ロボット前立腺手術の見学サイトに指定されました

ロボット内視鏡手術を行うには認定施設での手術見学が必要です。広島大学病院は2013年に我が国で5番目の症例見学施設として認定されました。これまでに多数の泌尿器科医師、医療スタッフが見学に訪れています。

手術ロボットda Vinciによる内視鏡手術の特徴

人の手では不可能な微細な動きと手ぶれ防止機能、関節機能による極めて高い正確性と安全性がこれまでの腹腔鏡手術を変えました。

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           (Intuitive社 公式ビデオから引用)


 da Vinciによる内視鏡手術とは、執刀医の手先の動きを忠実に再現する装置(ロボット)を用いて行う手術です。カメラ、メス、鉗子(かんし;モノをつかんだり牽引したりする器具)を取り付ける4本のアームとコンソールボックスから構成され、執刀医がコンソールボックスで行う操作を手術台に設置したロボットアームが忠実に再現します(上記ビデオ参照)。

<ロボット手術は何が優れているのか >

1. 鮮明な立体画像

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                da Vinciのカメラ

 手術ロボットda Vinciのカメラは内筒に左右2本の高解像度レンズが組み込まれています。このため遠近感のある鮮明な画像が得られ、まるで患者さんの体内に直接、両目を入れてのぞく感覚です。しかも肉眼では見えない細かな神経や血管を10倍の拡大視野で観察できます。

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              通常の腹腔鏡のカメラ

 一方、通常の腹腔鏡は1本のレンズです。これは片方の目に眼帯をあてて手術をするようなものです。このため遠近感のない平面画像であり拡大機能もないため、da Vinciほどの鮮明さは得られません。

2. 鉗子やハサミの関節機能

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     da Vinciの鉗子(Intuitive社 公式ビデオから引用)

 手術ロボットda Vinciの鉗子やハサミには関節機能があります。このため鉗子やハサミの先端を自由に曲げることができます。これは人の手と全く同じ動きです。

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              通常の腹腔鏡鉗子

 一方、通常の腹腔鏡鉗子は回転はできても先端を曲げることはできません。これは手関節を曲げないように手関節に硬い腕輪をはめて手術をしているようなものです。

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        da Vinci              通常の腹腔鏡

 da Vinciの持つ遠近感のある鮮明な立体画像と関節機能がどんなに優れているかを理解するためda Vinciの手術と通常の腹腔鏡手術を比較しましょう。前立腺の前にある血管(静脈)に針糸を通して血管をしばる操作です。da Vinci手術では遠近感があるために針をつかみやすく、関節機能のお陰で結紮(しばる)操作がなめらかなのに対して、通常の腹腔鏡手術では遠近感がないため針をつかみにくく、関節機能がないため結紮操作がぎこちないのがわかります。また、da Vinci手術では鉗子先のブレがないのに対して通常の腹腔鏡手術ではブレているのがわかります。

3. タイムラグのない直感操作

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  コンソールボックスからの操作(Intuitive社 公式ビデオから引用)

 da Vinciの操作はすべて直感的に行えます。タイムラグもありません。これはまるで自分の両手が患者さんの体内に入って操作しているかのような感覚です。

4. 手ぶれ防止機能
 da Vinciには手ぶれ防止機能がついています。手の震えが吸収されて先端がぶれないため手元の狂いがありません。血管など重要な組織を手ぶれのために傷つける心配がないのです。執刀医が1ミリ切開すればアームは正確に1ミリ切開するため1ミリ以下の微細な切開もきわめて正確です。

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これは金沢大学循環器外科石川先生の作品です。
(http://www.youtube.com/watch?v=x9Bjs99A0k0&feature=player_detailpage)
先端がぶれず微細で正確な動きのため細かな作業ができることがわかります。

5. 優れた人間工学
 da Vinciは座って手足だけの操作で手術が可能です。このため術者の疲労が少なく、最後まで集中力を保つことができるため、より完全な手術につながります。

<ロボット手術はどの領域で行われているのか >

 ロボット手術は泌尿器科領域とくに前立腺がんの手術に多く用いられています。

prostate

前立腺は骨盤の一番奥深く狭い空間に位置し周囲には尿道括約筋(尿失禁を防ぐ筋肉)をはじめ勃起に必要な神経や血管が密集しているため周囲組織を傷つけず小出血で前立腺を摘出するのは至難の業です。このため開腹での前立腺全摘除は出血量が多く勃起神経を切れば勃起障害が、尿道括約筋を損傷すれば尿失禁は避けられません。ロボット手術は既述のように優れた機能を持つため、深いところでの糸結び、縫合が容易かつ確実で、縫合不全の予防や手術時間の短縮に大きく貢献します。ロボットは微細な手術操作を少ない出血量でこなすため小さい傷で痛みが少なく尿失禁や勃起障害などの合併症も軽減できるのです。
 このため米国ではすでに前立腺がん手術の80%以上はロボットで行われています。一方、我が国ではロボットがこれまで医療機器として認められていなかったことや高額(約3億円)のためほとんど行われていませんでしたが、2009年11月に医療機器として認可されました。広島大学病院では2010年3月に中四国地方で初めてダヴィンチS-HDを導入し、これまで前立腺全摘術395例、腎部分切除術28例、膀胱全摘術7例(2016年3月現在)を行っています。2014年および2015年の症例数全国ランキングはいずれも第4位(松原医師のロボット手術件数)でした。ロボットのすぐれた特性によって前立腺全摘除術では出血量が減り、断端陽性率も低く、きわめて良好な成績が得られています(手術時間1.5時間)。腎部分切除術では腎動脈の阻血時間が短縮し、腎機能を良好に保つことができるようになりました。また、膀胱全摘除術では出血が減り、痛みが少ないため、術後回復がきわめて早くなっています。

ロボット手術についてのお問い合わせは広島大学病院泌尿器科(082-257-5474 平日13:00〜17:00)にどうぞ。

ralp