町田研究室院生紹介

●河村新吾●
 広島における町田ゼミの第一期生(?)になる予定の河村新吾です。
 研究テーマは「国公立学校における宗教教育論」です。町田宗鳳先生の幅広い宗教学や文明論に触発されて博士課程後期に入学しました。
 現在、規範意識を高めるための教育が盛んです。またグローバル社会を生きるための叡智も求められています。その中で、内なる規範の源としての宗教教育が見直されているのではないか、と考えています。またその価値観を表明して他者と生きるためのルール作りとしての法教育も必要ではないだろうか、とも考えています。
 日々の生活は、深夜クラシック音楽を聴きながら、読書をする毎日を続けております。
 近況報告は、論文に行き詰まっております。模索する手段として、ヨーロッパにおける宗教教育の新刊書を毎日斜め読みしております。今後ともよろしくお願いします。


●西井美穂●
 博士課程後期の学生として入学し、3年目になります。博士論文の題目は「現代におけるシュタイナー神秘主義哲学の『道徳』の射程 −『道徳』と自我の結びつきを手がかりにして−」です。
 ルドルフ・シュタイナーは、現在日本では教育思想家としてよく知られていますが、その思想は医療や有機農法、建築、芸術の分野においても独特な位置を占め、環境や平和を考えるうえでより重要性を増してきているように思われます。
 シュタイナーの「道徳」の特殊性は、それが内観から生まれ、自己と他者をつなげるものでもあるということです。現在、こうした観点から研究を進めております。
よろしくお願いします。
   
 
●Lucas Christopoulos ●
 My name is Lucas Christopoulos, born in Switzerland in 1973. I travelled in China at the age of seventeen for ten years to learn Chinese bare hands combat sports and weapons techniques at Beijing Sports University and other provinces. After I returned back to Switzerland I researched the real historical origin of combat sports at the library Lausanne University. I found similarities with Olympic combat sports traditions and I wrote an article for the University Of Pennsylvania with the help of Pr. Victor Mair. Actually following a Doctoral research in the same subject at Hiroshima University under the supervision of Pr. Soho Machida, I am investigating in ancient Chinese texts to prove my theory. The title of my research is: “Ancient Olympic combat sports in the far-East; from Olympia to Shaolin” or the transmission of Greek athletics in China, something that has never been done before. This research establishes an historical link that is voluntary lighted on the universal Olympic precepts of individual freedom, strength and achievement versus despotic tyranny or any other servitude of body and mind. The practice of bare hands combat sports competitions in rituals is an ancient Olympic tradition that survived until nowadays in various forms in Europe and in the far-East. It has mainly been transmitted in the past by famous champions who followed the cult of Heracles and was present as well in the training grounds of particular Buddhist warlike elite in Central Asia. In China, the cult of physical strength and surpassing oneself symbolized by Heracles will be transmitted and dedicated to Vajrapani-Jingang; thus I titled my work with a Chinese name too: “The transmission of Heracles-Vajrapani”, or “Jinganglishi chuan” 金剛力士傳.
   
 
●栗山緑●
 スポーツや運動、健康に関する興味は尽きず、その集大成として、「養生法」を研究対象としていく事にしました。貝原益軒の「養生訓」を参考にして、いろいろな地域の養生法を調査することができれば、と思いました。朝日に元気をいただき、夕日に感謝を感じ、思いが成し遂げられればと希望しています。新たな友人たちとの出会いを有難く思っています。
 博士課程後期一年 栗山緑
   
 
●佐伯美保●
   2007年4月に博士課程前期の院生として町田研究室に入室し、2009年9月に 「笑いは平和構築に役立つか」の題目で修士号を取得しました。
 2009年10月に博士課程後期に進学し、現在は、「日本における『笑い観』の変遷に関する宗教学的研究」の仮題目で博士論文研究を進めています。
 熱田神宮の笑酔人神事や各地の笑い祭り等に代表されるように、日本では「笑い」と宗教的要素が密接に関わってきました。日本において、「笑い」がどのように取り扱われ、どういった宗教的意味を与えられてきたのか、その「笑い観」を明らかにしたいと研究に取り組んでいます。
 「笑い」の研究を始めてすでに数年が経過しますが、「笑い」は興味関心の尽きることのない奥の深いテーマです。これからも、日々笑いながら研究に邁進していきたいと思っています。よろしくお願いします。

●梅原正敏●
 博士課程前期に学生として入学して2年目になります。修士論文のテーマは「祈りの構造」です。メルロポンティの現象学を手がかりにして、私たちが常日頃、宗教的であろうとなかろうと、また意識的であろうと無意識的であろうと、不確実性にとんだ未来を手元に引き寄せるために絶え間なく繰り返す「祈り」という行為を、意識の変容という切り口で論じていこうと考えています。
 私は寺の副住職として日々の生活を営んでいますが、仕事を通じて触れ合わせていただいた様々な出来事が、この研究を行うきっかけになっています。町田先生にいただいた、「世の中の役に立つ研究をしなさい」という言葉を、私なりに実行できるように、日々精進していこうと考えています。
 よろしくお願いします。
 
●吉田千絵●
 2010年4月に博士課程前期に入学した吉田千絵です。
 私の研究テーマは「イスラエルにおけるHand in Hand schoolの共学システムについて」です。現在のイスラエルでは、パレスチナアラブ人とユダヤ人の関係が悪化の一途を辿っています。その中でHand in Hand schoolでは、アラブ人とユダヤ人学生の共学と共存を目指している学校です。私の研究では、イスラエルにおける学校教育の問題を探りながら、この学校が持つ可能性と存在意義を研究したいと考えています。
 このテーマで調べれば調べるほど、パレスチナ問題の根の深さと、憎しみが憎しみを呼ぶ負の連鎖が続いているのを感じます。この状況の中、研究対象とする学校が一つの希望の光になればと考えています。よろしくお願いいたします。
 
●今津綾夏●
 2010年3月に修士課程を修了しました、今津綾夏です。修士課程の二年間は、大分県臼杵市にあるなずな農園の循環農法の農法と思想について研究していました。
 現在は、環境平和学プロジェクトセンターの『自然農法の統合的研究プロジェクト』の調査員として、全国の自然農法農家への現地調査に携わっています。農家の方の話を聞く中で毎回感じる事は、自然順応型の自然農法は、人の心と身体を豊かにする力を持つものであるということです。
 今後の目標は、「今年中に日本国内における自然農法農家の実態調査に区切りをつけ、自然農法事例報告集としてまとめる」です。よろしくお願いいたします。