学部学生、大学院生、研究生募集中!!

発生生物学に興味のある方を募集しています。

教員採用試験受験希望の方も大歓迎です。 中高生に向けの教育・社会貢献活動にも力を入れています。毎年、高校生や高校教員向けの講義や研修会、教材提供を行なっており、高校教員の先生方と研究室メンバーとの交流を図るようにしています。学生の方々には、これらの機会も双方向の学びの場として、今後の進路決定に活かして頂きたいと思います。当研究室では、大学・研究所・企業・教員・公務員等、進路を問わず各自の目標に向かって、一緒に楽しく取り組むことを目標としています。

今、なぜカエルの初期発生が、高校教育でもてはやされるのでしょうか? 

鈴木は、2〜3年前から、高校での講演や研修会を頻繁に依頼されるようになりました。一つの答えは、2013年からの新学習指導要領と高校教科書の改訂が挙げられます。 内容が高度化され、鈴木研究室で研究している中胚葉誘導や神経誘導のメカニズムが、教科書や資料集に登場するようになりました。 鈴木自身が大学院生の時に発見したBMP受容体が、2013年資料集の神経誘導のページに掲載されていることに驚きます(これまで10年以上にわたり、有名な発生学の教科書には掲載されていましたが、高校生が自分の発見を勉強して入学してくるとは予想していませんでした)。今の高校教員の先生方は、カエルの発生を遺伝子レベルで理解し、生徒に分かり易く伝える能力が必要とされているのです。
    
研究室のメンバーには、本研究室でのゼミ・研究・教育活動や高校教員の先生方との交流を通じて、是非、教育能力・知識の幅を広げていってほしいと願っています。大学・研究所での研究者を目指す方、企業を目指す方、教員や公務員を目指す方、進路を問わず幅広い知識を身につけ、周囲に説明できる能力を高めることは、必ず必要になります。是非、私たち研究室の学生達と一緒に楽しく研究・勉学に励んでみませんか?
    
当研究グループでは、細胞増殖因子や転写因子による形態形成の制御機構について分子レベルで研究をおこなっています。発生生物学の基礎を懇切丁寧にご指導しますので、興味のある方は、一度研究室に遊びに来てください。問い合わせ、相談、研究室訪問を歓迎します。これからは皆さん学生が発見した成果が教科書に載る番です!
    
   

[学生生活について]

(1.研究室)

博士課程前期(修士)1年目は、講義と研究室での研究、2年目は、講義がほとんど無く研究が中心の生活になります。セミナーは、発生を研究している菊池研究室との合同文献・リサーチセミナー、両生類研究施設内のリサーチセミナーなどがあります。学会は主に分子生物学会発生生物学会動物学会に参加しています。

また、高校での講演や研修会、教材提供を通じて、高校教員の先生方と研究室メンバーとの交流を図るようにしています。

(2.両生類研)

両生類研全体では、留学生を含めて10人以上の大学院生が在籍しています。学生の交流もさかんで、花見や飲み会なども時々しています。また、ソフトボール大会やバレーボール大会などもあり、学生を中心に希望者でチームを結成しています。

(3.東広島)

広島市内に比べれば田舎ですが、空気もキレイで爽快です。大学近くにアパート、大型スーパーマーケット、量販電気店、ホームセンターなどがあり、便利です。大学から広島市内に行く高速バス(大学生協で割引チケット購入可)、JR西条駅(在来線)とJR東広島(新幹線)へ行くバスもあります。広島空港へは広島市内から行くよりもはるかに近いです。JRバス時刻表はこちら

   

[研究環境]

カエルの飼育施設については、「さすが両生類研!」と言わせるものがあります。当研究室では、主実験室と同じフロアに飼育室があり、動物の持ち運びも容易です。初期胚への遺伝子導入用実験室細胞培養室主実験室、暗室、セミナー室、遠心機室などが学生控え室のすぐそばにあり、door to door感覚でアクセスできます。また、学内のDNA塩基配列決定サービスを利用することにより、DNAサンプルを持ち込むだけで塩基配列データを得ることができます。RI施設は5階建ての新棟が近くに建設され、こちらにも両生類研用実験スペースが確保されています。

両生類研の共通設備としては、DNAシークエンサー(塩基配列の決定)、ルミノメーター(遺伝子発現の定量)、グラジェントサーマルサイクラー(PCR)、蛍光実体顕微鏡、電子顕微鏡、自家発電設備(停電対策)などがあります。当研究室には、遺伝子導入装置細胞培養設備蛍光観察装置などがあり、日々設備の充実を図っています。また、Natureも購読もしており、研究室で最新号を読むことができます。 その他の主要雑誌は広島大学のオンライン購読が利用可能です。

学生の居室には、学習机が割り当てられます。ノート・ファイルケースなどの消耗品は研究室から支給されます。また、書籍に関しては、学生からのリクエストに応じて研究室の備品として購入することにしていますので、これらの専門書などを学生個人で購入する必要はありません。

   

[学生生活のサポート]

(1)奨学金

日本学生支援機構(旧日本育英会)の奨学金の貸与が受けられます。博士課程前期(修士)では約2−3割、後期課程ではほぼ全員の学生が貸与を受けています。また、平成16年度新規貸与者からは「優れた業績をあげた大学院学生に対する卒業時の返還免除制度」が適用され、業績次第で全額返済免除(全体の1割の学生)または部分返済免除(全体の2割の学生)を受けることが可能になりました。当研究室ではこの点を念頭において、研究指導をおこない、返済免除を受けられるようにサポートします。

(2)久村奨学金

鈴木は大学院在学時に帝人奨学会から奨学金をサポートしていただきました。奨学生OBには、毎年奨学生の推薦依頼が郵送されてきます。非常に手厚い奨学制度であり、企業へ就職した場合だけでなく、大学教員になった場合にも奨学金が免除されます。希望する学生には、選抜試験に必要な条件や経験をお伝えしてサポートします。

   

(3)特別研究員

日本学術振興会の特別研究員制度を利用すると、博士課程後期からの3年間、月額約20万円の給与が支給されます。応募書類作成などは大変な作業ですが、当研究室では特別研究員経験者がいますので、書類作成のコツなど様々なノウハウを伝えることが可能です。応募に適当な研究テーマを設定することはもとより、申請書の添削などをサポートします。

   


     
[大学院入試について]

博士課程前期(推薦入試
出願:6月中旬−下旬
試験:7月上旬
試験科目:口述
*学業成績の優(A)の割合が5割以上で、当研究室を第一志望とする方は推薦入試をご検討ください。推薦文が必要ですが、自己推薦文でも可能です。

博士課程前期
出願:8月上旬
試験:8月下旬
試験科目:筆記試験・口述

博士課程前期(二次募集)
出願:1月上旬
試験:1月下旬
試験科目:筆記試験・口述

博士課程後期
出願:1月下旬
試験:2月中旬
試験科目:修士論文発表および口述

大学院理学研究科(入試要項など)
 
 


[研究室の場所]

〒739-8526 広島県東広島市鏡山1-3-1
広島大学 両生類研究センター 大学院理学研究科併任
発生研究部門 准教授・鈴木 厚
TEL: 082-424-7103/FAX: 082-424-7104
E-mail: asuzuki

 *メールは@hiroshim a-u.ac.jpの前に上記の文字を入れてください。

       

[研究テーマ(現在の研究テーマの一部を記載しました)]

誘導因子に対する細胞の応答能(コンピテンス)の重要性

骨形成タンパク質の細胞内シグナルを抑制する遺伝子の単離と機能解析

BMPシグナルとWntシグナルの協調による神経パターン形成機構

組織・器官の再生機構

神経や中胚葉の誘導とパターニングの機構

     

[主な参考文献]

*Takebayashi-Suzuki, K. et al. Coordinated regulation of the dorsal-ventral and anterior-posterior patterning of Xenopus embryos by the BTB/POZ zinc finger protein. Development, Growth and Differentiation (2018), in press.

*Suzuki, A., Uno, Y., Takahashi, S., Grimwood, J., Schmutz, J., Mawaribuchi, S., Yoshida, H., Takebayashi-Suzuki, K., Ito, M., Matsuda, Y., Rokhsar, D., and Taira, M. "Genome organization of the vg1 and nodal3 gene clusters in the allotetraploid frog Xenopus laevis." Developmental Biology 426, 236-244 (2017b)
(*Corresponding author)
  

*Suzuki, A., Yoshida, H., van Heeringen, S.J., Takebayashi-Suzuki, K., Veenstra, G.J.C. and Taira, M. “Genomic organization and modulation of gene expression of the TGF-beta and FGF pathways in the allotetraploid frog Xenopus laevis.” Developmental Biology 426, 336-359 (2017a)
(*Corresponding author)

   

Session, A.M., Uno, Y., Kwon, T., Chapman, J., Toyoda, A., Takahashi, S., Fukui, A., Hikosaka, A, Suzuki, A., Kondo, M. et al. “Genome evolution in the allotetraploid frog Xenopus laevis.” Nature 538, 336-343 (2016)

   

Yoshida , H., Okada M., Takebayashi-Suzuki, K., Ueno, N., and Suzuki, A. (2016) “Involvement of JunB proto-oncogene in tail formation during early Xenopus embryogenesis.” Zoological Science 33, 282-289 (2016)
    

Igawa, T., Watanabe, A., Suzuki, A., Kashiwagi, A., Kashiwagi, K., Noble, A., Guille, M., Simpson D. E., Horb, M., Fujii, T. and Sumida, M. (2015) “Inbreeding ratio and genetic relationships among strains of the western clawed frog, Xenopus tropicalis.” PLoS ONE 10(7): e0133963
    

Katsu, K., Tokumori, D., Tatsumi, N., Suzuki, A. and Yokouchi, Y. (2012) “BMP inhibition by DAN in Hensen's node is a critical step for the establishment of left?right asymmetry in the chick embryo.” Developmental Biology 363, 15-26
   

Takebayashi-Suzuki, K., Kitayama, A., Terasaka-Iioka, C., Ueno, N. and Suzuki, A. (2011) “The forkhead transcription factor FoxB1 regulates the dorsal-ventral and anterior-posterior patterning of the ectoderm during early Xenopus embryogenesis“  Developmental Biology 360, 11-29 (2011)

   

Takebayashi-Suzuki K, Arita N, Murasaki E, Suzuki A. (2007) The Xenopus POU class V transcription factor XOct-25 inhibits ectodermal competence to respond to bone morphogenetic protein-mediated embryonic induction. Mechanisms of Development 124(11-12):840-855.
   

鈴木 厚、竹林ー鈴木 公子 (2005) 「TGF-βシグナルとp53の協調作用による細胞分化と増殖制御」 細胞工学 24(1), 20-23.

Takebayashi-Suzuki, K., Funami, J., Tokumori, D., Saito, A., Watabe, T., Miyazono, K., Kanda, A. and Suzuki, A. (2003). Interplay between the tumor suppressor p53 and TGF-beta signaling shapes embryonic body axes in Xenopus. Development, 130, 3929-3939.

鈴木 厚(2000) 「アフリカツメガエルE2F転写因子による体軸形成の制御」 細胞工学 19 (11), 1684-1691.

Suzuki A. and Hemmati-Brivanlou, A. (2000). Xenopus embryonic E2F is required for the formation of ventral and posterior cell fates during early embryogenesis.  Molecular Cell 5, 217-229.

Suzuki, A. et al. (1997). Xenopus msx1 mediates epidermal induction and neural inhibition by BMP4. Development 124, 3037-3044.

Suzuki, A. et al. (1997). Regulation of epidermal induction by BMP2 and BMP7 signaling. Developmental Biology 189, 112-122.

Suzuki, A. et al. (1997). Smad5 induces ventral fates in Xenopus embryo. Developmental Biology 184, 402-4055.

Suzuki, A. et al. (1994). A truncated bone morphogenetic protein receptor affects dorsal-ventral patterning in the early Xenopus embryo. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, 10255-10259.
 
 

[これまでの研究の流れ]

 動物の初期発生では、一個の受精卵が細胞分裂を繰り返し、それぞれの細胞が分化しながら体軸(頭尾、背腹、左右)に基づいて所定の位置に配置されていく。最近になって、これらの細胞の分裂、分化、移動に細胞増殖因子が重要な役割を担っていることが明らかにされた。とりわけ、TGF-βスーパーファミリーに属する細胞増殖因子は初期発生および器官形成過程で、幅広い生命現象に関わっている。鈴木 厚らは、初期胚での胚操作がしやすく歴史的に実験発生学の知見が豊富な両生類(アフリカツメガエル・ネッタイツメガエル)を用いて、TGF-βファミリーの初期発生過程における機能を解析し、動物の形態形成の分子機構の解明を試みている。まず最初に、TGF-βファミリーに属する骨形成タンパク質(BMP)が中胚葉の背腹軸に沿ったパターニング、および外胚葉における神経と表皮の分化において重要な役割を果たしていることを明らかにした。また、共同研究を通じて、マウスの原腸陥入期やニワトリの肢芽形成期においてBMPが必要であることを示した。BMPのシグナル伝達についてはBMP受容体遺伝子を初めて単離し(Suzuki, A. et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91, 10255-10259(1994))、細胞内シグナルによって直接発現が誘導される転写因子としてホメオボックス遺伝子Xmsx1を同定・機能解析をおこなった(Suzuki, A. et al. Development 124, 3037-3044 (1997)) 。

 その後、WntファミリーやTGF-βファミリーのシグナル伝達系の重要性とその伝達経路の概要が明らかになり、ゲノム解析が本格化するにつれて、新奇遺伝子の機能と既知の遺伝子の多様な生理機能の解明が重要な課題となってきている。このような状況から、海外留学中に発現クローニング法を用いた胚発生の制御因子の機能スクリーニングを開始した。発現クローニング法では、初期胚由来のcDNAを数百個単位で胚に導入・発現させて、その中からシグナル伝達系や胚発生に影響を与えるものを単離する。スクリーニングの結果、TGF-βシグナルと共に作用し、胚の後方と腹側領域の形成に働くxE2F転写因子を単離することに成功した(Suzuki, A. and Hemmati-Brivanlou, A., Molecular Cell 5, 217-229 (2000))。広島大学で研究室を開設後も、発現クローニング法のアッセイ系に工夫を取り入れながら、TGF-βシグナル伝達やWntシグナル伝達を制御する遺伝子群の単離をおこなっている。そして、p53転写因子がTGF-βシグナルの細胞内シグナル伝達分子(Smad)と結合し、TGF-βシグナルと協調的に初期胚の中胚葉形成を促進していることを発見した(Takebayashi-Suzuki, K. et al. Development, 130, 3929-3939 (2003))。E2F転写因子とp53転写因子は、それぞれ細胞周期の調節因子および癌抑制因子としてこれまで研究されていたが、発現クローニング法を利用したスクリーニングによって、胚発生過程におけるこれらの遺伝子の新しい機能が明らかになった。

 2003年以降、発現クローニングに加えて、マイクロアレイ解析・ゲノム編集等の技術を取り入れ、胚発生の制御機構や幹細胞の分化・維持機構の解明を目指して、様々な遺伝子の解析を精力的におこなっている(Takebayashi-Suzuki, K. et al. Mech. Dev. 2007; Takebayashi-Suzuki, K. et al. Dev. Biol. 2011; Yoshida et al. Zool. Sci. 2016;Takebayashi-Suzuki, K. et al. 2017, submitted; Jahan, N., Virgirinia, R.P. et al. manuscript in preparation)。 また、最近では、組織・器官の再生機構の解明を目指した研究を開始している(Nakamura et al. manuscript in preparation)。

 この他、国内外の大勢の研究者と協力して、アフリカツメガエルのゲノム解析を完成させた。本研究は、Nature誌とDevelopmental Biology誌に発表されている(Session, A.M. et al. Nature 2016; Suzuki, A. et al. Dev. Biol. 2017a; Suzuki, A et al. Dev. Biol. 2017b)。

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Revised last:3/19/2018 at02:14 PM