今回の講演内容は2013年11月に離散数理セミナーで話した内容の その後の進展に関するものである。 前回は有向実Grassmann多様体の極大対蹠集合と 有限集合内のある性質を持つ部分集合族が対応することと、 それによる有向実Grassmann多様体の階数が 4 以下のときの 極大対蹠集合の分類について話した。
前回同様 {1, ..., n} の k 個の元からなる部分集合の全体を P_k(n) で表す。 P_k(n) の元 α, β に対して差集合 α-β = {i∈α | i not∈β}の元の個数 #(α-β) が偶数になるとき α, β は対蹠的であるといい、 部分集合 A ⊂ P_k(n) の任意の二元が対蹠的であるときに、A を対蹠的という。 k が 4 以下のときの P_k(n) の極大対蹠的部分集合の合同類の分類に現れる いくつかの対蹠的部分集合の系列を一般化し、それらがいつ極大になるか判定する。 さらにこれらの系列を利用して対蹠的部分集合のサイズを評価する。