1999年8月2日(月)から2000年3月31日(金)まで,文部省在外研究員(若手教官)として,
アメリカ合衆国テキサス大学オースチン校に派遣されることになりました。
このページでは,8ヶ月にわたる滞在の記録をつづっています。
10月16日−31日 : 安定した生活へ - そして Halloween
10月16日
- 懸案だった車のエンジンオイル交換に出かけた。
アメリカでは,ガソリンスタンドには小さいコンビニがくっついているのだが,
日本のようなメンテナンスのサービスはいっさいない。
修理店にいかなければならないのだ。
イエローページで調べるとすぐ近くにあるので,「ゆい」をのせて,
出かけることにした。
土曜日で混んでいて,順番待ちに時間をとられたが,オイル交換自体は
10分もかからないぐらいで,$26払って終了。
これで,もう帰国するまでに交換することはあるまい。
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21時から,またまた「Titanic」を観た。
3時間弱,CMも入らずノーカット放映。
せっかく映画チャンネルを買っているのだから,せっせと観ないと損だ。
10月17日
- 今日は前線の通過で,めずらしく雨も時折ちらつくような曇り空。
気温も華氏55℃(摂氏12℃)ほどで,長袖でも寒いぐらいだった。
昨日もおとといも,プールに入ったというのに。
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午後からまだいったことのないショッピング・モールに出かけた。
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引っ越してきてちょうど1週間がすぎた。
本当に静かなアパートだ。
家賃は高いが,帰宅するのが楽しみになるようなアパートではある。
10月19日
- 研究室の天井から水が落ちてくる。
昨日,めずらしく激しい雨が降ったが,そのせいだろうか。
10月20日
- 「ゆい」が蟻にかまれた。
眼の下と,胸とわきを十数ヶ所もかまれている。
寝室の床をみると,壁沿いに十匹ほどの蟻がはっている。
「ゆい」はカーペットの上にふとんをひいて寝かせているので,
寝ている間にやられたのだ。
先日,急に寒くなった日,台所で蟻を数匹見たが,そのとき気づくべきだった。
それらしい壁のわれめを「ゆい」の粘土でふさいで,「蟻の巣ころり」のたぐいの
薬をかってきた。
幸い,それ以降,新たな蟻はでていない。
3階でこれだから,1階などはもっとひどかったに違いない。
表にきつい殺虫剤をまいた跡があった。
10月21日
- 蟻はあれ以来でていない。ひと安心だ。
このところ,Austin でも冷え込むような日が続いたが,週末に向けて
暖気が戻ってきている。
「ゆい」は朝から,「今日はプールどうかな〜」といっているが。
10月22日
- 夕方,レンタル家具店にいって,ツインベッドを追加した。
そこに「ゆい」を寝かせておけば,また蟻が出てもかまれないだろう。
ベッドの配達は来週になるそうだ。
10月23日
- 生活が安定したきたので,今日は初めて遠出をすることにした。
Austin からもっとも近くの都市であるSan Antonio。
80マイル(140km)離れていて,highway を時速70マイルでとばして1時間半かかった。
迷わずに,San Antonio Zoo へ到着した。
神戸でいえば王子動物園ぐらいの規模。広島の安佐北動物園よりは小さい。
「ゆい」は,魚にえさをやったり,楽しそうだった。
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次にダウンタウンに向かい,Riverside Walk やTower of the Americas など,
Austin よりもはるかに観光地化したSan Antonio を楽しんだ。
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私の真っ青なネオンテトラ号は,燃料タンクが小さい。
8ガロン(30リットル)ほどしか入らない。
帰りの道すがら,スタンドによってガソリンを入れなければならなかった。
Highway といっても無料で,日本の高速道路と違い,サービスエリアもない。
rest area というトイレと自動販売機のおいてある場所はみかけた。
アクセス道路が並行してずっと走っており,必要があれば出口でおりて,
日本でいうコンビニが必ずついているスタンドなどにつけて,用がたせる。
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寝室から,きれいな満月がみえた。
次回は,泊りがけでHouston へいってみたい。
10月24日
- 今日は松田君がTVを買うというので,付き合うことになった。
10時に待ち合わせして,Best Buy という家電の大型安売り店に行った。
19インチのTVで,展示品処分だが$129 で買えた。
その後,うちに寄ってもらってみんなで昼食を食べた。
松田君を送っていって,彼のアパートの近くにある
Korean Market に寄ってみたら,意外とたくさんの日本食品が売っていて,
妻は思わぬ発見をしたと喜んでいる。
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とうとう私の免許証が届いた。
デジタルカメラでとった写真が印刷されているのだが,
日本同様,犯罪者のような顔でうつっている。
10月25日
- 引越しの雑事からようやく解放されたので,
朝,うちの近所のDaycare に電話してみた。
先週,妻が一度訪ねてみたのだが,そのときはdirector が留守で
詳しいことは何も聞けなかったそうだ。
電話で尋ねると,Waiting list があるそうで,待たなければならないが
空きは出ると思うといわれた。
午後のafterschool care program があるそうで,とにかく
明日の夕方4時に訪ねることにした。
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今日のセミナーでは,John Luecke が"Exploring a construction of Osoinach"という
題目で講演した。
内容は以前にもらっていたレジュメそのままだったので,
私にとって新しいものはなかった。
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18時前に帰宅したのだが,体が重い。
昨日の夜,同室の松田君が同じ症状だったそうで,
一日遅れで私にもうつったのかもしれない。
発熱はしなかったが,すぐに寝た。
10月26日
- 今朝,「ゆい」の待望のベッドが届いた。
案の定,「ゆい」は大喜びで,ベッドに寝転がっては遊んでいる。
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私の体調はいまひとつだったが,昼過ぎにはましになり,
16時に約束どおり,近所のChildren's World Learning Centers を訪ねた。
こちらの希望も伝わり,週2回,6:30-18:30で好きな時間に
やってきて,そして連れて帰れるそうで,来週の火曜日からスタートすることにした。
実際にクラスもみせてもらった上,プレイグラウンドに「ゆい」もいってみたが,
楽しめそうな雰囲気だ。
明日,登録の手続きを正式に行って,これでようやく「ゆい」の幼稚園が
決着するだろう。
10月27日
- 再び体調が悪い。
薬を飲んで,大学へむかう前に幼稚園にいって,登録をしてきた。
登録料は$50。
ただ,緊急時の対応を許可する書類に,公証人のスタンプがいるそうで,
近所のスーパーなどでやってもらえるそうなので,来週までにいかなければならない。
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大学でHugh さんに公証人のことを教えてもらった。
公証人のサインによって,その書類が裁判で通用する公的なものになるそうだ。
訴訟が多いアメリカならではだろうか。日本にもあるかもしれないが,
幼稚園の入園手続きでそこまではしない。
Yellow Page で調べたら,うちの近所にやってくれる店があるので,
帰りによってみた。
料金は$6。
その店にいる公証人の資格を持った人が,
スタンプをついて,サインして終わり。
簡単だった。
10月28日
- 夕べは十分に寝たおかげか,体調がよくなった。
大学にいくと,研究室に机が2つ増えていた。
これで合計5つとなった。今でも3人でせまいぐらいなのに,無茶苦茶といえないこともないが,
以前からこのことは聞いていた。
新しいVisitor が数名くるのだが,とにかく部屋がなくて,苦肉の策らしい。
新しく来る人も,これをみてどう思うだろうか?
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今日のランチは久しぶりに,Gordon 先生,Alan,Hugh,そしてもう1人の
スタッフ(初対面ではないが,名前は知らない)と松田君と私。
明後日の土曜日の夜,Gordon 先生宅でHalloween Party があり,
私も家族も招待されている。
さらに,次の日曜日の夜(本当のHalloween の夜),John の家に
夕食に招待されていて,その後,John の子供たちと「ゆい」が
「trick or treat」に出かけるそうだ。
衣装はJohn が貸してくれるらしい。
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Austin では夕方4時から,帰宅渋滞が始まる。
私は5時を過ぎてから帰途についたが,毎日のようにみかける事故で,
日はとりわけ混んでいた。
おかげで帰宅したら6時前。
10月30日
- 夜,Gordon 先生宅でHalloween Party がある。
朝は激しい雨だったが,妻がチーズケーキを焼いてもっていく予定なので,
材料を買出しに出かけた。
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夜6時に軽い食事をすませて,8時前に松田君を迎えにいって,Gordon 先生宅へ。
出迎えてくださったGordon 先生は,アロハシャツにレイをかけ,頭には
黒髪のかつらをかぶっておられる。
ご本人のおっしゃるところでは,エルビスだそうだ。
奥さんは頭にこうもりの耳をつけておられるだけだったが,
友人の方は,完璧な魔女の衣装。もう1人の友人の女性は,Cats の猫のいでたち。
幸い,妻と「ゆい」はゆかた,私は出発前に学生たちにもらった作務衣を着ていった。
私のいでたちは,Sushi Bar のバーテンダーのようだったが,
よくいえば,ジェダイの騎士だといっておいた。
その後,続々と仮装した(dress upといっていた)お客さんがやってきた。
院生も数名,Gordon 先生の兄弟,数学教室の教官も幾人か,そして
Alan とHugh もやってきた。
最終的には,40名はいたかと思うが,広いお宅なので問題なし。
Alan とHugh は普段着でやってきたのだが,
「Alan がHugh の格好をして,Hugh がAlan の格好をしている」というJoke は
大変おもしろかった。
立食パーティで,食事といっても,ハムやチップス,ケーキなどのつまみが
でるだけで,私たちのあてがはずれた。
フランスでのホームパーティはそうではなかったのだが。
23時ごろから,Gordon 先生を含めて,リビングでギター3本とハーモニカ,
パーカッションによるセッションが始まった。
70歳にもなろうかというBob Williams が女性と踊っておられた。
「ゆい」は当然,途中で眠くなってきたのだが,庭に出て,大きな
トランポリンを発見して,それで遊び出したら目がさめた。
いったい誰が普段使っているのか興味はあるが,その解答は怖くて知りたくないような
気もする。
23時を少し過ぎたところで,奥さんに挨拶して,私たちは引き上げた。
私たちが帰るときにやってきた人もいたぐらいで,いったいいつまで
Party は続いたのだろうか。
松田君をアパートまで送って,帰宅途中,さすがに「ゆい」は車の中で
寝てしまった。
***
Austin のメインストリートである6th Street あたりでは,
この土曜日と本当のHalloween である日曜日の夜は,仮装した酔っ払いが
あふれて,大パーティをやっているそうだ。
10月31日
- 今日の夜が,本当のHalloween。
夕方4時に,John の家に到着した。
庭で,John が娘さんのGwen と,かぼちゃをくりぬいて,キャンドルをいれている。
息子のKevin は,ポケモンに夢中で,カードをもってきて一生懸命私たちに
説明してくれる。
夕食をいただいて,「ゆい」は,去年Gwen がきていたという魔女の衣装一式を
貸していただいた。
親もついてまわるのだが,John の家の一帯を子供たち5,6人
のグループになって,次から次へとノックして回る。
「trick or treat」といって,キャンディをもらう。
一番小さい「ゆい」は,おねえちゃんたちの後を一生懸命走って
追いかけては,「trick or treat」といっている。
20件ほど回って,John の家に戻ってきた。
みんな,袋にいっぱいのキャンディやチョコレートをもらってきた。
最後に,「ゆい」は魔女の衣装とほうきをいただいてしまった。
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「ゆい」は「魔女のキキ」や「お邪魔女ドレミ」が大好きだから,
これには大喜びで,翌朝も起きたとたん,またその衣装を着ていた。
これで来週の日曜日に茂手木さんから「クルールポロン」をいただけば,
完璧だ。