1999年8月2日(月)から2000年3月31日(金)まで,文部省在外研究員(若手教官)として,
アメリカ合衆国テキサス大学オースチン校に派遣されることになりました。

このページでは,8ヶ月にわたる滞在の記録をつづっています。


11月1日−15日 : Daycare探し―新たなトラブル

11月2日
今日は,「ゆい」の幼稚園初日。
朝9時過ぎに,妻と私が付き添って行った。
私は今週分の料金$79の小切手を払って,すぐに大学へ向かう。
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後で妻にきいたのだが,かなり問題がある。
スタッフは,子供にかまうというような態度ではなくて, どなりつけて,いうことをきかせるという姿勢。
これには妻も驚いたようで,様子をみて,やめることになるかと思っている。
「ゆい」に悪影響をおよぼす前にやめなければならない。    
11月5日   
昨日,妻がひそかに別のdaycareをイエローページで調べて訪ねたらしい。
自転車で20分ほどの距離にあり,週5日で午前中だけ。
何よりもスタッフの人柄が違うそうだ。
夕べ,近所のdaycare のリストを作って,今日の午前中はそれらを今度は私もいっしょに訪ねて回った。
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大手のdaycare ほど,教師がしつけというよりは,自分のストレス発散にどなるだけで, 子どもといっしょに遊ぼうともせず,仁王立ちになって,子どもを監視しているだけに見えた。
子どもと接することに喜びを感じているようにみえない先生だらけなのだ。
daycareというのは,早朝から夕方遅くまでのきつい仕事だからなのか知らないが, 楽しめない仕事ならやめればよいのにと思う。
人柄というのは人相にでると私は信じているが,今回のdaycareめぐりでも, 子どもに興味を示さない先生はみな,そういう顔つきをしていた。
そして,昨日,妻が訪ねたところは,今日回ったなかでは一番のスタッフぞろいだった。
Christian Learning Center というのだが,この国では教会がらみでもないかぎり, よい人柄のスタッフは望めないということなのだろうか。
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お昼から大学にいったのだが,幸い駐車することができた。
テキサス大学では,駐車場問題は深刻で,駐車できるかどうかは時間帯によるが, 本当に確率の問題になってしまう。
今日,うちの研究室に,4人目のVisitor がやってきた。
パトリシアという女性で,まだ若い研究者にみえた。
それほどまだ話していない。
11月7日
お昼に,日本大学の茂手木さんを空港まで迎えにいった。
「ゆい」が楽しみにしていたおみやげを,ついにいただいてしまった。
11月8日
朝一番で,娘が先週から通い始めた(といっても2回だけだが), daycare にキャンセルを伝えに行った。
通常,2週間分ぐらいの料金を払わされるもののようだが,そのdaycare は 口頭で連絡してそれで終わり。
あっさりしたものだった。
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今日のランチは,Alan,John,Hugh,茂手木さん,松田君と私。それに 今日のセミナーの講演者と知らない教官。
セミナー終了後,茂手木さんとcampus 付近を少し散歩した。
11月9日
せっかく茂手木さんがこられているというのに, いやなことがあって,私の体調は悪い。
まぁ,時間がたてば回復するとは思うのだが。
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朝一番で,アパートの事務所へ。
昨日届いた電気代の請求書だが,私たちの入居前の分が入っていて, 明らかにおかしかったからだ。
連絡をしてくれるそうで,前の入居者の未払い分だろうとのことだった。
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大学へ行く途中,新しいdaycare に寄って,申請書を提出してきた。
来週からでも明日からでもよいとのことで,さっそく明日からお願いすることにした。
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茂手木さんは,John の隣の部屋を使わせてもらっていて,十分スペースが あるので,私にもそちらにいればといってくださっている。
そんなわけで,今日は夕方まで茂手木さんの部屋でずっと数学の話をできた。
来週からはまた,あのぎゅうぎゅう詰めの部屋にもどるかと思うと暗い気持ちになる。
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ランチは,Gordon 先生,John,Alan,茂手木さんと私。
11月10日
朝,大事件があった。
今日は「ゆい」の新しいdaycare の初日。
8時半に,3人で出かけようとして,ドアに紙がはりつけてあることに気がついた。
ある人物からのタイプされた手紙で,そのひとの車が,このあたりでこの前の日曜日に ぶつけられたという。
事故の目撃証言から,色や車種を特定した。
まだ警察にはいっていないが,次の日曜日までに連絡がなければ,云々。
もちろん私に心当たりなどまったくなく,いいがかりだが,驚いて,うろたえた。
時間がないので,妻には「ゆい」をつれてdaycare に行ってもらった。
アパートに残った私は,まずGordon先生に電話した。
まだご自宅におられて,事情を説明したら,相手に電話して,自分ではない, 何かの間違いであると伝えるのが先決といわれた。
もちろん,私が気づかないくらいの接触があったかもしれず, 一応,自分の車を確認した。
中古車だから,もともとあったような傷はいくつかあるが, めだつ傷などない。
相手に電話したら,留守電だった。
今朝,ドアにはりつけられた手紙をみたが,私に心当たりはなく, 勘違いだと思うといい,とにかく会いたいからといって,電話番号を伝えた。
その後すぐ,Gordon 先生から電話があり,相手をあうことになったら, 自分が同伴すると言ってくださった。
とにかく,大学にいく。
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大学にいったら,Hughがいて,彼にその手紙をみてもらった。
ちょうどGordon 先生もやってこられた。
手紙をみて,2人とも,これは一般的な手紙であり, 私あてのものではないと,すぐにおっしゃった。
英語のニュアンスは私にはわからないが,車種を特定したとかいうくだりも, かまをかけているようだし,文章の内容は明らかに,特定の個人をさしていないと いわれた。
私の早とちりだったわけで,Gordon 先生にはご迷惑をかけてしまった。
先週からいやなことが続いていて,私の気持ちも不安定なのと, 英語力の不足などが災いして,慎重な判断をできなかったかと思うと情けない。
電話番号を残したことが心配だから,とりあえずほっておいて, 相手から連絡があれば,こちらは日本人であり,手紙が私個人宛てだと 早とちりしたのだといえばよいとおっしゃられた。
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今日のランチは,John,Hugh,茂手木さんと私。
大学内のdining hall にいったのだが,驚いた。
ゲームセンターやボーリング場がある。
その一角のカフェでサンドイッチを食べた。
サンドイッチを待つ間,4人でサッカーゲームをしたのだが, 楽しい経験だった。
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2時からは茂手木さんの講演。
今日の夕食をGordon 先生に誘われた。
早めに帰って,妻と「ゆい」を連れて,大学で待ち合わせることとなった。
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前のアパートから,請求書が届いた。
聞いていたとおり,契約期間である2月末までの家賃を請求されている。
話どおりでよいのならば,これを無視して,次の請求書を待てばよいことになっているが, 30日以内に云々とかいてあり,やはり心配は尽きないので, 大学にもっていて相談してみるつもりだ。
ひとつが片付けば,あらたな問題がでてきて,私たちは本当についていない。
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夕食は,Lake Austin 沿いのハワイアンレストランにて。
料理自体はメキシコ料理。
私と妻はTacos を食べ,「ゆい」は簡単な子どもメニューを頼んだ。
8時半ぐらいまで楽しく夕食。
川の上にデッキを作り,その上にいたので,だんだん寒くなってきた。
Gordon 先生の車で,再びご自宅へお邪魔した。
楽しくいろんなお話しをした。
結局,私はGordon 先生からクラシックギターと, 「Forrest Gump」のVIDEOを,「ゆい」は犬のぬいぐるみとゲームを借りてしまった。
そのうちに「ゆい」が寝てしまい,私たちはGordon 先生に車を停めている大学まで 送っていただいた。
その後,Gordon 先生は茂手木さんをホテルまで送られて,私は松田君をアパートまで 送って帰宅した。
もう0時近くになっていて,長い一日に少々疲れた。
11月11日
朝から私は大学へ。
妻は「ゆい」をdaycare に送っていった。
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今日のランチは,Gordon 先生,John,茂手木さんと私で,ピザを食べにいった。
昼過ぎに,茂手木さんと2人でキャンパス付近を散歩。
茂手木さんは好奇心が旺盛だ。
私も見習いたい。
茂手木さんはせっかくの滞在を楽しもうという気持ちが強い方だ。
私はこれまでの滞在で,トラブルばかりで参っているが,数学はもちろんとして, もっと楽しまなければだめだと思った。
早めに家路について,ちょっと寄り道をした。
Hancock のHEBで電気代をはらったついでに,Mars という楽器店にいって, Fingerpicking style のギター譜を2冊買ってしまった。
11月12日
今朝から,「ゆい」は私が大学にいく途中にdaycareに送っていくことにした。
少し表情が硬いような気もしたが,後で妻が先生にたずねたところ,大変うまくいっているそうで, daycare を変えて本当に正解だった。
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今日のランチは,John が茂手木さんと私を車で,ダウンタウンにあるメキシコ料理店に連れていってくれた。
私がAustin にきてすぐに連れていってもらった店だった。
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とうとう,私たちの部屋に5人目のVistor がやってきた。
部屋はぎゅうぎゅうづめといってよい。
この状況下で,毎日勉強する気にはならないかもしれない。
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午後,Gordon 先生がこられて,今日の夜に自宅でパーティーをするので こないかと誘われた。
本当にタフな方だ。
夕方,茂手木さんをのせて,私のアパートの近くのスーパーで ビールと花を買ってから,アパートへ。
妻と「ゆい」をのせて,Gordon 先生宅へ。
6時半すぎについたのだが,今夜はゲストのみなさんすでに きておられた。
Gordon 先生のセッション仲間が,ギターをもって集まっているパーティだった。
夕食後,さっそくセッションが始まった。
アコースティックギターを弾く人が4名,マンドリン1名という構成。
Gordon 先生はリードギターで,本当にうまい。
カントリーやオールディーズを歌う。
Gordon 先生はもっぱらギターに集中していて,きっと歌はいまいちなのだと思う。
みなさん,Gordon 先生か,それ以上の年齢の方ばかり。
日本では元ミュージシャンが集まってというのでもなければ, ここまでの演奏はないと思った。
アマチュアでも,かなりうまい人たちでないと。
うらやましいかぎりだ。
妻と「ゆい」は途中,退屈して,さんざんトランポリンで遊ばせてもらった。
帰宅したら,23時過ぎ。
明朝の茂手木さんの出発は早いので,すぐに寝た。   
11月13日
7時に,私と茂手木さんで空港へ向かう。
さすがに「ゆい」は寝ていたので,こういうことになった。
起きていれば,いっしょにいっただろう。
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茂手木さんを送ってから,アパートに戻り,3人で買い物。
午後に,妻と「ゆい」は少しだけプールに入った。
そろそろ限界だろうか。
昨日の疲れが残っていて,今日はそのあと出かけることはなかった。
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Gordon 先生は,今日の昼前にご自分で飛行機を操縦して,Houston までいかれ, 娘さんと食事をして帰ってこられるといっておられた。  
11月14日
朝から,大学内にあるLBJ Library and Museum へ行ってみた。
テキサス出身の第36代大統領Lyndon B. Johnson を記念する展示物がたくさんある。
実はいつも車を停めている駐車場のすぐ隣にある。
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次に,テキサス州議事堂 State Capitol に入ってみた。
110年ほど前に建築されたものだが,1990年から5年かけて修復されたそうで, エレベータもあり,重厚な概観と歴史を感じさせる内装ではあるが, まだまだ真新しい感じがした。
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昼からは,久しぶりにBarton Springs Park へ。
まだ,プールで泳いでいる人がいて驚いた。
11月とはいえ,昼にはまだ27℃くらいにはなるのだが,さすがに水は冷たいだろうに。
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アパートに戻ってから,私たち3人も,プールへ。
人のことはいえない。
といってもジャグジーは41℃もあり,温泉気分だ。
「ゆい」はそれでもプールに入って,泳いでいた。