鏡映部分多様体の幾何学

平面曲線の長さを直線との交点数の積分で表現する Croftonの公式をRiemann対称空間の部分多様体の体積を 表現する積分公式に拡張することを考える。 平面の場合に直線の役割を演じるものとして、 Riemann対称空間の場合には鏡映部分多様体を採用する。 鏡映部分多様体とは対合的等長変換の不動点集合である。 鏡映部分多様体の集りは対称空間の構造を持ち、 さらに不変擬Riemann計量や不変測度を持つ。 擬Riemann計量に関する余面積公式を定式化し 鏡映部分多様体の集りのこれらの性質を利用すると、 Croftonの公式をRiemann対称空間の場合に拡張できる。