西条盆地水文地形観察


これは、広島大学総合科学部環境共生科学野外実習Bにおける観察結果の一部である。
東広島の自然環境問題と観察ポイント
斜面崩壊
1999年6月・9月多数発生
西条の地形・地質は?
急傾斜地は? 地下水面は?
水資源の枯渇(昔からの問題;溜池多数)
最近下流域では河川改修で地下水位低下
集水地形(流域)?地質?
地下水流動は? 土地利用変化?
硝酸汚染;河川、地下水で
水道水源基準濃度を上回る
汚染源、土地利用、地下水流動?
深層地下水は?
ヒートアイランド;暑い日が続く?
温度分布、土地利用?
西条盆地の形成史の推定
なぜ、そんなことまでさかのぼる必要があるのか?
→汚染物質の移動は地下水流動によって決まる。斜面崩壊も降雨時の地下水流動が制御する。
→ローカルな生態系や従来の土地利用分布は、土壌水分分布やそれによって制御される養分循環によって大まかに決まる。
→地形によってそこでの地下水流動、土壌水分、養分循環が決まる。
→地形はその形成過程によって変化し、地質によって形成は異なる。
形成史の推定は?
→大まかな地形に残された古い歴史
→地下構成物質(図1;地質図)からその地形面の形成過程の推定
→細部の地形(図2;断面図)からその形成過程を推定
→現地形過程から推定
1.基盤地質の形成-花崗岩(図1;地質図)の形成(地下マグマの冷却、地上への露出)
-数千万年前
2.盆地の形成-断層(図2;地形図)による盆地サイズの凹地の形成、湖の形成(図3.250m以下を青で表示)
-数百万年前
3.湖の消滅-堆積物の供給による埋積
-数十万年前
*粒径;湖の中央部-粘土の堆積、山地に近い部分-扇状地堆積物(砂礫)
*土色;湿地・湖底(貧酸素)-灰色、扇状地・地上(酸化状態)-褐色
4.下流の河川の下刻侵食(黒瀬川、沼田川、瀬野川)、西条湖ダムの決壊で黒瀬方面へ流下
-?万年前
5.盆地内で河川の氾濫・侵食(下刻)-200m以上の面(粘土層;湖底堆積物、砂礫;扇状地堆積物)が堆積段丘として残る
-?万年頃前
6.流量の現象に伴い下流への侵食が停滞する(特に下段の西条低地;A,B側線)
-最終氷期(2万年前後?)
7.再び流量の増加に伴い下刻が進む-180m付近が侵食?段丘となる
-近年へ

西条盆地の地下水と汚染物質の起源の推定
なぜ、地形面毎に議論するのか?
→地形面毎に地下水面の深度が異なり、地下水に至る時間が異なる。
→地形面毎に土地利用が異なり、汚染物質の寄与が異なる。
→盆地の位置による地下水流動の違い
上流部は扇状地;ここでは地下水面は河川水面より低い→河川から地下水へ流動
盆地中央部以下;地下水面が河川水面より高い→地下水から河川へ流動
地形面毎の地下水流動は?
→測定した全地形面で地下水から河川への流動(地下水面図)
盆地流域での電気伝導度の分布(電解質の成分量に比例する指標)?
河川水は下流では電気伝導度が倍まで上昇している。
地下水は下流でも電気伝導度は上流とほぼ同じ
→都市部から地下水でない形で汚染物質が流入している。
西条盆地のヒートアイランド
どこで何が、ヒートアイランドに関与しているのか?
→温度分布は?(分布図)
→水蒸気分布は?
→地温分布は?
*色々興味深い現象や因果関係が野外には隠されています。様々な角度から今後も観察し見出していきましょう。
データは残念ながら貼りきれません。もしさらに必要なものがあれば請求下さい。
小野寺真一 sonodera@hiroshima-u.ac.jp