2002年5月8日 | |||||||||||||||||||||
R/V ENDEAVOR | |||||||||||||||||||||
6月21日から7月15日の予定でロードアイランド大学の研究船ENDEAVORに乗ることになっている。海水中の一酸化炭素の自動分析装置を持っていくことになっている。その下見のために母港であるロードアイランド州Narragansettに帰港しているENDEAVORを見に行った。車で片道約2時間の旅であった。 ENDEAVORのHPはここにある。いろいろな情報が出ている。下の表にENDEAVORと豊潮丸の比較をまとめてみた。ENDEAVORが豊潮丸より1〜2周りほど大きい。特に全長はENDEAVORのほうが10m以上も長い。これは「a mid-life refit in 1993」とあるように、1993年に改装を行い、その時に真ん中をちょんぎって付け足して増トンしたためではないかと思う。これに関してここに少し情報があるが、船影はかなりかわっているようである。増トンについては確かではではないので乗ったときに確認してみる。 サイズはENDEAVORが豊潮丸より1〜2周りほど大きいが、船員数は同じである。 ENDEAVORは東京大学海洋研究所の淡青丸に近いサイズだと思うが、船員数から比べると淡青丸が大きいような気がする。
ENDEAVORの特徴はなんと言っても実験室の広さであろう。これは先で述べた1993年の改装の結果であると思う。全長が長い分だけ空間に余裕がある。豊潮丸やEARDOに比べ圧倒的に広く、淡青丸と比べても広いと思う。ドライラボだけで豊潮丸の約5倍ほどは軽くある。ドライラボとは別にウエットラボがあり、一つ上のデッキにも狭いがラボスペースがある。おまけにコンテナラボのスペースもある。ラボなどの配置はここにあるので見てもらいたい。 WHOIに数隻の研究船があるが、これらは主に海洋工学や物理、地学の用途に適しており、あまり化学の航海には用いられないと聞いている。そういえば昨年(2001年)に乗らせていただいた韓国のKORDIのONNURIもどちらかといえば化学での航海よりは物理や地学の航海に適しているような設計であるよう思える。 その点でいえばENDEAVORは化学の航海にはもってこいの船である。広い実験室で、その実験室も棚や机の配置などは比較的自由度が大きく、どのようにでもアレンジできる。ウエットとドライの分離、コンテナラボなど、やはり化学の航海には広い実験室は便利である。 ただし、ENDEAVORの作業甲板は後ろだけで狭く、デッキは金属製のデッキで豊潮丸や淡青丸のような木製床ではない。淡青丸のような広い甲板ではない。 このENDEAVORには数人のTechnicianがおり、そのうちの何人かが乗船して研究をサポートしてくれる。ボスが言うにはかなり優秀らしい。海洋研にも観測機器管理室がありますよね。
私が乗船するENDEAVORでの航海は沿岸域での海洋中光化学反応の研究を主な目的とした航海で、Dr. David J. Kieber(State University of New York)が主席研究者である。実際に乗船するかどうかよくわからないが副主席にはDr. Kenneth Mopperの名前もある。Secondary contactsの欄には私のボスやDr. William Millerの名前もあり、海洋中での光化学研究では有名な先生方と乗れることになりそうである。
この航海に私とDr.Huixiang Xieで表層海水のCOの自動分析装置とCTDロゼットからあがってくる海水を用いたCOの鉛直分布を計測する。実験室が広いので装置もコンパクトにまとめる必要はあまりない。自動分析装置をコントロールするパソコンはミドルタワー+19インチCRTである。ガスボンベも私たちのグループだけで7000Lボンベを5本程度は持っていく予定である。 乗船のための書類には驚いた。今までの病気や予防接種の履歴など細かく書かなくてはいけない。おまけに最後には、どこも同じであるが、いわゆる「規律を守りご迷惑かけません」という誓約書にサインをする。この中に「飲酒しません」という項目がある。それがなんと麻薬と同列扱いで「アルコール飲料や麻薬を船上にて使用しません」となっている。飲酒と麻薬が同列・・・。考えさせられる。そういえば家を借りるための契約書のなかにも「この家では麻薬を用いてはいけない」という項目があった。 しかし日本で飲酒禁止にすると、航海への希望者が減るかもね? とりあえずは準備を怠りないようにがんばるのみである。 | |||||||||||||||||||||
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