Integrated Profiles Method(IPM)の適用例
 
 右図は,

   O(1D)+CH4 → OH(v≦4)+CH3

反応で生成した振動励起OHラジカル(v = 0〜4)の各準位上の分子数が,CH4との衝突で時間とともに変化する様子をLaser-induced fluorescence (LIF)で観測したものです。

 これらのprofilesに対してIPMを適用すれば,

   OH(v)+CH4 → products

のv=0〜3に対する,overall rate constant(総括反応速度定数)を簡単に決定することができます。
 v = 4は初期生成最上位準位ですから,IPMでもsemilogでも同じ速度定数が得られます。また,振動準位v(= 1〜3)の解析を行うには,vとその一つ上の準位(v+1)のprofileだけが必要です。
 例えば,v = 2のprofileは解析解的にはv = 4 → v = 3の速度定数の関数となりますが,準位v = 2の解析においてv = 4の情報を必要としないというのがIPMの特徴の一つです。(v = 3の挙動の中にv = 4の挙動が反映されているので,構わないということです。)しかも,増加(rise)と減衰(fall)の速度の差の大小を一切気にする必要がありません。
fig5_1