in situ tecchnology
- (#1) 蛍光イメージング技術による解析法についての授業であったが、私もこれから修論の実験で使うためとても参考になった。私の場合はGFPをある遺伝子のプロモーター下流に組み込み、GFPの蛍光強度を利用する予定である。実際GFPを使用することで、ほかの蛍光色素に比べどのような点において有利であるのか、特徴的であるのかがとてもよく分かった。まず、細胞自体が生きているということ、それゆえにGFPは細胞が生きてる間中生産され、光褪色があまりないということはとても有利なことに感じた。 実際使って蛍光させてみるのがとても楽しみだ。
- (#2)蛍光顕微鏡の仕組みを詳しく知ることができました。ここで問題となるのは、蛍光色素の褪色です。これが解消されれば長時間の観察が可能となるし、便利だと思います。その点、GFPは褪色しないので有効だと思いました。
- (#3)本日の講義では、イメージング技術による解析の特性や、その有効性について詳しく学ぶ事が出来ました。さて、私自身実際に蛍光顕微鏡観察をしていて感じることなのですが、FITCと比較してDAPIは褪色が非常に速いように思います。本日の講義を聴講して、これは波長の大きさの違いによるエネルギー論で説明できるのではという考えが生まれました。DAPIとFITCを比較すると、その励起光、蛍光の波長は共にDAPIの方が高エネルギーなものであります。よってその蛍光物質が受ける影響もDAPIの方がより大きいものになり、結果、褪色も速くなるのではないかと考えます。
共焦点レーザー走査顕微鏡では、試料のシャープな断層像を得ることが出来るとの事でしたが、それをコンピューター上で三次元画像に加工する事は容易に出来るのでしょうか。---(ns)
そのようなソフトがあれば簡単にできます。残念ながら、うちにはありません。
- (#4)励起エネルギーを受け取るための波長より、エネルギーの低い長い波長を返す物質を蛍光物質とよぶのだそうですが、この場合のエネルギーロス分は何になるのですか?
発熱?それとも長い波長の光量子を複数放出していてエネルギーロスはないのですか?
- (#6)蛍光イメージングは、放射性ラベルに比べてとても安全であるという印象を受けたのですが、形態だけでなく定量的なものや、クロマトグラフィー等に応用することは可
能なのでしょうか?個人的な質問なのですが...RI標識をしたステロイドを用いて実験をしているのですが、RIは危ないので蛍光標識ができたらいいな〜と考えています。市販されてないので、自分で作れるものなのか教えていただけますか??------(ns)ノンRIは最近多方面で利用されていますが、いわゆるトレーサー実験はRIを使うしかないですね。理由は是非考えてみてください。わからなければまた質問してください。
- (#6-ns-#6) in sutu テクノロジーでの質問で、トレーサー実験には蛍光標識を使用することが出来ないという答えを頂いたのですが、トレーサー実験だと代謝されても色は変化していないのでその経路や、代謝産物が分からないからですか?
- (#6-ns-#6-ns)蛍光分子を低分子に共有結合させれば、酵素により正常に代謝されることを予想するのは難しいでしょう。例えば、ステロイドに蛍光分子をくっつけたら代謝されるだろうか??無理だろうね。
- (#7) 蛍光イメージング技術はRIに比べて見やすく、無駄が少ないと思います。しか
し、最大の欠点は色盲の人は識別がつきにくいということです。今日では信号機の色
も問題になっているほどです。緑色蛍光標識、赤色蛍光標識、と色を決めてしまうの
ではなく、自由に色を決められるシステムになれば良いと思います。
- (#7-#17) 赤と緑という組み合わせは、色盲の人にとって非常に識別しづらい。 しかしこれまでに自分が作るスライドについて気をつけたことはなかったし、また論文を読んでも、顕微鏡写真では赤や緑が一般に使われている。 パソコンで処理すれば色を変えることは容易なので、今後、徐々にカラーバリアフリーが浸透していくのではないか。 赤ではなく「朱色」にするだけでも見やすくなるらしい。 まず自分が作るスライドの配色から考えなおしてみたい。
- (#8)共焦点レーぜー走査顕微鏡の部分にとても興味を感じました。共焦点レーザー走査顕微鏡のおかげで、観察の画面がとてもきれいになり、蛍光イメージ技術による染色体の解析法をより完璧にさせ、我々の研究に大きな便利をもたらしてくれました。この顕微鏡を発明した人をとても尊敬しています。
- (#10)蛍光顕微鏡では、励起光を照射する時に、DMmirrorを通過します。その際、ある一定以下の波長は反射して、以上の波長は透過するという仕組みはわかりました。しかし、写真を見た限りでは2色以上で観察されているものが多数ありました。この原理では、@とAの波長の違う2つの光を照射した場合、@の蛍光の波長よりも、Aの励起光の波長が長い場合は、Aの励起光はそのままDMmirrorを通過してしまうのではないでしょうか?-----(ns)通常は、それぞれ別々に撮影した画像を、後でコンピューターによる画像処理で重ね合わせをする場合が一般的です。また、デュアルバンドパス、トリプルバンドパスといった特殊なフィルターを用いれば、多色の蛍光試料を同時に見ることができます。これは、「バンドパス」という言葉にヒントがあります。考えてみましょう。
- (#12)GFPという蛋白質の存在が、とても不思議に感じます。蛍光を発するだけの蛋 白質は、私達のように生物を解析するもののために存在するかの様です。GFPを発現
している細胞を観察する度、不思議だなぁと感じます。
- (#13)蛍光物質がついたdUTPについて、スペーサーは何故必要なのでしょうか。dUTPに直接蛍光物質がついていてもよさそうなのですが。
- #13-#18 蛍光物質がヌクレオチド部分にあまりにも近接していると、dUTPが上手くプローブに取り込まれないのではないのでしょうか(蛍光物質は大きいのでそんな気がします)。または、DIG標識したdUTPと同じ理由かもしれません。
- (#14)蛍光色素の光褪色が起こるのは何故だろう。励起状態とは不安定の状態なの で励起状態が続くことによって色素物質の励起状態に変化が起こる?
- (#15) 今日、いろいろな新しい実験方法について教えて頂き、全部じゃないですが、一部分かるようになりまして本当によかったと思います。抗体法についてですが、二次抗体は必ず二次抗体に対する特異的抗体を使うと思いますが、沢山論文で二次抗体としてUniversal
Kit 即ちその二次抗体が例えば山羊からきたrabbit IgG, mouse IgG や山羊IgG を含むいろなものからの一次抗体を認識できる二次抗体です。この場合非特異的結合する可能性があると思いますが教えて頂くようにお願いします。
- (#16) 何故、市販されている標識キットや様々な研究者のプロトコールにはDIG標識などにいつもdUTPを使用するのだろうか?メーカーの側でも特にその辺りには言及しておらず、アルカリに対して不安定なDIG-dUTPを用いるとプロービングが容易になるからとだけ述べられていた。これがdUTPを用いる理由なのだろうか?
- #16-#4:あまり関係がないかもしれないですが、私の所属する研究室では、ノザン用のRI標識プローブで、長いプローブ(1kbとか)だとdCTPを、オリゴくらいだとdATPを使って標識しています。その使い分けにも理由があるのかな、という疑問を思いました。
- #16-#4- #16:ご指摘されたように、様々な用途や研究者よって使用するデオキシヌクレオチドは異なるようです。これは鋳型とするDNA
もしくはRNA の性質にもよるようで、鋳型が極端にG リッチだとdCTPを用いると標識分子による立体阻害が生じるためdUTP を、逆に極端にA
リッチだとdCTP を用いるようです。ただ、どうも、現時点でもっとも信頼性の高いLabeling Kit として ベーリンガー・マンハイム社のKit
が有名で良く使用される為に、近年では特に説明も無くdUTP を標識したものを使用すると書かれているようです。
- (#17) GFPについて、これまで生きた細胞で観察できるというメリットについては知っていたが、ターゲット蛋白質と別にホールディングされることについては知らなかった。 また生きた細胞でRNAを可視化する方法が未だ確立されていないのは意外だった。目的の生体高分子の細胞内での動きが「目で見える」ということは、どんな実験よりも説得力のある証明かもしれない。
- (#18) 発光クラゲや発光サンゴに代表される自ら発光する生物が、進化上どのような過程を経て蛍光タンパク質を持つに至ったのか、また蛍光タンパク質は生存に必要なのか?
私にはどうしても発光することが生存に必要だとは考えられません。むしろ、自らの位置を敵に知られてしまうため、生存には不利なのではないでしょうか? この謎を解明するためには、蛍光タンパク質をノックアウトした個体を自然に近い環境下で観察すればいいのではないかと考えます。
- #18-#14 すべの形質や生物によって生合成されるものが進化論的に有利にはたらいているとは私は思いません。たとえばある酵母を例にとってみますと、非常に耐熱性のあるタンパク質を合成しますがその温度でその酵母は到底生きられません。不思議です。でもこの場合、発光クラゲなどに存在する蛍光タンパク質には役割があるような気がします。例えば逆に天敵をおどかしたり、光を発することで自分の餌となるプランクトンなどをおびき寄せたり、はたまた蛍のように求愛したり様々に利用されている気がします。
- #18-#16 自ら発光する生物は生存に不利ではないか?’とのことですが、深海に生息するくらげの一種には発光物質による発光で被食対象を誘引し捕食する者も存在します。また、生物の中には捕食行動のために自らの体内に生きたままの被食対象を取り込み、半日から丸一日かけて消化するという生物もいるように、生存環境が異なればそれに応じて様々な条件も変化するので、一概に発光物質を持つことが不利とは言い切れないと思います。
- #18-#20発光する生物はホタルを始めとしてクラゲ、サンゴ、キノコなど色々といますが、世界には発光するミミズ、ムカデ、カタツムリなどもいるようです。クラゲがなぜ発光するのかは分かりませんが、仲間をよび集めるということに関係しているのではないでしょうか。発光するキノコには食べると中毒症状を起こさせるものがあるそうで、自分は危険な生物であるとアピールをしているのかもしれません。
- (#20) 発光クラゲはどのような理由でGFP(Green Fluorescence Protein)を発現してい るのか、またなぜGFPは光ること以外の機能を持たないのか、とても不思議に感じま
した。GFPの発現をノックアウトしたクラゲを観察したり、半減期の異なるGFPを発現 させてみたり、GFPではなく他の色の蛍光を発現させたりするとどうなるのか、興味
がある。
- (#18,#20)-#17 発光クラゲはなぜ光るか(なぜ光る以外に役割を持たないGFPを持っているのか)、興味深い。 だが、これは分子生物学的な観点で解明する必要があるのか?と思う。 どちらかといえば、フィールドワークによって解明を試みるほうが適切である気がする。 光ることで敵に存在を知られてしまう可能性はあるが、逆に、光ることによって「餌」を誘き寄せる効果があるかもしれない。 クラゲの食性を調べ、それらが緑の蛍光に集まる性質があるかどうか、などを調べたらどうだろう。 何でも分子スケールで考えるのではなく、生物はすべて自然のなかで環境に適応して生きている、ということを常に頭の片隅に入れておきたい。