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はじめに

最近、サポートベクターマシン(Support Vector Machine, SVM)と呼ばれるパター ン認識手法が注目されている。カーネルトリックと呼ばれる方法を用いて、非線 形の識別関数を構成できるように拡張したサポートベクターマシンは、現在知ら れている多くの手法の中でも最も認識性能の優れた学習モデルの一つであると考 えられている。サポートベクターマシンが優れた認識性能を発揮できるのは、未 学習データに対して高い識別性能(汎化性能)を得るための工夫があるためである。 サポートベクターマシンは、線形しきい素子を用いて、2クラスのパターン識別 器を構成する手法である。訓練サンプルから「マージン最大化」という基準で線 形しきい素子のパラメータを学習する。本稿では、まず、サポートベクターマシ ンおよびカーネルトリックについて紹介し、その後、同様な構造で識別器を構成 する統計手法として、重回帰分析とロジスティック回帰分析について紹介する。 重回帰分析やロジスティック回帰分析でも、未学習サンプルに対する性能を向上 させるための工夫が提案されているので、識別器の学習における汎化性能を向上 させるための工夫について紹介する。また、サポートベクターマシンとそれらの 手法を評価関数のレベルで比較する。



平成14年7月18日