Recombination & Repair (1)
- (#16) 大腸菌や酵母のように細胞周期の速い種がHOMOLOGOUS END-JOININIG のように手間や時間のかかるような修復方法を選択していることが不思議だった。このように、細胞周期や増殖速度の速い種はNONHOMOLOGOUS
END-JOININIG のように修復精度に難はあっても、手間や時間のかからない方法を選択するとばかり思っていたからだ。
- (#1)今回の講義でミステリーだと感じたのは、DNA修復の所の12bp位の修復される塩基配列を一度に剥がして新しいDNA鎖をポリメラーゼによって作り直すとこだ。 深く考えることなく、たくさんの塩基配列を一度に剥がしてしまって大丈夫なのだろうかと思った。また、このDNA修復はDNAが複製されてから起こっているのだろうが、どんな時期に修復されているであろうか?タンパク合成している期間であったり、まだ複製が続いている時期であったら、こんなに一度に剥がしてしまったら大変なことには
ならないのであろうか?
- (#10)今回のヌクレオチド除去修復で、前回の疑問が解けました。DNA helicaseの結合によるDNAの1本鎖化は、Nickの挿入によって可能になるのですね。
今回は、いままで単に「組み換え」としてしか認知していなかったところが、こんなに複雑に行われていることがとても興味深かったです。ただでさえ複製には複雑な機構が存在しているのに、減数分裂の際には、さらに複雑さを必要としていることです。DNAの修復が起こらない時は、何かしらの異常が起こっているのですか?それとも発見し易い、しにくいというDNAの構造異常が原因なんでしょうか?
- (#11)今回の講義で、replicationにおける異常が及ぼす遺伝性疾患に大きな影響を与えることが分かった。また、Figure5-53において、G1期におけるreplication
異常は(A)nonhomologous end-joining、G2期においては、(B) homologous end-joingにより修復されるということだったが、哺乳類においては
(A)が多く、菌類は(B)が多いのはなぜなのかということが疑問だった。
- (#11−#4)大腸菌や酵母は、単細胞生物だから、複製におけるミスが致命的なものだった場合、嫌でもキチンと修復しないと、その個体は死んでしまうからだと思います。逆に、高等生物だと、1細胞くらいミスって死んでも、全体としては大きなダメージにはならないので、ほっとかれるのではないかと思います。(この考えがもしも正しいなら、高等動物でも、発生初期とかの細胞の分裂では、HOMOLOGOUS
RECONBINATIONでキチンと直しているのではないかと予想します。予想するだけですが。)
- (#11−#2)高等動物ではNONHOMOLOGOUS END−JOINING
が主で、菌類や酵母ではHOMOLOGOUS END−JOINING が主だとあったが、なぜ高等動物では情報が変わってしまう恐れのある方を選んで修復しているのか、私も疑問に思いました。
- (#13)D-loopを介したDNA組換えが、今回の講義の最もミステリーです。ニックの入ったDNAらせんは、別のDNAらせんに入り込み、D-loopを形成させることにより遺伝子組み換えを起こしますが、一カ所のニックのためにそれの何倍もの領域で組み換えが起こる事に驚きを覚えました。また、D-loopの大きさは何により決まるのかがミステリーです。
- (#13ー#17)D-loopの大きさについて、私も疑問に感じました。 組み換えを起こすためには、ある程度までD-loopが大きくなる必要があるのでしょうか。 または組み換えが起こりやすい配列のようなものが存在して、そこにぶつかるまでD-loopが延長されたりするのでしょうか。
- (#18)今回の講義では、NONHOMOLOGOUS END-JOININGとHOMOLOGOUS RECONBINATION(以下、NEJ、HRとします)に対し興味を持ちました。酵母や大腸菌ではHRの活性が高いのに対し、哺乳動物ではNEJの活性の方が高いということは不思議です。なぜなら、HRはdouble
strand break(DSB)を完全に修復しますが、NEJはDSBの修復はできても、遺伝子の修復はできないからです。この説明として、HRによって遺伝的に均一になることを防ぐという仮説があるということでした。しかし、DSBが起こった場合、遺伝子の均一性を防ぐことが、個体にとって重要なことだとはあまり思えません。むしろ、重要な遺伝子が変異してしまうことの方が大変なことのように思えます。では、遺伝的多様性を生み出すという点で、哺乳動物はNEJ活性の方が高くなっているのでしょうか?ただし、DSBは頻繁に起こるわけではないと思うので、NEJのよる遺伝的多様性というのもたかがしれている気がします。一体、本当のところはどうなんでしょう?
- (#17)DNAの二本鎖切断が起こったとき、高等動物ではDNA複製の前後(G1期orG2期)で修復の方法を使い分けていることを不思議に思った。 G2期では複製されたもう片方の染色体をもとに
Homologous recombination が起こることは理解できたが、複製前では主にblunt-end ligation でただくっつくだけ、というのは変異が子孫に伝わりやすく、Homologous
recombination によって「遺伝的に均一になる」よりもよほど危険なのではないか?
- (#7)gene conversionは組み換えと修復が同時に起こるような機構であるが、なぜ低頻度にもかかわらず起こるのか。なぜこのときだけ組み換え反応とは異なり、父方、もしくは母方の一方の鎖だけが相手の鎖と対合し、対合しない方の鎖は除かれてしまうのか。非常に疑問である。対立遺伝子の塩基配列が似ているために、相手の鎖と対合を形成するがもう一方の鎖が対合しないには何か理由が存在するのだろうか?特別な因子が関与するとか・・・?
- (#7-#6)たしかに、一方の鎖だけが相手の鎖と対合し、対立していないほうの鎖は除かれてしまうのか不思議だと思いました。5’方向の複製機構はポリメラーゼがくっつけば進行するが、3’方向への複製はそれだけでは進行せず、わざわざ複合体を形成して臨まなくてはならない。そこで、新しい鎖を複製するのは3’である方が有利だろうが、5’方向への複製は相手の鎖と結合する方が有利になるのだろうか?
- (#14)BASE EXCISION REPAIRでdeaminated Cをグリコシラーゼで取り除いた後、すぐにその酵素で相補的な塩基を結合させないのはなぜだろう。塩基は塩基だけで存在しているのでGに相補的なCをすぐにもってくればいいような気がします。なぜホスホジエステル結合を切った上でヌクレオチド単位で修復するのでしょうか。確かめるにはdeaminated
Cをもった相補鎖を酸による処理で用意し、活性グリコシラーゼ条件下にヌクレオチド、塩基とともに置いてみることです。
- (#14-#18)塩基単位で修復することは、塩基をヌクレオチドに結合させるエネルギーが必要なため無理なのではないでしょうか。なので、3リン酸を持つヌクレオチドレベルで修復するのだとおもいます。しかし、これは私の勘なので調べてみようと思います。
- (#6)遺伝子制御のメカニズムは多岐にわたり非常に精巧にできているにも関わらず、簡単にシトシンが加水分解されてウラシルに変わってしまうことを知ってとても意外に感じた。ウラシルはアデニンと相補的に塩基対を作ることができるため、この変化が簡単に起ってしまうことは生物にとって致命的なDNA損傷を与えてしまうことが考えられるが、なせ様々な修復機構があるのにも関わらず進化の過程でシトシンがウラシルになる変化を修復する機構が出来なかったのだろうか。
- (#6-#7)確かにウラシルをシトシンに修復する機構よりシトシンが結合しないようにする機構が発達しなかったのには疑問が生じます。きっとエネルギー的な問題ではないのでしょうか?修復した方がその生物にとって効率がよく、生き残りの戦いに勝ったのでしょう。しかし、個人的には#14さんの意見と同様に、なぜ無駄とも思える2段階の修復反応が存在するのでしょうか?塩基が脱離した時点でシトシンの塩基が結合した方が、はるかに低エネルギーで効率がよいと思うのですが。
- (#6ー#1)「様々な修復機構があるのにも関わらず進化の過程でシトシンがウラシルになる変化を
修復する機構が出来なかったのだろうか。」とあった。これは、シトシン→ウラシルの加水分解は簡単で、ウラシル→シトシンのNH3を加える反応が難しいからではないだろうか?それよりも、カットしてペーストした方が簡単だったからであろうと私は考えます。
- (#3)前回の『DNA Replication (2)』の講義とも関連があるのですが、ヒトの老化の原因とそのメカニズムについて今なおスムースな解答が得られていないように感じます。
細胞周期におけるあらゆるフェイズで、ダメージを受けたりミスを起こしたりする事によりDNAに変異が入りますが、老化というのはその変異を修復する機能の低下または停止により引き起こされるのではないかと考えます。テロメアの短縮による細胞死での説明では老化の説明には無理があると思いますが、老化をDNA修復の観点から見ると実に実に多くの老化現象を説明できるようになると思います。その点からもWerner
syndromeや他の早老症に関する研究は興味深いと思います。
- (#3-#16)老化とは、医学的には細胞死の蓄積による身体の各器官の機能不全により起こるものだそうですが、生化学的には遺伝子修復の不全により肉体の恒常性が維持できなくなることを指すそうで、主な原因として紫外線や活性酸素の蓄積が挙げられます。この辺りについては、Replication(2)の#14−#16で老化と早老病についての私の意見を述べていますので、良ければ参考にして下さい。
- (#5)減数分裂の際に、D-loopを形成し、鮮やかに相同的な組み換えが生じることに正直驚かされてしまいました。ただ、この組み換えの原理で生じるであろうgene
conversionと普通の減数分裂とでは、具体的に子孫になんらかの影響がでるのでしょうか?また、gene conversionを認識したりして何らかの対処を果たす機構のようなものなどがあるのでしょうか?
- (#2)Fig5-50-Bのところで、DNAの修復部分にニックが入ってDNA HELICASEにより、その部分がはがされる図がありましたが、はがされた塩基はそのまま分
解されていくのでしょうか?