2003年1月10日
びっくりの連続!!シラキュースの旅


かねてからの予定どおり、と言っても日程は二転三転したのですが、ニューヨーク州シラキュースへ出張に行って来ました。

目的は昨年のEndeavorの航海の主席研究者であったニューヨーク州立大学のDr. D. Kieberの研究室へ今まで私が使っていたCOの測定装置を持って行き、彼の研究室のエミリーが海水からのCO発生の光量子収率を測定するために、その装置のセットアップと使い方の説明などがおもな仕事です。

シラキュースはニューヨク州の北西部にあり、カナダとの国境も近く、ナイアガラの滝まで車で1時間半くらいの所です。WHOIから約400mile(640Km)です。装置を運ぶ都合などもあり車で行くことになりました。去年夏に家族が来たときナイアガラの滝を見に行った時に通った道と同じですので、だいたいはわかっていました。

装置を分解して、私の車に詰め込みました。
COの標準ガス(1.2ppm)のボンベも運ばなくてはいけません。ボンベはいつも我々がアルゴンや窒素なを使ってい7000リットルのボンベと同じような格好ですが、若干背が低く、耐圧も低い代わりに非常に軽量、一人で悠々抱えられる重さです。しかし、なにせ、このご時世ですので、良く英語のわからん汚い格好をしたアジア系の外国人があやしげななガスタンクを運んでいて、お巡りさんにでも見られようなら大変です。ボンベだけ別に送るなどのことも考えましたが、佐○急○でもボンベは運んでくれないこのごろです。ここはえいやと段ボールの箱に入れ、外から見えないようにして車に押し込みました。一応、ボスが「こいつは怪しいやつではありません」と手紙を書いて持たせてくれました。

1月5日朝8時30分に我が家を出発、渋滞もなくそこそこの天気。快調にI-495を北上、ボストンの西まで来たところでI-90に乗り換えです。このI-90はボストンからニューヨーク州のバッファロー(カナダ国境)までの有料道路で、マサチューセッツ州内はMass.Tpk.、ニューヨーク州内はThruwayと呼ぶようです。至って順調、お昼前にはニューヨーク州の州都Albanyにつきました。しかし、I-90に乗り換えたあたりから路肩に雪、I-90を進むにつれて雪は増える増える、しかしながら路面には全く雪はあえりません。
雪はあるとは思っていたが、あまりの量にびっくり!!

さすが有料道路だけあってサービスエリは結構便利、トイレ、休憩、食事、おみやげ、給油との日本とほとんど同じ感じです。フライドチキンというアメリカンな昼飯を食べてコーヒー飲んで"INY"のTシャツを買って、順調にドライブ、特にとばした訳でもありません。他の車と同じ程度のスピード、ガスボンベ積んで無理なんかしません。でも、シラキュースについたのは3時30分、なんと640Kmを7時間で走破したことになります。しかも1時間弱の休憩込みです。
びっくり!!

あらかじめ調べておいたI-90のExit35を出たところのDaysInnへ宿泊、予約していませんでしたが、全く問題なし。「おいくら?」と訪ねたところなんとAAA(日本のJAFみたいなもの)の割引をきかせて1泊27ドル+tax!!。
おんぼろな訳でもなく、きれいで清潔そうな部屋で、シャワーもバスタブも問題なし、私の部屋は4階、けっこういい見晴らし。朝はコーヒー、オレンジシュース、パンのサービスあり、これで1泊27ドルとは。
おまけにケーブルテレビで日本の番組が!!。NHKのニュースに続いて某民放のドラマです。中山美穂さんが青森のあたりで東京に帰れずに困っていました。
びっくり!?


ホテルからのながめ

翌朝、いよいよニューヨーク州立大学へ。ニューヨーク州立大学といっても、たくさん20ほどキャンパスがあって私が行くのはCollege of Environmental Sciences and Forestryというところで通称SUNY-ESFと言われているようです。場所などは事前に調査済みでしたが、以外や以外、このシラキュースとう街、都会です。CapeCodの田舎者にはちょっと右往左往。大学も町中にあるので、セキュリティーが厳しい、敷地内へ車で入るにも、ゲートがあってそこでおっさんがどこへ行くのか、どのくらいいるのか、何を積んでいるのかとうるさい。

なんとかDr. D. Kieberの研究室へついて、装置を降ろしてセットアップ開始。
建物は5年前にできたばかりの新しいビルだそうで、地上4階地下1階、彼の研究室は4階。これまた眺めが最高。


研究室からのながめ

実験はさほど問題なし、6日の夕方には装置は無事完動。翌日から実験をする事に。
翌日もエミリーと実験。全く問題なしとはいいませんが、あとはエミリーが一生懸命働けばOKというとこまではいきました。

7日の夜はなんとDr. D. Kieber宅へ宿泊。
研究室を出た時間がもうすでに暗かったのでどっちの方角に走っているのかわかりませんでしたが、静かな雪の中の一軒家。車の中からリモコンでガレージの扉を開けて、そのままガレージへ。結構大きな家でした。

晩ご飯もいただいたあたりから、Kazuはスキーはできるのかという話になりました。もちろん大好きです。でも、卒論修論を横目に行くのはちょっと・・・なので最近は全く行ってません。学生の頃はよく行きました。指導教官に「行くの?」と聞かれて「はい」と答えたこともありました。
するとKieber曰く「いまからスキーをしよう!」。おいおいもう夜9時過ぎてるぞ?
しかしあっという間に話はきまりクロスカントリースキーをする事に。
私は奥さんの靴や板お借りることに。でもどこでするの?

なんと彼の家の周りが1周で約5〜10分ほどなんです。
クロスカントリーはもちろん始めて、信じられないような細い板、簡単な革靴のつま先の部分のみを板に固定、日本でやっていたようないわゆるダウンヒルのスキーとは大違い。
でも最高でした、夜、静かな雪のなか、あるのは家の明かりのみ、いい風景でした。
そこを7〜8周したでしょうか。1時間弱、結構いい運動になりました。
まさかこんな所まで来てスキーするなんて、びっくり!!

翌日は午前中、エミリーと最後のうち合わせ。装置が調子の悪い時や、壊れた時の対処、修理法の説明などなど。
昼飯はDr. D. Kieberとエミリーとタイ料理を。その帰りにDr. D. Kieberがちょっとパンによるからつきあってとのことで、徒歩でレストランの裏手へ。
なんだか汚げな古い建物、見た目安全な所なのって感じの雰囲気。そこの一角のドアを開けて中へ入ってびっくり。
むせかえるパンの匂い、店内の棚にぎっしりと並べたれたパン、パンしかない、汚い格好のおやじがなにか大きな声で話してる、超旧式のレジ、まるでその店だけ30年も40年も進化してないような雰囲気。操業以来何十年も何も変わっていませんという感じ。
直径30cmくらいの表皮がめちゃくちゃ堅いパン1つ$1.50をおみやげに買ってもらいました。
後から学生さん聞いたところシラキュースではちょっと有名なパン屋さんらしいですね。

帰り際にEnveavor航海でのBestStudent賞受賞のダニエルにもあえました。相変わらず洗い物とか雑用をきっちりこなしているようです。彼女が片づけた器具の一軍はまさに完璧でした。いい仕事してました。最近は洗い物とロックバンドが忙しいとのこと。なかなやるな!

その日3時頃にはシラキュースを出発、途中Amsterdamというヨーロッパみたいな名前の街へ1泊。翌日無事、CapeCodへ帰りました。


宿泊したAmsterdamの街の雪


帰ってきました。CapeCodの入り口BourneBridge。雪の気配はありません。

おしまい




2003年1月14日




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