DNA Replication (2)
- (#20) 複製後に新たなヌクレオソームを形成する際には、アセチル化されたヒストンが選ばれるということが不思議だと思いました。アセチル化されていないヒストングルー
プはどのような場所で使われるのでしょうか?ヒストンをアセチル化することよりも脱アセチル化することの方が簡単なのかもしれません。
- (#14)複製の回数がかさなるにつれてゲノムの末端(テロメア)のラギング鎖が短くなっていき、それがある長さまで短くなったとき細胞の寿命を迎えるという。授業でこのテロメアの修復機構(ラギング鎖伸長機構)を習ったが、もしこの機構をヒトの細胞でできるようになったら安易な考え方ではありますが、細胞の老化防止、ひいてはヒトの老化防止に役立つのではないでしょうか。
- (#14-#16)テロメアの修復機構を導入するだけでは細胞の老化を防止することはできません。細胞の老化は紫外線や活性酸素などによる遺伝子傷害の蓄積により起こるもので、遺伝子修復機構の機能低下が原因です。だから、テロメア修復機構を導入してもそれだけでは効果は望めないと思います。単純に老化を防止しようと考えるなら、紫外線対策や活性酸素対策を重点的に行った方が効果を望むことができるはずです。ところで、ヒト早老病と呼ばれる病気がありますが、これはテロメアの異常短縮化やDNA
ヘリカーゼの異常などの複製機構の異常により細胞が急激に老化してしまう病気です。このような病気に対してならテロメア修復機構の導入も効果が望めるかもしれません。
- (#14ー#18)テロメラーゼが恒常的に発現しているマウスやニワトリでも老化はおこります。なので、テロメラーゼを発現させるだけでは、老化の防止にはならないのではないかと思います。ただ、ヒトの老化を防ぐことができれば、非常に面白いので是非実現して欲しいと思います。
- (#14ー#17) もしもテロメアの長さと老化に関係があるなら、高等動物の細胞にtelomeraseを発現させれば寿命が長くなりそうな気がします。 この手の実験はおそらく誰かが既にやっているだろうと思われますが、未だ不老長寿の技術が報告されていないということは、技術的に困難であるか、もしくはテロメアだけでは細胞の寿命の決定要因にはならないということではないかと思います。
- (#13) 今回の講義の最大のミステリーは、LCRと呼ばれる、Replication Originからかなり離れた領域が欠失すると、転写も複製もうまくいかなくなる、ということだ。なぜ100kヌクレオチドも離れた領域が、転写と複製を制御できるのだろうか?
- (#4) 環状プラスミドが複製されるた時、2つの環状DNAが完全に分離するために、トポイソメラーゼ2が片方のDNAを切断することになるのですが、この場合、切断される部位に決まりはあるのだろうか?四年からの実験で、一度だけプラスミドが2量体化したことがあったのですが、この場合は、2つの環状DNAのどちらも切断されたことになるのだろうか?
- (#4 -#1)「環状プラスミドが複製されるた時、2つの環状DNAが完全に分離するために、トポイソメラーゼ2が片方のDNAを切断することになるのですが、この場合、切断される部位に決まりはあるのだろうか?」私も不思議に思った。制限酵素のようにある特定の塩基配列でもあるのだろうか?
- (#4ー#13)トポイソメラーゼ2は、片方のDNAを切断するときDNAのもつれを認識して、そのもつれを解消するので、切断部位に決まりはなく、もつれた部位が切断部位になるのではないでしょうか?例えば環状DNAが円だとすると、replication
originの、円の中心をはさんで反対側が切断部位になるのでは?
- (#18) 今日の講義では、複製タイミングと転写活性の関係について興味を持ちました。常に、転写活性が高い領域ではS期早期に複製され、反復配列やテロメア・セントロメアは後期に複製されることはとても不思議です。転写がよく起こる領域はユークロマチンなのでDNAに複製タンパク質が結合しやすい、逆に転写があまり起こらない領域はヘテロクロマチン化しているので複製は起こりにくいというモデルがありましたが、これだけでは説明できないという気がします。なぜなら、早期Sや後期Sにおいても複製される順序が決まっているらしいからです。一体、どういうメカニズムが働いているのか不思議でなりません。
- (#18-6)確かに、ユークロマチン部分とヘテロクロマチン部分では、複製タンパク質の結合に優位差が生じることはあると思うけれど、それが直接順序に関係してくるとは思えません。
- (#17)テロメアと老化について。 酵母はtelomeraseを持つが、ヒトなどの高等動物は持っていないことが興味深かった。テロメアは細胞の老化の原因の1つであると考えられており、telomeraseを持っていればDNAが保護されて細胞の寿命が長くなり、その生物にとってプラスになりそうであるのに、進化の過程でこれを失ったのはなぜだろう? テロメアと老化の関係を否定する説もあるようだが、fig.5-45の酵母のテロメアの長さがある一定の大きさを中心にして広く分布するという実験からも、テロメアの長さはそんなに厳密なものではないのかもしれないと感じた。 少なくとも酵母ではテロメアの長さと細胞の寿命はあまり関係ないように見えるので、老化の原因は他にあるはずだ。
- (#17-#3)酵母における『死』はすなわち細胞死であるが、ヒトなどの多細胞生物にとっての『死』は持続的な生体システムの維持・制御が不可能になったときに起こります。しかしそのような場合でも一つひとつの細胞の死がシステムの崩壊を招くと考えると、細胞死こそがあらゆる生物の死を決定するものだと考えられます。#17の方のおっしゃるように、telomeraseを持つ酵母ではテロメアの長さと細胞の寿命はあまり関係ないとすれば、ヒトの老化そして個体死についてもテロメア以外の原因があると考えるのが自然だと思います。
- (#17−#2)テロメアと老化について。酵母ではテロメアの長さと寿命は関係が あまりなさそうに思えます。やはり老化の原因はほかにあるのでしょうか?
- (#17-#2-#17)酵母細胞の老化について。 記憶は確かではないですが、酵母のrDNAのリピート配列(100〜200コピー)が
loop out したものが娘細胞に分配されずに母細胞内にどんどん蓄積すると、それが細胞の老化や細胞死の原因になりうる、という話を聞いたことがあります。 あくまで原因の一つであり、他にも様々な要因が関与していると考えられますが。
- (#3) 染色体が領域によって、S期の異なる時期にしかもいつも同じ順序で複製されるとういうのは大変興味深いところです。もし20から80個存在する複製起点から同時に複製が行われれば、S期は非常に短い時間で完了できるにも関わらず、実際には多くの時間を費やして各複製単位ごとに順序だてて段階的に複製が進むというのは、S期が単なるDNA複製を目的としたphaseであるという単純なものではないという事を示唆するのではないでしょうか。
- (#3-#10) 今回の講議で、DNAフォークがぶつかった時にDNAの2本鎖切断が起こりやすいとききました。このことから、極力切断を押さえるために複製開始起点は、わずかしか存在しないのではないでしょうか。例えば、後の方になると複製の失敗が多くなるとかで、最低限必要な部位からしか複製を行わないと考えられませんか?
- (#3-#10-#3) 複製の時期をずらすことによって複製フォークがぶつかる可能性を減らす事が出来る為、そのようなリスクを避けることができるというのは合理的な考えだなとおもいました。また、複製の順序が決まっているという事に関しては、各phaseにおいて何かしらの複製開始の目印的なものが働いていると思われ、その原因物質を特定する事がこれらの機構の解明に必要だと思われます。
- (#9) 染色体における複製は、早期(0〜2時間)に複製される領域と、中期(3〜5時間)に複製される領域と、後期(6〜8時間)に複製される領域があるということだったが、その情報は保存されているのだろうか?どの複製起点が、いつ複製を始めるかというのは何がどのようにして判断、調節しているのだろうか。
- (#1) 今回の講義での最大のミステリーは、環状DNAはreplication originを一つしか持たないということだ。直鎖状DNAは複数持っているのに、環状DNAは一つしか持てないというのはやはり構造上の問題からなのであろうか?複数個replication
originがあると、一つのDNAを複製する時間は短縮され、効率が向上する。良い事だと思うのだが。問題がおこるとすれば、複製終了時であろうか?replication
originが一つであり、環状DNA上で同じスピードで複製されるとすれば、複製終了時の地点もほぼ一定になる。しかし、複数replication originを持つとすれば複製が終了する地点は同じように複数生じるはずである。そのあたりに問題が生じるのであろうか?
- (#10)今回と前回を通して感じた疑問は、DNAにhelicaseが付着して、2本鎖から1本鎖にする時にこのhelicaseはどこに付着するのですか?1本鎖の部位に付着しないとそれ以降は2本鎖が1本鎖にならないのではないでしょうか?
- (#2)テロメアの複製のところで、酵母にはテロメアの長さが一定になるようになる
メカニズムがあるとありましたが、どんなメカニズムなのか興味を持ちました。ヒトのテロメアにはなぜそのメカニズムがないのでしょうか?