有向実Grassmann多様体の対蹠集合

首都大学東京幾何学セミナー 2013年4月26日(金)

講演概要

対蹠集合はコンパクト対称空間の特別な性質を持つ有限部分集合であり、 対称R空間やその特別な場合であるコンパクト型Hermite対称空間の場合は、 この概念を定義したChen-Naganoの論文、Takeuchiの2-numberに関する論文、 田中真紀子さんとの共同研究などにより 対蹠集合の性質は詳しくわかってきました。 ところが R^n 内の k 次元有向部分空間全体から成る有向実Grassmann多様体 G_k(R^n) の対蹠集合については、 ほとんどなにも知られていなかったようです。 この講演では G_k(R^n) の極大対蹠集合が {1, 2, ..., n} のある性質を持つ 部分集合の族と一対一に対応することを示し、 このある性質を持つ部分集合の族を決定するための方法を解説します。 さらに k が 4 以下のときにこの方法を実行して得られた極大対蹠集合の 分類結果を示します。 この分類結果と関連する有限幾何学や不変交代形式についても触れます。


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