは、他種に比べ染色体がかなりの変化を繰り返してきたのだと思いますが、なぜこのように種によって多様なのかわかりません、というより謎です。そのミステリーを解くために必要になる研究は・・・よくわかりませんが、とにかく染色体、そして無意味に思えるリピート配列などをより詳しく調べていくことにより、少しずつわかるのではないかと思います。
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(#6) 巨大レベルでの遺伝子移動が、細部は保存されたまま近い種の生物間で頻繁に起っていることから、変化は起りやすいと考えられる。しかし、なぜ遺伝子組み替えが起った生物は、そのまま発生を続けられるのか?
もし、組み替えが起った個体の生殖細胞と、起っていない生殖細胞とをかけ合わせた時に生じる染色体単位での遺伝子情報の重複または欠損が起ってしまう。にもかかわらず、なぜ発生がすすむのか?研究の方向としては、世代交代の早いハエなどを使ってノックアウト個体を作り、正常個体との交配種がどう発生し、染色体組み替えがどのように進むのかを調べる。
- (#6-#7 ) #6の意見に対し、質問があります。巨大レベルでの遺伝子移動とは具体的にどのような現象を指しているのでしょうか?遺伝子組み換えが起こった生物の生存性は必ずしも発生を続けられるとは限らないと思います。遺伝子組み換えもどのようにして起こるかにより、異なってくると思います。トランスポゾンによるものである場合、例えば細菌では薬剤耐性遺伝子などを獲得する事で発生(生育)する事が可能と思われます。しかし致死遺伝子や癌原遺伝子などを獲得してしまったり、人で代表的なp53遺伝子などの癌抑制遺伝子が欠損してしまった場合も正常に増殖が進むとは考えにくい。実験法法としては組み換えの起こったモデル生物を、つまりノックアウト固体と野生株を比較する事は常套手段であると思い賛成します。
- (#6-#13) 確かに、進化の過程で遺伝子組み換えが起こった生物は何故発生できるのか、不思議だ。正常個体と遺伝子組み換えの起こった個体(進化の途中の段階の個体)は交配して、次の世代に遺伝子を残せるのだろうか?
- #6-(#7, 13)-#6
ゲノム配列が80%も相同しているマウスとヒトの遺伝子座において、遺伝情報が異なる組み合わせで染色体上に位置しているということから(fig4-18)、遺伝子は染色体レベルという大きな単位での組み替えが起っている。このことから、組み替えが起った生物全体が生存できないとしてもその中の幾らかは変異体として生き残っていることになるが、高い相同性を保っているという点から、欠損する場合よりも重複した場合において発生が進むという可能性のほうが高いと考えられる。重複した遺伝情報の不活性化を何が支配しているのかを知ることが必要だと言える。
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(#7) セントロメアの位置がひと染色体とマウス染色体とで異なる位置にあるのはどう言う意味があるのでしょうか?また、染色体の進化する過程で、異なる種間で保存されている配列の順番が入れ代わるのはなぜでしょうか?
- (#7-#20) 異なる種間でもほとんどの遺伝子配列は保存されているのに、なぜその順番や染色体の構造は全く異なっているのか、私もとても不思議に感じます。ただ、進化の過程で種が分化する際に、遺伝子の種類よりもその発現量を変化させることが重要で
有利だったのではないかと考えます。生きるために必要な遺伝子はどの生物種でもほぼ共通であり、種の分化の際にゲノムに大きな変化が起きたとしても、それは変わらなかったと思います(種の分化がどのような状況やきっかけで起きるのかが分かりませが、、)。生存に必要な遺伝子配列が変化することなく、染色体の構造を変化させることで遺伝子発現の変化が起これば、違う環境にも適応できるようになり、そのうち違う方向に進化していったのではないかと考えます。
- (#7-#20-#7)御意見ありがとうございます。では染色体上のテロメアの位置が異なったり、遺伝子配座が異なってくるのは、その生物が生存競争の際に有利となる遺伝子産物を発現させるために起こったということですね。さらには染色体の位置により、発現量が調節出来ることが主な原因であると理解しました。たしかに筋が通っていると思います。転写活性が盛んな領域はクロマチンに強く凝縮していないなどの根拠がこれにあたると思います。
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(#8) Figure4-10のところ、染色体の染色方法についてよくわからない。
Figure4-14のところ、どうしてよく似ている物種の間に遺伝子の量と形状はそんなに激しい差があるのか、この現象は遺伝子の発現に関係しているかもしれない。多分Chinese
muntjac と Indian muntjac の exon 一緒ですが 、 intron は違うと思う。
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(#9) 数本ある染色体の構成が、種によって異なることが興味深かった。
遺伝子レベルではとても近い関係にあるChinese muntjac と Indian muntjacでは染色体の形態は全く異なっている。しかし、このように染色体の形態が全く異なっていても、遺伝子レベルで近い種同士であれば、交配させて子を作ることができる(家畜等)。この子は子供を作ることはできないと聞いたことがあるが、この子の染色体の形態は、どのようになっているのかもとても興味深い。
染色体には、telomere・replication origin・centromereの3要素があれば、染色体のどの位置にあってもよいかのように見える。マウスとヒトの染色体を見比べてみても、染色体はDNAを折りたたんでコンパクトに収めるためだけのもののように見える。種においては染色体の構成が保存されているのに、同じ哺乳類であるヒトとマウスにおいては保存されていないのはなぜなのか。進化の過程を遺伝的に調べる必要があるのだと思う。
- (#9-#6)#9の方のコメントで、『遺伝子レベルで近い種であれば、交配させて子を作ることができる。しかし子は子を作ることができない。』という現象に大変興味を持ちました。親同士の染色体の遺伝子座、または遺伝子そのものがどのくらい異なれば発生が出来なくなるのか?また、子の発生率や染色体地図を調べることで、大きな遺伝子移動が起きても発生できる仕組みの手がかりになるのではないでしょうか?
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(#10) ヒトの染色体には、セントロメアトとトロメアの2種類があります。トロメアは、中間分裂期に染色体の先端を認識するために必要なものです。一方、マウスの染色体には、セントロメアが先端に付いており、もう一方の先端にはテロメアが付いていると思われます。そこで、マウスにおける細胞分裂時には、一方のテロメアのみで染色体の末端を認識することは可能なのでしょうか?セントロメアにホウスイ体が付着していますが、すると一方しか染色体の末端を認識することができないのでは、分裂時には何らかの問題が生じるのではないですか?
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(#11) セントロメアの位置がマウスとヒトとでなぜ違うのか、他の種はどうなのかが疑問でした。あと、トランスポゾンについて、もう少し詳しく説明してほしい。
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(#12) 私が感じた一番のミステリーは、やはり、近隣の種でも、その染色体の様子が大きく異なることです。Chinese muntjacとIndian
muntjacはその形態も良く似ているし、形態が良く似ていると必要なタンパクや遺伝子も良く似てくるだろうと、考えたからです。しかし、それらの染色体は数も、長さも全く異なります。種の分化というのは絶対的なことで、染色体は高度に保存されているけれども、環境の変化などに対してはとてつもなく柔軟なものなのだろうと思いました。 もしこの二つの種で交配を行った場合、その染色体はいったいどのような変化が起こるのでしょうか?染色体は少数で一つに多くの遺伝子を持っている方が有利なのでしょうか?それとも染色体一つに含まれる遺伝子数を少なくし、数をいっぱい持っている方が有利なのでしょうか?
- (#12−#3)#12の中で、『染色体は少数で一つに多くの遺伝子を持っている方が有利なのでしょうか?それとも染色体一つに含まれる遺伝子数を少なくし、数をいっぱい持っている方が有利なのでしょうか?』というお話について意見を述べます。まず前者では、染色体分配時にチューブリンやコヒージョンタンパク等様々な関連物質の必要量が少なくて済む。染色体の数が少ない分、複製・分配時のエラーの機会が少ない。等の利点があげられます。また、後者の利点は、もし3倍体が発生しても染色体1つ1つが小さいので生存する可能性がある。核内でそれぞれの染色体がより自由度の高い状態で存在できる。等が考えられます。よって、染色体の大きさの大小はそれぞれに有利不利があり一概に論ずることの出来るものではないと考えます。
- (#12-#18)#12の人の意見について;近隣の種で染色体の形態が異なることは、私もとても不思議だと思います。ただ、私は染色体の長さや数の違いが、環境の変化に適応した結果生じたとは考えにくいと思います。
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(#13) *Chinese muntjacとIndian muntjacが、種として近縁であるのに、遺伝子の存在状況が非常に似ているのにもかかわらず、染色体の数が全く異なることに、とても驚きました。それだけ、染色体というものは劇的に変化しているんだということを知りました。
*ヒトの性染色体XとYについて、女性の場合変異が起きてXXXとなった場合、3つのXのうち、二つはinactiveになり、一つだけactiveに働くという話がありましたが、つくづく生物っていうのはうまくできてるなと感心しました。
*配偶子に二倍体があったら、トータルで三倍体になってしまい、21番染色体以外なら発生できないということですが、どういうときに、配偶子が二倍体になるのでしょうか?二倍体の配偶子を作った本人には影響はないのでしょうか?
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(#14) 細胞分裂期中期にmitotic spindleが正確に特定のセントロメアを認識して動原体を形成するのがミステリーです。これがうまくいかないと細胞分裂がうまくいきません。mitotic
spindleが伸張しない細胞を作り細胞分裂の経過を見てみたい。
- (#14-#16)動原体と微小管の結合に異常が起こると姉妹染色分体が均一に分配されない。その結果として細胞分裂は起こらない。およそ考えられる動原体と微小管の結合異常は、一つの中心体から伸長した微 小管が一組の姉妹染色分体の動原体に結合する場合と、二つの中心体から伸長した微小管が同一の動原体に結合する場合である。イモリの肺細胞の分裂期には、一部の染色体はまず一方の中心体から伸長した微小管と結合する。結合後、染色体はその中心体側に引き寄せられる内に方向性が備わり、その結果、未結合状態の動原体はもう一方の中心体側を向くようになる。これにより前者の異常が起こりにくくなるのかもしれない。また、一方の微小管が結合することで動原体の結合部位の構造に変化が起こり、もう一方の微小管の結合を阻害することで後者の異常を起こりにくくしているのかもしれない。
mitoticspindleが伸長しない細胞での細胞分裂の経過を見たいそうですが、合わせて動原体やセントロメアタンパク質に異常のある微小管と結合できない細胞での細胞分裂を検証してみてはどうだろう?
- #14-#16-#14 寄せられた意見に対して その通りです。セントロメアタンパク質が異常であるミュータントを作って正常なも
のと比べてみたい。
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(#15) 染色体とDNAの関係についてまだはっきりと分かってありません。核内DNAは染色体のことだと思いますが核外DNAと染色体の関係は?
(#15-#8) 染色体はDNAとタンパク質(histone protein)から構成される。染色体の中で、遺伝の働きを持つのは、DNAであり、染色体は遺伝物質であるDNAのキャリャーにすぎない。核外のDNAはタンパク質と結合せず、染色体を成さない。
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(#16) *今回の講義で述べられたFig.4-19(A)のtree shrewの例で、3fissionsが起きた際にchromosome D
にそれまでのchromosomeとは異なるchromosomeが結合していましたが、このchromosomeの由来はどのようになっているのでしょうか?また、このchromosomeの結合によりtree
shrewはどのような利益を得たのでしょうか?
*今回の講義ではDNAと染色体の関係についての説明と聞いていましたが、講義を聞いてますますその関係について分からなくなってしまいました。染色体の配列があれほど入り組んでいるのに、それにもかかわらず必要な遺伝子を選択し転写していく生命のシステムはどのようにして情報の選択を行っているのでしょうか?それらについても今後の講義で解説してくれると嬉しいです。