2002年12月7日
停電


ここアメリカは世界でも有数というよりも最高の文明国家である。
その生活には電気は欠かせない。
情報の根幹をささえるコンピューター、家庭での煮炊き暖房、電気はひとときも欠かせない重要な存在である。

しかし、ここでは頻繁に停電がある
数秒の瞬間停電は月に必ず1回以上はある。
時には数秒の瞬間停電が断続的に何回となく続くこともある。
ここのあたりは木が多い、道路の両脇は必ずといっていいくらい林である。
林に面した道路脇に電柱が建っており、その電柱は林の木より低い。
風が強いと木がたおれ、それによって送電線が切断されて停電になるのだそうだ。したがって強風の時は良く停電する。

私にとっては驚きである。
日本では突然の停電なんてここ10年くらいはお目にかかっていないような気がする
千田のキャンパスの時は電気の使いすぎでよくブレーカーが落ちていたが、東広島のキャンパスに来てからはそれもない。
呉の自宅では昨年夜一度停電があったのを記憶しているがそれ以外はたぶんないと思う。

こっちの人は停電にけっこう慣れている。
デスクトップのパソコンのほとんどには無停電装置(UPS:バッテリーで一定時間はバックアップする装置)がついている。
研究所の様々な装置にもほとんどUPSがついている。真空装置にもついている。
だから停電しても研究所ではあわてる人はいない。
それに長くても数分で回復する。
だからなにも問題はない。

研究所のネットワーク機器も全てUPSがついているようで、停電になっても全く問題なく動作している
私はノートパソコンを使っているが、停電の時も普段と変わりなくネットワークには接続されている。
さすが停電が日常的な所だけある。

UPSは普通に電気店やパソコンショップ(BestBuyやCompUSA)などで売られている。
バックアップ容量によるが60ドルくらいからある。
このUPSには鉛蓄電池が用いられている。またこの鉛蓄電池は1〜2年くらいで交換しなくてはならない。
この鉛蓄電池を不用意に廃棄してしまい、鉛によって環境汚染が引き起こされるケースが後をたたないのだそうだ。

まあ今のとこころ停電の時間も短いし、実験には困るけど、まあ「またか」という感じでなんとかなんっていた。

しかし・・・・・・

先月末、昼間ばったり1時間停電した。
急ぎの実験の途中だったので、再開のめどが立たずにかなりいらいらした。

先週、火曜日の夜、家で食事をしている最中に停電した。
今までの停電は全て昼間に研究所での停電だったので、夜、自宅での停電は大変不安だった。
幸い15分ほどで回復したが、暗闇でガスストーブも消えちょっと怖かった。

そして先週の木曜日、朝は曇りだったが昼前から雪が降り始め、夕方には20cmくらいはつもった。
帰り際の私にボスが「もう冬だな・・・、Kazu(私はKazuと呼ばれている)よ、ろうそくは買ったい?」と・・・
えっ、ろうそくって?
ボスが言うには長いときは半日から数日は停電することがあるのだそうだ。
そんな時はろうそくが役に立つのだそうだ。
明かり取りにもなるし、部屋が暖まっていいのだそうだ。
今からが本格的な停電シーズンらしい。

その日、帰りにろうそくを買ったことは言うまでもない。




2002年12月7日




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