キャンパス俳句

 

雪景色蹄の音に振り向けり

 


キャンパスでは,馬と遭遇することがある。

歩いて通勤する身には腹立たしいほど広大な敷地を有することには,よいこともあって,その一つは,馬を走らせることができる場所があり,そして,乗馬部があることだ。

その乗馬部の馬が,「騎士」に連れられ,キャンパスを歩いていることがある。

しかし,私は,そのことを予め知っていたわけではない。

出会いは突然,最も思いがけない形でやってきた。

珍しく雪が積もった1月末の早朝,ぬかるむ道に気を奪われて歩いていると,聞き慣れない音が聞こえてくることに気づいた。蹄の音だ。振り向くと,一面雪景色の中,道の反対側の歩道を馬が歩いていく。

カッポ,カッポ,カッポ・・・

あっけにとられ,カメラを取り出すことは忘れていた。姿が見えなくなるまで立ちつくして見送った。

西条での馬との衝撃的な出会いであった。

再び歩き出した後,しばらくして思い出したように,雪の日のキャンパスを写真に収めた。


  雪景色蹄の音に振り向けり

 

2008年2月10日日曜日

 
 
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