診療内容

 泌尿器科は、尿路(腎、腎盂、尿管、膀胱、尿道)と男子生殖器(前立腺、精嚢、精管、精索、陰嚢、精巣)の疾患の診断と治療を行う診療科です。解剖学的に腎臓に接し、働きの上で精巣と密接に関連する副腎の腫瘍を内視鏡下に摘除する手術も担当しています。排尿障害、尿失禁、骨盤臓器脱、性腺機能低下など生活の質(QOL)に大きく関わる疾患の診断・治療法の開発にも力を入れています。

 扱う疾患は下のように悪性腫瘍(がん、肉腫)をはじめ、前立腺肥大症や尿路結石、尿路奇形、失禁、尿路感染症などさまざまで、これらに対して外科的治療(手術)を中心に診療を行っています。広島大学病院泌尿器科では悪性腫瘍の占める割合が高いことから、私たちは治療成績の向上はもちろん、体に負担の少ない、低侵襲(痛みや出血が少ない)で安全な治療の開発・導入に力を注いでいます。

<泌尿器科の扱う主な疾患>

主な疾患の診断と治療

腎細胞がん

 

 

 

<患者数、死亡率ともに急増しています>

 腎は血液を濾過して尿をつくる部分と尿を集めて膀胱に送る部分に分かれます(図1)。腎細胞がんは、尿を作る部分から発生するがんです。尿を集める部分は腎盂(じんう)とよばれ、ここに発生するがんは腎盂がんです。診断技術の発達していない時代には腎細胞がんは、かなり進行してから、お腹の痛み、お腹のグリグリ、血尿などの症状を契機に発見されていましたが、最近は小さい腫瘍が無症状のうちに検診の超音波検査(腹部エコー、図2)などで偶然発見されることが多くなりました。近年、患者数、死亡率ともに急増しています(図)

shemaCTincidence

<治療は手術が基本です>

 この病気は手術以外の治療効果が低いため、手術治療が基本となります。手術ができない場合や手術で取り切れない場合には補助療法としてインターフェロンα、インターロイキン2などのサイトカインや分子標的薬(ソラフェニブ、スニチニブ、エベロリムス、テムシロリムス、アキシチニブなど)による治療を行います。骨転移に対して放射線治療や骨の破壊を抑制する薬(ビスフォスフォネート、デノスマブ)を使用することもあります。

<手術治療>

 がんを確実に体内から完全に摘出します。全摘(がんのある側の腎を全て摘除)と部分切除(がんの部分のみ摘除)があり、それぞれについて開腹と腹腔鏡のいずれかのアプローチで行います。通常、大きながんや周囲に浸潤している場合には開腹術、小さながん(直径7 cm以下)では腹腔鏡下手術となりますが、最終的にはがんの位置と大きさ、患者さんの全身状態などをもとに決定されます。また、腎から外側に突出した小さながん(直径4 cm以下)に対しては、腎部分切除術も行います。

 手術に先立ち、広島大学病院泌尿器科では高性能CT(コンピュータ断層撮影)装置を用いてあらかじめ、がんの位置、血管の走行を手術時の体位に合わせて立体的に再構築します。これによって、手術時のがんの位置や細かな血管の走行を仮想イメージとして得ることができるため、不用意な血管の損傷やがんを切り込むことなく、出血の少ない安全で確実な手術操作が可能となっています。下右図は実際の手術時の状態、下左図はCTをもとに構築した3D画像。

このページのコンテンツには、Adobe Flash Player の最新バージョンが必要です。

Adobe Flash Player を取得

このページのコンテンツには、Adobe Flash Player の最新バージョンが必要です。

Adobe Flash Player を取得

1) 腹腔鏡下腎摘除術: 1cm程度の穴(ポート)をお腹に3~4つあけて、炭酸ガスでお腹をふくらませ、内視鏡でお腹の中をモニターに映して、ものをつかむ道具(鉗子)やはさみを使って腎臓を摘出する手術です(下図)。腹腔鏡手術では開腹に比較して皮膚の切開創がきわめて小さくてすむため、開腹に比べて出血や痛みが少ないのが特徴です。広島大学病院では腎細胞がんの手術は、この術式が標準術式となっています。さらに最近では、小さな1つのポートから腎を取り出す単孔式手術を行っています。

forcepssurgerywound

 

2) 腎部分切除術:腎をすべて摘除するのではなく、がんの部分だけ、周囲に5 mm程度の正常周囲組織をつけて取り除きます。これによって腎機能の温存が可能になります。開腹による腎部分切除術か、腹腔鏡下腎部分切除術かは、がんの位置や大きさによって決定します。広島大学病院では4 cm以下のがんでは腹腔鏡下腎部分切除術が標準術式となっています。

3) 開腹術:お腹を切って腎臓の血管を処理してから、腎臓の周囲を剥離する手術です。大きな腫瘍や進行している場合に適応になります。下大静脈や心臓にまで達する大きな腫瘍塞栓を形成した進行がんに対しては、体外循環を用いて一時的に心臓を停止させ、がんを取り除く拡大手術を心臓血管外科と共同して行っています。広島大学病院泌尿器科ではあらゆる腎細胞がんに対する治療が可能です。

<手術以外の方法>

1.腎動脈塞栓術:
 何らかの理由で手術ができない場合にはがんを栄養する動脈を遮断して壊死(死滅)させる方法です。

2.薬物療法
1) サイトカイン治療:
 術後の再発、手術不能例、転移のある腎細胞がんに対してインターフェロンα(IFN-α)やインターロイキン?2(IL-2)を用いて治療する方法です。効果は約15%程度です。

2) 分子標的薬:
 術後の再発、手術不能例、転移のある腎細胞がんに対する最新の治療法です。内服薬または点滴のため外来での治療が可能です。我が国では2008年4月からソラフェニブ、2008年6月からスニチニブ、が使用可能となりました。さらに最近はエベロリムス、テムシロリムス、アキシチニブが使用可能となっています。サイトカイン治療抵抗性の患者さんでも腫瘍縮小効果や生存期間延長効果が得られるため、きわめて期待度の高い治療法です。

3) 抗がん剤:
 一般的抗がん剤は効果がないため使用しません。

 

膀胱がん

<血尿で発見されることの多いがんです>

 膀胱がんの多くは無症候性血尿(痛みなどの自覚症状がなく、血の色をした尿が出る、あるいは人間ドッグなどで尿潜血を指摘される)を契機に発見されます。

 

<早期では内視鏡手術が可能です>

 治療法は、がんが膀胱壁にどの程度深く浸潤しているかで異なります。根の浅いがんで筋層まで達していなければ(筋層非浸潤性または表在性)内視鏡手術による治療が可能です。
 一方、筋層を含めてがんがそれより深く浸潤している場合(筋層浸潤がん)には、膀胱をすべて取り除かなければなりません(膀胱全摘術)。その場合、膀胱がなくなりますので、尿を体外に出す手術(尿路変向術)を同時に行う必要があります。
 がんが膀胱壁を超えて外に浸潤している場合には放射線治療や抗がん剤が用いられます。さらに進んで転移を伴う場合は抗がん剤による治療が主体となります。
 膀胱がんの浸潤度は膀胱ファイバーでみたがんの形態(下図)やCT、MRI検査などで判断されます。

endoscope

<治療法>

1.手術
1) 経尿道的切除術(TUR-BT):
 尿道から内視鏡を挿入し、がんを切除する方法です。がん細胞が筋層に浸潤していない根が浅い膀胱がんに対して行われます。この方法は、膀胱を取り除く必要がないため手術後も通常の排尿が可能です。ただし、内視鏡的切除は再発が多いという欠点があります。このため、術後も膀胱ファイバーを用いた定期的経過観察が必要です。そうすることで、たとえ再発しても早期に発見できるため、再び経尿道的切除でがんを取り除くことができます。再発の頻度が高い患者さんには抗がん剤を膀胱内に注入する場合もあります。

このページのコンテンツには、Adobe Flash Player の最新バージョンが必要です。

Adobe Flash Player を取得


2) 膀胱全摘除術:
 筋層に浸潤したがんに行われる根治手術です。膀胱を摘除するので、尿路変向術(新しく尿を体の外に出す手術)が必要です。

 

 

 

尿路変向について

 膀胱全摘が行われた場合、尿を体外に出す必要があり、これを尿路変向と言います。お腹に尿を出す口(ストーマ)を作って、ここから出る尿をためる袋をお腹につける失禁型と、腸を使って膀胱の代わりになる袋状のものを造り、尿道につなげる禁制型があります。
 失禁型には回腸導管、禁制型には自然排尿型新膀胱、などがあります。回腸導管はお腹に袋をつけて、尿がたまれば袋の下についている栓をゆるめてトイレに捨てます。尿を捨てる、袋を定期的に交換するなどのわずらわしさはありますが、発熱など術後のトラブルが少ない利点があります。
 一方の禁制型は、見た目はよいのですが、力まないと排尿ができない、発熱を生じやすいなどのトラブルが失禁型よりも多いという欠点があります。どのような尿路変更を行うかについては年齢や全身状態、病変の部位などから総合的に判断しています。

conduitV-CUGIVU

3) 膀胱部分切除術:
 膀胱全摘除術が必要な浸潤がんではあるが、場所が1カ所に限局している場合に、がんの部分だけを開腹で切除する方法です。部分切除ですませて膀胱を残せば尿路変向が必要ないからです。ただしこの方法は再発率が高いため、一般的には行われません。限られた患者さんにのみ適応となります。

2.放射線療法
 がんが膀胱壁外に出ているため手術で膀胱を摘除してもがんが残ってしまうと考えられる場合、何らかの理由(全身状態や患者さんの希望)で膀胱全摘ができない場合などに施行されます。放射線療法に化学療法(抗がん剤治療)を併用する場合もあります。

3.薬物療法
1) 膀胱内注入療法:
 表在がんに対して薬剤を膀胱内に注入して治療する方法です。代表的な薬剤はBCG(弱毒結核菌)で、効果は70?80%にありますが副作用に注意が必要です。

2) 抗がん化学療法:
 浸潤がんに対して、術前・術後の補助療法として使用する抗がん剤治療です。放射線療法と併用することもあります。転移を有する手術不能がんには、全身投与(点滴の治療)を行います。吐き気や食欲不振、脱毛、白血球減少、貧血、などの副作用がありますが、最近の新しいGC療法(ジェムザール+シスプラチン)では副作用は格段に軽減しています。

 

前立腺がん

 

 

 

<急カーブで増えています>

 近年の高齢化社会への突入や生活スタイルの欧米化、診断技術の向上などによって前立腺がんの患者数は急カープを描いて増えており、それに伴って死亡率も急激な伸びを示しています(下図)。私たちの身近な広島県に於いても例外ではありません(下図)。このままのペースで増え続ければ、前立腺がん患者数は2020年には肺がんに次いで第2位になると専門家は予想しています(下図)。

 deathincidence

perspective

 

 

 

 

<前立腺がんの症状>

 前立腺は、膀胱の出口にあって膀胱とともに排尿を調節し、精液の一部である前立腺液を分泌します。前立腺液は精子の運動や保護に作用するのです。下図は前立腺がんの進行具合と症状を示したものです。病期A、Bは、がんが前立腺の中にとどまっている状態です。この段階であれば根治治療つまりがんを根本から完全に治す治療が可能で、症状はありません。病期Cのようにがんが前立腺から外に出て周りに浸潤する段階になって初めて排尿がおかしいことに気づきます。さらに進んでDのように骨に転移すると、腰の痛みが現れます(前立腺がんは骨に転移しやすい特性を持っています)。これは症状が出てから発見されたのでは根治が得られないことを意味しています。

symptom

<前立腺がんの診断>

 ではどうやって早期に発見するのでしょうか?それが、最近よく耳にするPSA検査です。血液検査(採血)によって血液中のPSAと呼ばれるタンパクを測定するのです。
 PSAとはprostate-specific antigen(前立腺特異的抗原)の略で、前立腺の分泌する前立腺液に含まれるタンパクです。PSAは射精された精液をさらさらにして膣内を精子が進みやすくする働きをしていると考えられています。通常、PSAタンパクは血液中にもごくわずかに漏れ出るのですが、がんでは漏れる量が多くなります。その差を捉えてがんの診断に利用します。

psatestbiopsy
 ただ、PSA値が高いからといってがんとは限りません。前立腺肥大症や前立腺炎などでも異常値を示すことがあります。つまりPSA値が高い=がんではなく、PSA値だけで前立腺がんの確定はできません。また、前立腺がんは初期の場合、画像検査(CT, MRI, 超音波=エコーなど)では検出できません。したがって、PSAが異常値の場合には精密検査すなわち前立腺針生検が必要です。
 肛門内に超音波端子を入れ、テレビモニターに前立腺を映し、肛門または会陰部(肛門と陰嚢の間)から針を刺します。針の中は内腔があり、この中に糸状の組織が吸い取れます。それを顕微鏡で観察し、がんが含まれているかを確認するのです。
 図は広島大学病院における前立腺がんの進行度別患者数の年次推移です。棒グラフの前からA,B,C,Dの順番になっています。最近、PSA検査を受ける男性が増えており、それとともに病期Bと呼ばれる早期の前立腺がんが増えています。このように前立腺がんは、PSA検査によって早い段階で発見できます。

incidence

 

<前立腺がんの治療>

 前立腺がんの治療は手術、放射線、ホルモンの3つが3本柱です。命をおびやかす程ではないがんの場合には無治療で経過を見る(積極的経過観察といいます)こともあります。どの治療法を選択するかは年齢、病期、がんの悪性度、全身状態、治療期間、排尿状態、社会的要因、患者さんの希望などによって異なります。

1.手術治療
 手術は、前立腺と精嚢を取り除いて膀胱と尿道をつなぐものです。一般に前立腺に限局しているがんが治療の適応となります。

開腹手術:下腹を切って恥骨の後ろから前立腺に到達する恥骨後式手術と、肛門の前の部分(会陰)を小さく切って行う会陰式手術があります。

腹腔鏡手術:恥骨後式手術を内視鏡で行うものです。下腹部に穴をあけて、内視鏡や手術器具を入れ、テレビモニターに映し出された映像を観察しながら複数の医師が行います。最近はこの手術はロボットで行われています。

 

 

 

approachforcepslrp

 

2.放射線治療
 手術と同様、前立腺に限局しているがんや手術後に局所再発が疑われる場合が治療の適応となります。内分泌療法と併用する場合もあります。体外から照射する外照射と、体内に小線源を埋め込む内照射=小線源治療があります。

 

 

 外照射としては高精度な最新の強度変調放射線治療(IMRT)を行っています。これは前立腺にあてるビームの強さを場所によって変える(強度変調)照射法です(下図)。前立腺がんは前立腺の辺縁部にできるため中心部よりも辺縁部に強い放射線を当てる方が効率がよいのです。また、前立腺の中心部には尿道があり、ここに強い放射線を当てると尿意切迫感(トイレに行きたくてたまらない感じ)などの膀胱刺激症状がでてくるからです。

IMRT
 小線源療法は、放射線物質を入れた長さ5ミリ、太さ0.8ミリのチタニウム製カプセル(下図)を脊椎麻酔下に前立腺内に数十個埋める方法です。早期がんでは手術に匹敵する治療効果がある優れた方法です。手術時間は1?2時間で、短期間の入院(3?4日)のため社会復帰が早いという利点があります。

3.内分泌療法
 前立腺は男性の生殖器であり、その発生、成長、機能すべてにおいて男性ホルモンが必要です。男性ホルモンがないと前立腺は萎縮して小さくなり機能しません。これを男性ホルモン依存性といいます。そこにできる前立腺がんも男性ホルモン依存性の特性を保持しているため、男性ホルモンを遮断することで、がん細胞は増殖が停止します。これが内分泌療法(ホルモン治療)です。
 男性では、男性ホルモンの大部分は精巣がつくっているため、精巣の機能を押さえることが治療の基本となります。
1) 去勢術(両側精巣摘除術):
以前はこれが基本療法でした。最近では注射剤が普及し、施行されるケースは少なくなっています。

2) LH-RHアナログ:
皮下注射で去勢術と同じ効果が得られる注射です。 1ヶ月に1回と3ヶ月に1回の注射があります。

3) 抗アンドロゲン剤:
男性ホルモンが前立腺がん細胞の男性ホルモン受容体(男性ホルモンの受け取り口)に入り込むのを阻害する薬剤です。

4) アンドロゲン完全遮断療法:
実際には、精巣以外に副腎からも少量の男性ホルモンが産生されており、これががん細胞を活性化させることがあります。そこでLH-RH アナログと抗アンドロゲン剤を併用することによって、完全に男性ホルモンを遮断する方法が考案されました。実際の臨床では最も広く行われています。

5) 合成エストロゲン(女性ホルモン)剤:
男性ホルモン産生抑制だけでなく、がん細胞に対する直接作用もあり、古くから使用されてきましたが、血栓症などの副作用に注意が必要です。

6) 副腎ステロイド剤:
通常の内分泌療法とは機序の異なる治療法です。

4.待機療法
 悪性度の低いがん、がんの量が少なく命を脅かす程のがんでない場合にはPSAを測定しながら無治療で経過観察を行い、必要になった時(これ以上待てば命に関わる状態になれば)根治療法に切り替えるという方法(積極的待機療法)です。
 がんの程度に関わらず無治療とし、転移や痛みなどの症状が出現してから内分泌治療を行うという治療法を指すこともあります。

5.抗がん化学療法
 内分泌療法に反応しない場合に施行されます。これまでは有効な抗がん剤が存在しませんでしたが、生存率改善効果のある薬剤ドセタキセルが使用できるようになりました。


腎盂・尿管がん

 

<生物学的に膀胱がんと似た特性を持っています>

 腎臓でできた尿を集め膀胱に送る部分をそれぞれ腎盂、尿管と呼びます。そこに出来るがんが腎盂がん、尿管がんです。
 治療は患側の腎臓と尿管の全てと膀胱の一部を摘除する腎尿管全摘除術が標準です。これは、尿管を残すと、術後、残った尿管に高率に再発を来すためです。当科では、腎臓と尿管を腹腔鏡下手術(後腹膜アプローチ)で出来る限り尿管末端まで遊離した後、下腹を小さく切開して腎と尿管を取り出す手術(腹腔鏡補助下腎尿管全摘除術)を行っています。他のがんにおける腹腔鏡手術と同様に痛みや出血が少なく、術後回復が早いためです。広島大学病院泌尿器科では、これまでに180例以上の腎盂尿管がんに対して腹腔鏡補助下腎尿管全摘除術を行い、良好な成績をおさめています。

 なお、最近では比較的進行した腎盂・尿管がんでは積極的にリンパ節を摘除しています。また、術前・術後の補助化学療法や進行した症例に対する化学療法や放射線療法は膀胱がんに準じて行っていま す。

schemaforcepssurgery

  

精巣がん

<痛みのない精巣腫大(睾丸の腫れ)で発見されます>

 精巣にできるがんで、頻度は少ないですが若い人に多いのが特徴です(20~40歳代がピークです)。抗がん化学療法が有効な病気であり、転移を有する進行がんでも治癒可能な場合が少なくありません。
 一方、化学療法では救済が困難な難治性進行性精巣がんが少数存在します。

 

前立腺肥大症

 

<40歳以上の男性に排尿トラブルを引き起こします>  前立腺は、膀胱の出口に尿道を取り囲むように存在する栗の実くらいの臓器です。精液の一部を作って精子の保護に関与するとともに、膀胱と協調して排尿を調節しています。

shema

前立腺が加齢とともに大きくなって尿道を圧迫したり、弾力性が失われて尿道の開きがわるくなると排尿トラブルが発生します。これを前立腺肥大症といいます。下図は腹部超音波と内視鏡でみる前立腺の肥大です。

us-imageus

fiber

 

<症状>

 尿勢低下、排尿に時間がかかる、残尿感、尿意切迫感(尿意をもよおすと我慢が出来ない)、夜間頻尿、排尿後に尿が少し漏れるなどが主な症状です。

<治療>

 症状、前立腺の大きさ、残尿量、困窮度、患者様のご希望などを考慮して治療法を決定しています。

1.薬物治療
 軽度~中等度の症状の方には、まず薬物療法を行います。現在の薬物療法の中心はα1ブロッカーと呼ばれる薬剤です。前立腺が尿道を圧迫する機序として、大きくなった前立腺そのものによる物理的圧迫と、前立腺の筋肉が緊張することによる圧迫があり、α1ブロッカーは前立腺の筋肉の緊張をほぐすことによって圧迫を弱めます。大きくなった前立腺を小さくする作用はありませんが、現在最も有効な薬剤です。その他には抗男性ホルモン薬や抗コリン薬、植物製剤、漢方薬などがあります。

a-blockeranti-cholin

 

 

 

 

2.手術療法
 高度以上の症状の方(重篤な排尿困難や切迫性尿失禁、頻尿)や残尿が多い方、あるいは尿が全く出なくなった方(尿閉といいます)には、手術をお勧めしています。前立腺肥大症の手術は、前立腺全てを摘出するのではなく、大きくなった内腺を削り取ったり、取り除くものです。
 現在の主流は「経尿道的前立腺切除術」といって、お腹を切らずに尿道から内視鏡を入れて、その先についた電気メスで内腺を削り取る方法です。麻酔は腰椎麻酔という下半身麻酔で行います。非常に大きな前立腺の場合は、臍から下を数センチ切って内腺を取り除く方法も行っています。最近では、出血の少ない経尿道的前立腺核出術も行われています。

副腎腫瘍

 

 

 

<副腎は大切なホルモンを分泌しています>

 副腎は腎臓の上方内側に位置する小さな臓器です。この臓器は外側の皮質と内側の髄質から構成され、皮質はさらに球状帯、束状帯、網状帯と呼ばれる3層に分かれます。球状帯、束状帯、網状帯ならびに髄質はそれぞれミネラルコルチコイド、グルココルチコイド、性ステロイド、カテコールアミンと呼ばれるホルモンを産生しており、それらは体内の電解質、血糖、血圧のバランス維持などに重要な役割を果たしています。

<ホルモンを過剰に産生する腫瘍やがんの疑いがある場合は手術を行います>

 副腎に腫瘍が発生すると、上記のホルモンを過剰に産生し、電解質、血糖、血圧のバランスがくずれることがあります。このような病気は原発性アルドステロン症、クッシング症候群、副腎アンドロゲン産生腫瘍、褐色細胞腫と呼ばれています(図)。これに対して、根治治療(腫瘍を取り除き根本的に治す)として副腎摘除術を行います。また、ホルモンを産生していない腫瘍でも、一定以上の大きさになった場合は悪性腫瘍(がん)の可能性があるため手術の適応となります。

anatomy

<手術(副腎摘除術)では痛みが少なく術後回復の速い腹腔鏡下手術が一般的になっています>

 手術の方法には、(A)開腹術と(B)腹腔鏡を使った手術があります。(A)は腹腔鏡手術が登場する前に広く行われていた方法ですが、傷が大きい(したがって痛みが強い)、出血量が多い、術後の回復が遅いという欠点があります。現在では大きい褐色細胞腫やがんなどが適応になります。
 これに対して、最近ではお腹に3?4ヶ所の小さな穴(図)を開けてここから腹腔鏡と鉗子(物をつかんだり切ったりする器具)を使って副腎を摘除する方法が一般的になっています。これは痛みが少なく、術後の回復も速い体にやさしい優れた方法です。 広島大学病院泌尿器科では1993年からこの術式を取り入れており、これまでに150例(2011年12月末現在)の手術を行っています。さらに最近では、小さな1つの穴(ポート)から腎を取り出す単孔式手術を行っています。

approachforceps

尿路結石症

<自然排石が期待しにくい場合に手術になります>

 腎臓(正確には腎盂や腎杯)にある結石を腎結石、尿管に移動した場合は尿管結石、膀胱にある場合を膀胱結石といいます。治療としては、小さな結石では薬剤を補助的に使用して自然排石を期待しますが、自然排石が期待しにくい場合には手術的な破砕や摘出を行います。

手術療法
①体外衝撃波結石破砕術(ESWL):
 体外から衝撃波を結石に当てて結石を破砕し、その破砕片が体外に排出されるのを待つという方法です。切ったり、穴を開けたり、内視鏡を使用したりしないため、非常に体に優しい手術です。基本的に無麻酔で行っています。

②経尿道的結石破砕術(TUL):
 尿管鏡という細い内視鏡を尿管の中に入れ、レーザーや小型削岩機にて結石を壊し摘出します。麻酔が必要で入院治療が必要になります。

③経皮的腎結石破砕術(PNL):
 腎臓に充満した結石(さんご状結石)など体積の大きな結石に対して行われます。背中から腎に皮膚を通して内視鏡を入れ、レーザーや小型削岩機にて結石を壊し摘出します。麻酔が必要で入院治療が必要になります。

④腎切石術・尿管切石術:
 お腹を切り、尿管や腎盂や腎を切開して結石を摘出しますが、現在ではほとんど行われません。ESWL、TUL、PNLなどの治療を行っても治療が困難な結石が対象になります。近年では、腹腔鏡手術による尿管切石術も可能です。

⑤経尿道的膀胱結石破砕術:
膀胱結石に対して、尿道から内視鏡を入れ、小型削岩機にて結石を壊し摘出します。

  

腎盂尿管移行部狭搾

<腎盂尿管移行部狭搾とは>

 左右の腎臓で作られた尿は、腎盂から尿管を経て膀胱へ送られます。しかし、何らかの原因(先天的・後天的)で、この輸送が悪くなり特に腎盂から尿管へ移行する部分での尿の輸送が障害され、腎盂が拡張した状態を腎盂尿管移行部狭窄症といいます。

<症状>

 症状には側腹部痛などが見られ、画像所見では水腎所見(腎盂の腫れ)が見られます。将来的には腎機能が低下する可能性があります。この狭窄部分は保存的な治療法では改善が見込めないため、手術が治療法の選択肢となります。手術の目標は腎盂尿管移行部の狭窄部の解除にあります。

<治療法>

 根本的な治療の方法には、従来行われている(A)開腹術、(B)内視鏡を使った手術(経皮的・経尿道的腎盂尿管移行部手術)や最近では(C)腹腔鏡を使った手術があります。
(A)開腹術
 最も古くから行われている治療法で、一般に成功率は80?90%程度といわれています。しかし、腹部に大きな切開創が必要で、手術の侵襲度は最も大きくなります。

(B)内視鏡を使った手術
 侵襲の少ない治療法としての位置付けがされていますが、その反面成功率はやや劣り、60?70%程度で術後長期間のステントの留置が必要となったり、再手術の率も比較的高いの現状です。

(C)腹腔鏡を使った手術
 少ない侵襲で(A)と同じ方法を腹腔鏡で行います。具体的には側腹部から3?5箇所程度の穴をあけて、お腹の中で手術を行います。狭窄部位は必要に応じて切除し、腎盂と尿管を縫合する操作を行います。当科では1990年以降腎盂尿管移行部狭窄症の50例に腹腔鏡下腎盂形成術を行い、その改善率は95%以上です。さらに最近では、小さな1つのポートから腎を取り出す単孔式手術を行っています。

  

骨盤臓器脱

 

 

<高齢女性に多い疾患で、めずらしい病気ではありません>

 骨盤臓器脱とは骨盤内臓器 (子宮、膀胱、直腸、小腸、膣断端など)を支える支持組織 (靭帯や筋膜、筋肉)が損傷したりもろくなったりして (脆弱化)、膣から骨盤内臓器が出てくることの総称です。骨盤部のヘルニアと考えられています。膣から出てくる臓器により、子宮脱や膀胱りゅう、直腸りゅうなどと呼ばれます。出産を経験した高齢女性に多い疾患で、決してめずらしい疾患ではありません。

1. 症状
 症状には、股に何かを触れるたりおなかの中身が下へ引っ張られるような不快感、排尿困難、排尿や排便後にスッキリしない感じなどあります。症状は起床直後や横になっている時は軽度ですが、夕方や夜になると悪化し、また、横になると軽減、消失することが特徴です。

2. 最新のメッシュを用いた手術方法 (TVM手術)について
 根治的治療には手術しかありません。従来では、子宮を摘除し、損傷したりもろくなったりした支持組織を縫縮して、膀胱や直腸を骨盤内へと押し戻していましたが、子宮を摘除することや、再発率が高いことが問題となっていました。近年では、メッシュと呼ばれる編み目状の人工の膜を用いるTVM手術がわが国でも泌尿器科を中心に施行され始めております。
 従来手術と比べて、子宮を温存可能、再発率が少ない、入院期間が短いなど多くのメリットがあり、今後、骨盤臓器脱に対する手術の主流になっていくと期待されています。(TVM-A手術(右)およびTVM-P手術 (左)。大きなメッシュ(青色)が膀胱、子宮、直腸をハンモックのように優しく包み込み、膣外へ脱出しないように作用します。当科では広島県内ではいち早く導入し、その手術数は広島県内トップクラスです。

pro

tape

過活動膀胱

<新しい概念の病気です>

 過活動膀胱は「尿意切迫感を必須とした症状症候群であり、通常、頻尿、夜間頻尿を伴い、切迫性尿失禁は必須ではない」という定義の、新しい概念の病気です。尿意切迫感とは「急に起こる、抑えられないような強い尿意で、我慢することが困難なもの」のことであり、通常の強い尿意とは異なり、排尿をがまんする余裕さえないような感覚のことです。
 切迫性尿失禁の有無は必須でなく、尿意切迫感があれば過活動膀胱ということになります。しかし、膀胱がんや前立腺がん、膀胱結石、膀胱炎や子宮の炎症などを除外する必要があります。
 過活動膀胱の有病率は高く、加齢とともに増加します。日本排尿機能学会の疫学調査によると、過活動膀胱の有病率は12.4%で、2002年の日本人口から換算すると、40歳以上の日本人における過活動膀胱の有病者数は810万人と推定されています。
 過活動膀胱により生命に危険がさらされることはありませんが、過活動膀胱は仕事において支障があったり、掃除・買物などの日常の家事、スポーツ、旅行に行ったりなどの身体的活動や社会的活動に影響します。また、対人関係にも支障をきたし、気分が落ち込んだり、ゆううつになったり、精神面への影響も少なくありません。
 このように、過活動膀胱は生活の質 (QOL)には大きな影響を与えます。治療は、過剰な水分摂取を控えるなどの生活指導や、排尿をがまんして少しずつ排尿間隔を伸ばしていく膀胱訓練などの行動療法がまず選択されます。効果が乏しい場合は、薬物療法が選択されます。近年は、有効で合併症の少ないソリフェナシン、デトルシトール、イミダフェナシン、オキシブチニンなどの薬があり、有効な治療成績が報告されております。
 しかし、過活動膀胱を有する患者様の医療機関への受診率は低く、特に女性の低さが目立ち、排尿障害に関する社会への啓蒙がわが国では不足していることが考えられます。

 

腹圧性尿失禁

<中高年以降の女性に高い頻度に認められる尿もれです>

 腹圧性尿失禁とは、せき、くしゃみや重いものを持った時などおなかに力がかかる時に起こる尿失禁のことで、中高年以降の女性に高い頻度に認められる尿もれのことです。
 正常な場合は腹圧時に膀胱が後下方に引かれ、尿道は恥骨尿道靱帯によって固定されるため、尿道が折れ曲がって尿失禁が防止されます。この尿道を支える靱帯や筋肉が分娩や加齢、骨盤内手術などにより弱くなると尿道がうまく折れ曲がらなくなり、腹圧性尿失禁をきたします。
 治療には、弱くなった骨盤底筋を鍛える骨盤底筋訓練や膀胱訓練、生活指導、薬物療法があります。しかし、これらの効果が乏しい場合、中等度以上の腹圧性尿失禁の場合は、手術療法をお勧めしています。今までは、外来で施行可能なコラーゲン注入療法や、メッシュでできたテープを尿道周囲に置き、おなかに力がかかった時にテープが尿道を支えることで尿失禁を防止する手術(TVT手術)があり、患者様のご希望、尿失禁の程度にあわせて術式を選択していました。近年、腹圧性尿失禁に対する手術は海外ではより安全に行なうことができるTOT手術が主流となっております。当科ではTOT手術を広島県内でいち早く導入、施行しております。

 

男性不妊症

<不妊症の原因のおよそ半数は男性側にあるといわれています>

 不妊症は避妊処置を行わない状態を1年間(12ヶ月)続けても妊娠とそれに続く出産のない状態をいい(WHO定義)、不妊症のおよそ半数は男性側にあるといわれています。男性不妊の90%は精巣に原因のある造精機能障害ですが、その他に、精路通過障害(5%)、副性器機能障害(2%)、性機能障害(3%)があります。そのうち精液中に精子が全くみられない状態を無精子症といいます。
 近年、顕微鏡を用いた精巣内採精術により過去には妊娠が不可能と言われた無精子症のカップルにも挙児を得る機会が期待できるようになりました。

 

加齢男性性腺機能低下症候群(男性更年期)

<加齢に伴い体内の男性ホルモン(アンドロゲン)の低下によって引き起こされます>

 加齢に伴い体内の男性ホルモン(アンドロゲン)の低下によって引き起こされる病態で、国際的には「加齢によるアンドロゲンの低下に伴う症状を呈する状態」と定義されます。大きく精神症状(知的活動・認知力・見当識の低下や疲労感、抑うつなどを伴う気分変調)、身体症状(間接や筋肉の痛み、発汗、火照りなど)、性機能障害(性欲、勃起力の低下など)が出現します。
 診断は血中の遊離テストステロンを測定し、問診により診断をします。男性ホルモン低下による症状出現が疑われる場合には、症状の緩和を目標にカウンセリングや男性ホルモンの補充療法を行います。本邦では、注射剤による治療法が主ですが、テストステロン軟膏による補充も可能です。

 

尿路感染症

<尿路感染症とは>

 尿路感染症とは主として細菌が尿道から侵入することにより、尿道、膀胱あるいは腎といった臓器に感染がおきた状態です。感染した部位によって、『腎盂腎炎』『膀胱炎』『尿道炎』に分類されます。
 急性膀胱炎は、性的活動期にある女性が多くかかります。女性は肛門と外尿道口(尿の出口)が男性より近くにあるため、肛門からの細菌が尿道に侵入しやすいのです。急性膀胱炎をひき起こす細菌の中で、もっとも割合が高いのは大腸菌です。また急性膀胱炎は閉経後の女性にも比較的多くみられます。これは女性ホルモンの減少により、膣の環境が変化し、細菌が繁殖しやすくなるためと考えられています。

<症状>

 膀胱炎にかかると排尿の時に痛みがでたり、下腹部に痛みを感じたり、普段よりトイレが近くなります。時に尿に濁りや血尿がでたりすることもあります。これらの症状に発熱を伴う場合には、細菌が膀胱から腎盂にまで達して『腎盂腎炎』になっている可能性があります。

<治療>

 急性膀胱炎の治療は抗生物質の服用が原則です。薬の種類によって、3日間程度服用すれば十分なものもありますし、7日間程度服用するのもあります。どの抗生物質にするかは、薬物アレルギーや妊娠の有無によって判断しますので、担当医とよく相談して下さい。治療中は薬の服用期間を守ることや、性交渉を控えることが大切です。膀胱内の菌を早く排出させるために、水分はいつもより多めにとった方がよいです。急性膀胱炎をくり返す場合や、通常の抗生物質でなおらない場合には、膀胱炎以外の病気(たとえば、尿路結石、膀胱腫瘍、産婦人科の病気など)が隠れていることがありますので、詳しい検査が必要になります。本当に膀胱炎がなおったかどうかは、症状の改善と尿の検査によって判定します。一度だけの受診で済ませず、薬の服用が終わった後にもう一度診察を受けることが大切です。

 

性感染症

<オーラルセックスでも感染します>

 性感染症とは、性行為によって感染する病気のことです。オーラルセックスでも、同じように感染します。現在、もっとも多くみられるのは、クラミジア・トラコマティスと淋菌による感染症です。
 クラミジア・トラコマティスや淋菌が男性の尿道に感染すると、『尿道炎』とよばれる状態になります。クラミジア・トラコマティスによる尿道炎は、軽い排尿時の痛みや透明な液が尿道口から出てくるなどの症状があります。淋菌による尿道炎は、強い排尿時の痛み、膿状の液が尿道口から出てくるなどの症状があります。実際には尿の検査で診断します。

<治療>

 クラミジア・トラコマティスと淋菌は同時に感染していることもあります。一つずつ治療しますので、薬を飲み終わった後も、きちんとなおったかどうか確認するために、再度、泌尿器科を受診することが大事です。また、薬は自分の判断でやめないで、決められた回数を確実に飲むようにしてください。セックスパートナーがいれば、婦人科を受診するように勧めてください。どちらか一方だけを治療しても、お互いにうつしあうことが考えられるからです。

<性感染症の問題点>

 性感染症の問題点は、女性では不妊症、早産、流産、男性でも不妊症などに至る可能性があることです。また、エイズは性感染症で感染しますが、今まで説明したような感染症に既にかかっている場合には、エイズにかかりやすくなるのではないかという報告もあります。重症化すると、男性でも、入院が必要となるような『精巣上体炎』などに進行することがあります。

<予防>

 予防には、コンドームの正しい使用が有効です。性感染症は、決して特殊な人の病気ではなく、誰でもかかる可能性がある病気です。

 

性機能障害

 勃起障害、性欲低下障害、性嫌悪障害、早漏、腟内射精障害などの病態があります。これらの病態に応じたカウンセリングや治療を行っています。

間質性膀胱炎

<頻尿および膀胱痛を特徴とする原因不明の慢性有痛性膀胱疾患です>

 間質性膀胱炎とは、頻尿および膀胱痛を特徴とする原因不明の慢性有痛性膀胱疾患のことです。頻尿、尿意切迫感、強い尿意、排尿困難や膀胱充満時に増強する下腹部、膀胱、膣、会陰など骨盤の慢性疼痛が主症状です。膀胱症状以外にも精神疾患や全身疾患の合併症が多く、診断は困難で、症状出現から間質性膀胱炎と診断されるまでに数年以上を要することが多いのが現状です。

<診断>

 間質性膀胱炎の診断には、1987年NIDDKクライテリアが使用されていましたが、現在では日本間質性膀胱炎研究会により間質性膀胱炎診療ガイドラインが作成されています。

<治療>

 治療には、診断的意義を含め治療効果がもっとも確実な膀胱水圧拡張術を、まず行なうことが薦められています。しかし、水圧拡張術は先進医療と認定されているため、認定された医療施設でしか治療できません。広島大学泌尿器科は認定施設であり、いままで60例以上の症例を治療してきました。また、早期診断や治療に有益と考えられる外来で行なう膀胱水圧拡張や間質性膀胱炎の尿中マーカーに対する研究も、わが国においていち早く取り組んでおり、良好な成績を上げています。その他、膀胱内にDMSOという薬剤を膀胱内に注入して、症状を緩和させる治療も行なっています。