●技術科教員指導能力認定試験とは●
 「技術科教員指導能力認定試験」は,2008年度に創設された国内初の教員の指導力を学会が認定する試験です。 2008年度は72名が出願し17名を合格,2009年度は80名が出願し33名を合格,2010年度は75名が出願し21名を合格,2011年度は54名が出願し11名を合格,2012年度は56名が出願し12名を合格,2013年度は76名が出願し6名を合格,2014年度は73名が出願し9名を合格,2015年度は57名が出願し7名を合格,2016年度は66名が出願し13名を合格,2017年度は56名が出願し7名を合格とし,現在136名の方々を認定しました。「技術(テクノロジー)に関する専門知識・理解」「設計(デザイン)と製作(制作・操作・育成を含む)の技能」「授業を展開し,生徒を指導する力としての技能」の3つの能力を,筆記・実技・模擬授業のテストで直接・客観的に測定し,合否を判定します。試験は年1回実施され,教員として最低限身につけておいて欲しい標準レベルと指導的立場の教員として理解しておいて欲しい上級レベルの2つの級で構成されています。ただし,当面は標準レベルのみの試験を実施します。
  試験問題は,日本における技術教育の学術団体である一般社団法人日本産業技術教育学会の技術教育,材料加工(木材,金属),エネルギー(機械,電気),生物育成及び情報の各分科会が作成した「技術科教員養成基準」に従い,各分科会から選ばれた委員が作成した資料をもとに構成しています。教科「技術」を担当する教員の力量を評価する試験が「技術科教員指導能力認定試験」です。
●技術科教員指導能力認定試験のメリット●
  技術科教員指導能力認定試験の合格発表は,6月末日〜7月上旬です。各都道府県における教員採用試験の願書出願日までには間に合わないと考えられますが,教員採用1次試験や2次試験の面接日に間に合うようにしました。
 認定試験は,2008年度からスタートしたばかりであるため,教員採用において優遇されたことが明確な例はまだありません。しかし,一人の教員採用試験合格者は,教員採用1次試験の対策になったという感想や面接試験において認定試験の内容が話題になるなど,認定されたことが自信につながったという感想があり,認定の効果が明らかになりつつあります。2008年度には認定の意図やねらいが,日刊工業新聞や毎日新聞などに紹介され,注目されました。学術団体が教員としての力量を認めた事実は,教員採用試験の面接において自己PRの一つとして十分に生かすことができます。
●技術科教員指導能力認定試験の検証●
  日本産業技術教育学会論文誌Vol.58,No.4,pp.245-250に「報告」として,「技術科教員指導能力認定試験の検証 −合格者への追跡調査及び教員採用試験との関連性から− 」が掲載されています。
 これによると,2014年度までに合格した,96名の大学生,院生のうち70名(72.9%)が中学校で勤務してます。また,小学校や高等学校も含めた学校に勤務している合格者は83.3%に上ることが分かりました。このことから,認定試験の合格者が学校教育現場で十分に活躍していることがうかがえます。
 さらに,教員採用試験の問題と認定試験の出題項目は98%が一致しており,問題に関連性があります。このことから,技術科の教員を目指す人には,各都道府県などで実施される教員採用試験の対策になると考えられ,広範な出題分野が含まれる技術科の試験勉強としてメリットがあると考えられます。

 

2008年7月4日付け日刊工業新聞記事