有向実Grassmann多様体の極大対蹠集合と コンパクトLie群の極大対蹠部分群に関して 最近得た結果について解説する。 各点で点対称が存在する空間、対称空間において 点対称に関して自明な部分集合を対蹠集合と呼ぶ。 有向実Grassmann多様体の極大対蹠集合は 組合せ論的対象と対応することを示し、 階数4以下の場合の分類を得た。 分類結果を眺めると基本的なコンパクトLie群の表現の 不変交代形式と関連性があるように思われる。 さらに田中真紀子さんとの共同研究でコンパクトLie群の極大対蹠部分群を分類し、 対応するコンパクトLie環の自己同型群の 極大対蹠部分群の分類を得た。 これはそのLie環の互いに可換な対合的自己同型の 極大集合の分類に対応している。