■発達心理学会認知発達理論分科会　第26回例会のご案内

　 今回は、Saxe, Rebecca ＆ Baron-Cohen, Simon (eds.): Theory of Mind : A Special Issue ofSocial Neuroscience. Psychology Press, 2007. （ISBN:9781841698168) を取り上げます。

　 これは、2006年に創刊されたSocial Neuroscienceという新しい学術誌の「心の理論」特集号で、脳科学との接点で現在の「心の理論」研究がどのような到達点にあり、今後どのような方向の展開が可能かを知るには、格好の論文集です。執筆陣にも、これまでの「心の理論」研究をリードしてきたPerner, Baron-Cohen, Leslie, Happéなどの研究者が名を連ねています。今回の例会では、この特集号の中から５つの論文を読むことにしました。各レポーターが1論文ずつを担当し、内容の要約と解説を行い、全員でその内容について議論するという仕方で会を進めます。そのあと、午後の終わりにミニレクチャーとして、日本における「心の理論」研究の第一人者である京都大学教育学研究科の子安増生先生をお招きして、お話ししていただきます。

　 今回の例会は、久しぶりに京都での開催となります。会場は京都市内でも交通の便のよいところですので、認知発達に関心をお持ちの各地の皆様のご参加をお待ちしております。

● 日時 ：９月27日（土）午前10時〜午後５時半

● 場所 ：京都府立大学　合同講義棟３階　第４講義室

●検討文献：Saxe, Rebecca ＆ Baron-Cohen, Simon (eds.): Theory of Mind : A Special Issue of Social Neuroscience. Psychology Press, 2007. （ISBN:9781841698168)　

　なお、以下で収録論文の一覧が見られます。

　http://www.informaworld.com/smpp/title~content=g767901071~db=all

●例会当日の時間割および報告者

10:00　　　　開会

10:10−11:00　 The effects of self-involvement on attention, arousal, and facial　expression

　　　　　　　　　　　　　　 during social interaction with virtual others: A psychophysiological study.

　　　　　　　　　　　　　 （Mojzisch,A., Schilbach,L., Helmert,J.R., Pannasch,S., Velichkovsky,B.M. & Vogeley,K.）

　　 　　　　　報告者：瀬野由衣さん（名古屋大学大学院教育発達科学研究科OD）

11:00−11:50　　 Transgressors, victims, and cry babies: Is basic moral judgment spared in autism?

　　　　　　　　　　　　　 （Leslie,A.M., Mallon,R., & DiCorcia,J.A.）

　　 　　　　　報告者：溝川藍さん（京都大学大学院教育学研究科D1）

11:50−13 :00　昼休み

13:00−13:50　 Reading minds versus following rules: Dissociating theory of mind and executive control

　　　　　　　　　　　　　　 in the brain. （Saxe,R., Schulz,L.E. & Jiang,Y.V.）

　　 　　　　　報告者：小川絢子さん（京都大学大学院教育学研究科D3）

13:50−14:40　What's domain-specific about theory of mind? （Stone,V.E. & Gerrans,P.）

　　　　　　　　　　　　　　　　 報告者：木村美奈子さん（愛知県立大学非常勤講師）

14:40−15:30　Impaired recognition of negative basic　 emotions in autism: A test of the amygdala theory．

　　　　　　　　　　　　 （Ashwin,C., Chapman,E., Colle,L. & Baron-Cohen,S.）

　　　　　　　　　　　　　　　　 報告者：狗巻さん（京都府立大学大学院）

15:30−15:50　休憩

15:50−16:50　ミニレクチャー『心の理論の発達的研究：四半世紀の節目を越えて』

　　　　　　　講演者：　子安増生　先生　（京都大学大学院教育学研究科教授）

16:50−17:30　総括的討論

●講演について

　子安増生先生は、日本における「心の理論」研究の草分け的存在であると同時に、今日に至るまでその研究の先頭を走ってこられた研究者です。今年は、Premack & Woodruff（1978）の源流論文から30年、Wimmer & Perner (1983)から25年の節目の年にあたるので、先生には「心の理論」研究の到達点と、今後の進むべき方向性を語っていただきます。

●参加申し込み・参加費・問い合わせについて

　事前の参加申し込みは必要ありません。また，参加費に関しましては，日本発達心理学会認知発達理論分科会員の皆さんは、規約にありますように年会費（今回のみの参加費ではありません）として1000円徴収しますが、院生など定職のない人は無料です。

●会場（京都府立大学）までの交通案内

　JR京都から地下鉄をご利用の場合は、地下鉄烏丸線「北山駅」下車、大学正門まで南へ約600m（徒歩７〜８分）です。合同講義棟は正門を入ってすぐ右（北）側の建物です。南側入り口は閉鎖されていますので、西側入り口へお回り下さい。（当日は貼り紙をしておきます）会場までのアクセス方法の詳細は、以下の京都府立大学ホームページのアクセスマップをご覧ください（http://www.kpu.ac.jp/contents_detail.php?co=kak&frmId=28）

●問い合わせ

　本例会について，内容に関してのお問い合わせは加藤義信（第26回例会幹事：愛知県立大学）E-mail: yo-kato@lit.aichi-pu.ac.jp，その他に関しては山名裕子（事務局：秋田大学）E-mail:yamana@gipc.akita-u.ac.jpまでお願いいたします。また，認知発達理論分科会の紹介や過去の例会に関しましては，下記のホームページをご覧ください（http://home.hiroshima-u.ac.jp/shinsugi/t_cd/）

●懇親会

　研究会終了後、会場近くにて懇親会を開く予定です。こちらもご参加を歓迎いたします。なお、学生会員・参加者には参加費の割引があります。