2010年1月の一回目と2012年6月の二回目の同じ題名の講演で、 コンパクト型Hermite対称空間の二つの実形の離散的交叉が対蹠集合になること および既約の場合の交叉の性質、 既約ではない場合の実形の分類、二つの実形の組合せの分類および 二つの実形の交叉の性質などに関する 田中真紀子さんとの共同研究の成果を解説しました。 今回の講演では、 正則等長変換の不動点集合と二つの実形の交叉との関係、 二つの実形の交叉が離散的になるための必要十分条件、 二つの実形の離散的交叉がある種のWeyl群の軌道になるという 井川治さん、田中真紀子さんとの共同研究の成果について解説します。 コンパクト型Hermite対称空間が コンパクトLie群の随伴軌道になることを利用して 今回の成果を得たことがこれまでの手法とは異なります。 これは二つの実形の離散的交叉が対蹠集合になることの別証明も与えていて、 複素旗多様体の場合への一般化の道も開きました。