概要

環境のことを考えた表面・界面に関する研究を行っています。

自己修復性コーティング

子供たちが外で遊んでいると,こけてひざを擦りむいたり,手をケガしたりといった擦り傷,切り傷が絶えません。このようなちょっとした傷は,放ってお いても知らない間に自然と治ってしまいます。骨折などの大ケガになると,病院に行って治療をする必要があるが,最終的にケガが治るのは,私たちが自然治癒 力,自己修復能力を持っているからです。人間や動物,植物などの生物にとって自己修復能力はあたりまえのものですが,建物や自動車などの人工的な構造物に も自己修復性があれば,どんなに素晴らしいことでしょう。現在,建物や自動車などに用いられる金属材料を環境から守り,腐食を防止する方法に塗膜・皮膜処 理があり,傷が生じた場合に新たな防食皮膜が自然に形成する自己修復性コーティングを研究しています。

ナノ粒子とめっきを併用した導電性ペースト

金属ナノ粒子の低温焼結性を利用した金属ナノペーストの開発が盛んに行われています。銅ナノ粒子は酸化され易いため、高い導電性を得ることは困難で す。現在、金属ナノ粒子と無電解銅めっきを併用した新しいコンセプトでの材料開発に取り組んでいます。最新の成果として、窒素雰囲気下で120℃の処理温 度で10μΩ・cmオーダーの高い導電性薄膜の形成に成功しました。

矢吹彰広
矢吹彰広
広島大学 先進理工系科学研究科 教授

環境のことを考えた表面・界面に関する研究を行っています。