認知発達理論研究会 2001年度第2回例会 2001.9.15      発表者:小坂 圭子(広島大学) Conceptual Development: Piaget's legacy Scholnick, E. K., Nelson, K., Gelman, S. A., & Miller, P. H.(Eds.) p. 103-130 5 Explanatory Understanding in Conceptual Development                             F. C. Keil & K. L. Lockhart 第5章 概念発達における説明的理解 本章はいくつかのピアジェのテーマが,概念構造とその使用に関する最近の研究にどのように関連づけられるのかを模索する。本章では,概念発達の性質などについてピアジェとは異なる結論に至るが,ピアジェの考えが現在の理論構築において重要な足場となったことには相違ない。 THREE CLAIMS;3つの主張  …概念知識の生成に関する3つの主張 1 表象された概念は互いにリンクし,また異種混交的な知識構造にもリンクしている。 2 異種混交的な構造は質的発達的変化を導く。その変化とは… ・異種混交構造のある一面(facet)から他の一面へ ・一面的な不完全な構造から多面的で完全な成人のシステムへ 3 質的変化に関するこれらの主張はしばしば間違っている。 ・成人の概念についての誤ったモデルに基づいているため ・発達的変化についての誤った理解に基づいているため ⇒本章はそれぞれの主張について考察し,概念的知識の変化について異なる説明を提起する。 HETEROGENEITY OF CONCEPT STRUCTURE;概念構造の異種混交性 ○類似スペースモデル(similarity space)  …繰り返し提唱されよく知られているモデル 概念を犬やイスのような物体カテゴリを表象する心的実体(mental entities)ととらえる。 犬の概念;犬の特性や犬の範例から構成される。 [参考資料] 共通仮説;概念は事例や特性の頻度や相互関連に基づいて構成されている。 →特性の典型性や特性間の相互関連が類似性や概念構造の基礎となる。 ○連合モデル(associationist models)  …類似スペースモデルの考え方に賛同するもの Locke(1964/1690) Essay Concering Human Understanding 成人の知識は単に連合しているだけではない。 子どもが自分自身の観念を内省する(reflect on)能力を得たときに,発達的変化が生じる。概念は最終的にLockeの言う卓越した思考(“sublime”thought)を持つようになり,理解や説明的洞察をもたらす。   ○コネクショニストシステム(connectionist systems) 概念と知識は単に特性の頻度や相互関連についての多くの記録によって構成されている。 →特性の要約 範例/事例モデル(exemplar-based models; e.g., Krushke, 1992)  [参考資料] ⇒連合主義の基本的な考え方を取り入れる。 ○古典的な連合主義アプローチが持つ限界 1 子どもは自身の概念や知識を統制する強力な論理構造を持つ(Piaget, 1970)。 人間の思考の規則的な(rulelike)論理性は,思考の連合的な側面とは遠く異なる(Neisser, 1963; Sloman, 1996)。 ↓  ↓ 現在のコネクショニストシステムは,命題的思考と規則に従った認知のモデル化を目指している。 2 特性の頻度や相互関連の情報のみならず,なぜそれらの相互関連が存在するのかという観念が存在する (Ahn,Kalish, Medin & Gelman, 1995; Medin, 1989)。 …理論としての概念論(concepts-as-theories view) 幼年期の概念変化;鯨を魚とは考えないがマンタは魚と考える7歳児。 →魚のプロトタイプの変化ではなく,魚と哺乳類について理論的な原理の獲得による(Carey, 1985)。 ⇒成人の概念を連合主義的な構成要素と理論に基づいた構成要素との混合物(hybrid)として考える(Keil, 1995)。 …本章は,概念には異種混交的構造(hybrid structure)が本質的に備わっており,成人のみならず発達の各段階においても存在していると考える。 HETEROGENEOUSLY STRUCTURED ADULT CONCEPTS DO NOT ENTAIL QUALITATIVE CHANGES IN DEVELOPMENT ;異種混交的な構造を持つ成人の概念は発達において質的に変化しない 連合的,説明的-規則的という質的に異なる構成要素はどちらが発達の基礎となるのか? →連合的構成要素のほうが発達上より原始的である。乳幼児は連合的な動物(associative beasts)である。 ○各研究者の提起する概念シフト ・Inhelder & Piaget (1985) 偶発的な特性(最も顕著で典型的な情報を利用)→本質的な特性(より論理的で因果関連的な情報を利用) ・Vygotsky (1986/1934)  事例に付随した形式(instance-bound forms) → 規則に統制された形式 (言語の内言化を伴って) ・Werner (1948)             ・Kemler & Smith (1978)  全体的(holistic) → 分析的       全体的(integral)次元 → 分離的次元 ・Keil (1989), Keil & Batterman (1984);単語の意味の獲得において  性格的(characteristic) → 定義的(defining) [参考資料] ●Quine(1977)  類似性についての動物的感覚 → 理論を持った概念 …Piagetを含む主要な発達理論を説明するが,例えばPiaget(1952)は乳幼児を連合的な動物(associative beasts)とすることを問題視。 …Quineは相互関連から因果関連へ,頻度から説明へ,偶発性からメカニズムへのシフトがどのように実現されるのかについては特定せず。 ○類似性から理論へのシフトが生起する2つの道筋 1 全体的な再構造化;認知の全内容,全側面の変容を伴い心的に変質した知識を表象,使用する。 2 領域固有的行程;子どものみならずある領域においてノービスである成人も経験する。           事実についての連合的な表現 → より理論に根ざした分析的な表現へ (e.g., Chi, Feltovich, & Glaser, 1981) ○概念変化における領域一般的モデルは… …年少児は心的に実物を表象できないけれども,年長児になると可能になるといった幼児期の表象能力の変化を説明できない。 …Piaget理論の重要な見解(領域一般的な心的構造の質的変化)も同様。 …領域一般的発達については本書第2章を参照。 発達初期においては,概念の連合的側面と理論的側面は分離している。その後,それぞれの知識について,領域固有的に,連合から規則や説明へとシフトする。 HOW A DIFFERENT VIEW OF CONCEPTS REQUIRES A DIFFERENT ACCOUNT OF CONCEPTUAL DEVELOPMENT ;概念についての異なる見解は概念発達について異なる説明を必要とするのか? ○素朴理論と枠組み的説明 ・我々は,素朴理論を真実と考えて満足しているが,その説明は不十分で部分的なものである。 ・それぞれの領域の正統なエキスパートと信じられている人(しばしば見当違いである)に知識を頼ってい る(“epistemic dependence”; Hardwig, 1985)ことも不完全な説明を有する原因である。 ・素朴な人々や個人的科学者(individual scientists)は,具体的なメカニズムではなく,因果的に考えて重要とな る特性や,因果的関連性や,それらの一般的なパターンについての枠組み的説明(framework explanation)を 持っている。(枠組み理論についてはWellman, 1990を参照) →筆者は,この枠組みを“解釈の形態(modes of costrual)”ととらえる。 ・経験的科学者;“演繹的な公理“””を用いて説明を生成する。  個人的科学者;でたらめで不完全な方法で説明の集まり(families)を生成し,データではなく直観的な解釈の形態に基づいて説明を選択する。 ↓  ↑ ○説明的知識(explanatory knowledge) ・特定の領域において,事物がどのようにふるまい,相互作用するのかについての枠組み的説明以上のもの である。 …何らかの具体的なメカニズム ・説明的理解(explanatory understanding)がリンクしている特性の頻度や相互関連の情報は膨大であり,理論的 バイアス(theoretical biases)によって制約を設けることが必要である。 →物理学的システムの因果的相互作用;空間的に異なる場所で生起した事象については排除する。  社会心理学的システムの因果的相互作用;距離をおいての行為は非常に重要な意味を持つ。 →ある偶然の一致や連続のパターンはそれを説明するメカニズムの探索を促すが,それらのパターンが説明 的スキーマ(explanatory schema)に当てはまらない場合には,それらは容易に放棄される(Ahn & Kalish, in pressも参照)。 ・自然現象についての成人の理論は,@解釈の形態としての枠組みとA局所的なメカニズムについての断片 的な知識という2つの説明相と,それらの2説明相にリンクする特性の頻度や相互関連情報(tabulation; 作図)を持つ。 →予備的な(初期の?)理解においても,説明的枠組みは,連合的情報を解釈し制約し,またそれらの情報 や断片的な機械論的(mechanistic)洞察を活用している(depends on)。 →これらの構成要素がどのようにして1つのシステムに組み込まれるのか?(Wilson & Keil, 1998) その様子を知っているわけではないが,発達の過程で統合されると考えられる。 この点を説明するために,次節で生物学的思考の発達過程を取り上げる。 THE CASE WITH SOME CONCEPTS IN BIOLOGY;生物学の概念についてのケース 幼児が今ここを離れた抽象的思考ができないように,具体から抽象へという思考の発達的シフトは,よく知られている(e.g., Piaget, 1952)。しかし,具体と抽象の定義は容易ではないし,発達的シフトの顕著なパターンがあるわけではない。例えば,詳細を具体的に知らなくても因果的知識を持つことはできる(e.g. 感染症を引き起こす細菌について詳細に理解していなくても病気と病原菌の関連性を予測する)。 ○幼児は物体の内部についての具体的な知識を持っていないけれども,動物の内部と機械の内部とを直観的に区別している。→抽象から具体への発達過程(Simons & Keil, 1995) ・具体的な知識 …機械と哺乳類の内部の典型的な線画について,羊と車の内部はどちらかと問われた時の正解はチャンスレベル(Simons & Keil, 1995)であり,4歳児に動物と機械の内部のjarsを見せたとき,内部と動物や機械の写真とを一致させることができなかった。 ・幼児が持っている直観的な区別 …同種の機械の内部よりも同種の動物の内部の方が似ている(Keil, Smith, Simons, & Levin, in press)。 …動物の内部は生命に関連し,非生物とは異なる因果関連によって制御されている(Hatano & Inagaki, in press)。 ○幼児は心理学的疾患(afflictions)と生理学的疾患とを区別している (Keil, Levin et al., in press)。 3歳-12歳の子どもと大学生を対象に,線画を見せながら以下の物語を聞かせる。 生物学的もしくは精神的に病を持つ人がいて(生物学的;全身に大きな青い斑点がある 精神的;Big Birdがついてきて話しかけてくるという考えを追い払えない),彼らとある別の人が接触する。 接触状況1 物理的な接触;病気を持った人のソーダを誤って飲む。 接触状況2 社会的な接触;ビデオ電話で病気を持った人と話す。 →主人公の病気をもらったのは誰かを尋ね,その回答についての説明を求めた。 ・年少児群は両物語タイプにおいてチャンスレベルを超えた。 ・生物学的物語の正答は発達的に増加したが,驚くべきことに3つの年長児群において精神的物語の過剰般 化(物理的な接触によって生物学的にも精神的にも病気が伝染する)がみられ遂行はチャンスレベル以下 であった。 ・年長児は精神的病気の伝染について細菌を引き合いに出して説明した。 →精神的病気の回答についてはU型の発達曲線が得られた。 ⇒年少児;細菌モデルを持たず,生物学的病気と精神的病気は根本的に違うといった抽象的な知識を利用し たため遂行がよかった。  年長児;細菌モデルを用いた生物学的病気や精神的病気についての抽象的な理解から,より具体的なモデ ルやメカニズム(を伴った理解)へと移行する。 @子どもが病気のメカニズムについて詳しく学習するに伴って主要な発達的変化が生じる。 A理解のスキーマ的形態が存在し,幼年期の初期から中期を通じて生物学関連性と行動的関連性についての直観を導く。 HOW CAN SCHEMATIC MODES OF UNDERSTANDING BE STRUCTURED AND WHAT CAUSE CAN BE PRESENT WITHOUT VIVID MECHANISM? ;理解のスキーマ的形態はどのようにして作られるのか,メカニズム以外にどのような原因が存在するのか? 幼児が,詳細な原理やメカニズムの理解なしに,自然現象を概念的に一貫性のあるグループに分離する事例を紹介する。 Causal Potency of Properties;特性が持つ因果的潜在性 色;人工物の理解よりも生物においてより重要 …紫でも冷蔵庫は冷蔵庫だが,動物や植物には割り当てられた色がある。 形;生物よりも人工物においてより重要 →我々は,ある領域では,どういった性質が因果的潜在性を持つのかに関する知識をもっている。  …色や形が,何について説明力を持つのか? ⇒領域の因果的スキーマ的知識 …明確な結果は得られていないが,成人や子どもの因果解釈において,中心性(centrality;特性間の相互関連によって生成される)よりも因果的潜在性の方が強力なようである。 Causal Powers;因果的力関係 現象は因果的な力関係に基づいて理解される。 xがfragileである;xは機械的な力を加えると構造を失いやすいという因果関係 マグネット;金属性,鉄製のものにつく,硬い →種の成員を特性のリストで理解することになり,それらを統合する一貫した理論や説明がない。 Kinds of Agencies and Kinds of Causes;動因の種類と原因の種類 3つの動因(行為を動機づける力);機械的動因 意図的動因 無意図的目的探索 アリストテレスの4つの原因(行動を説明するもの) ;運動因(efficient) 質料因(material) 形相因(formal) 目的因(final) …Piaget(1954)のanimacy;因果関連に意図的動作性を過度に見出そうとした結果とも解釈可能。 Causal Patternings;因果的パターニング(様式) Purposes Directed Inward Versus Outward (Contrasting Living Kinds vs. Artifacts). ;内向的/外向的な目的(生物と人工物) …生物の特性(とげや鋭い歯を持つ)は生活上の要求を満たす(保護や食糧の捕獲)。 人工物の特性は対外的な要求を満たす(ハンドルは握りやすくなっている)。 Action at a Distance Versus Not (Social vs. Mechanical Interactions). ;距離がある/ない場合の動作(社会的/機械上の相互作用) …社会的事物は他の社会的事物に対して時間と距離を置いて働きかけるが,このパターンは機械的な相互作用においては一般的ではない(cf. R. Gelman & Spelke, 1981)。 Homeostatic Versus Property Clusters (Full Homeostasis Is More Common in Natural Kinds). ;恒常性/特性のクラスター(自然物においては十分な恒常性がよくみられる) …生物の特性は恒常性(体内, 周辺環境を一定に保つ)の維持に関連して他の特性をサポートしている。  …このパターンは生物に限らず自然物にも 人工物には偶発的であり本質とは関連のない特性を付与する。 Purposes of Whole Versus Parts (Artifacts vs. Living Kinds). ;全体/部分的目的(人工物と生物) …全体として(as a whole)何のために存在するかという問いは,動物や植物よりも人工物に対してなされる方が自然である。 Unique Paths of Origin for Each Kind (Living Kinds vs. Artifacts). ;各種の起源が向かう方向性(生物と人工物) …生物は創造性(creation)を発揮して最終的な成熟を目指すが,人工物は最後まで同じ物である。 Dispositional Versus Situational Factors Explain Behavior (Social vs. Inanimate). ;行動を説明する素因的/状況的要因(社会的と無生物的) …他の動因の行為は状況的要因よりも素因的に説明され,無生物システムは状況的要因から説明される。 まとめて… 機械論的な信念がなくても,@因果的潜在性,A因果的力関係,B動因の種類,C因果的パターニングといったスキーマ的理解形態は,領域における説明に制約を設け,我々を最も適した説明へと導く。 ILLUSTRATING SCHEMATIC MODES OF CONSTRUAL;解釈のスキーマ的形態を説明する ○因果的潜在性に関するKeil (1994)の研究 ライオンや冷蔵庫といったよく知っている事物について,事実に反する特性をもつ事例(entities)がその種の正当な成員であるかどうかの判断を求めた。その事例がやっぱりライオンなのか,磁性物質なのかをたずねられると… →我々は,その事例がライオンとしてどのように機能するのか,事実に反する特性が機能に因果的に影響するかどうかを考えるであろう。 →被験者は,特性の因果性や中心性に重みづけをして性格の(characteristic)プロフィールを作った。 ⇒因果的潜在性の存在が示された。 ・アリと他の昆虫,昆虫と哺乳類,哺乳類と植物について,各因果的潜在性のプロフィールを比較した。 →動物と植物の因果的潜在性のプロフィールは類似していたが,動物と人工物や非生物とは対照的であった。 ⇒因果的潜在性のプロフィールは,説明の枠組みの生成を助ける解釈のスキーマ的形態の一つである。 ○子どもの中で因果的潜在性のプロフィールがどのように生じるか? 予測;幼児もほぼ成人と同じように因果的潜在性に気づくであろう。 幼稚園児,小学校2年生,4年生(5歳-10歳)を対象に一連の研究を実施 子どもに新奇な動物や人工物を教えてから,1つだけ異なる特性を持つ事例セットを紹介し,因果的潜在性のプロフィールを収集した。 →子どもは事例が学習したばかりのカテゴリの成員となる可能性を判断することができた。 →動物と人工物との対照的なパターンがどの年齢群においても得られた。 →劇的な概念変化が生じる5歳から10歳にかけても基本的な因果的潜在性は変わらず維持される。  この知識は内在しており(implicit),領域における説明の選択や説明の生成をもたらす。 ○概念発達における因果的潜在性と他の情報との相互作用は? …成人は(事例の)典型的な構造とは関係ない特性の因果的潜在性について直観的に気づいているが,幼児は因果的潜在性の判断に際して典型性や弁別性に影響を受ける。 →幼児のカテゴリ成員間の判断は多様であり,カテゴリ間の対照を系統的に示す因果的潜在性のプロフィールは得られない。 →新奇物実験は因果的潜在性の知識が5歳から存在することを示しているが,実際に存在する事物についてたずねられた場合には不明瞭になるのかもしれない。 ⇒子どもは加齢に伴って因果関連情報と典型性や弁別性とを厳密に区別するようになる。 ○枠組みの骨格が変わらない期間に特性についての具体的な理解は劇的に変化するか? ・5-10歳の間,生物の色についての因果的潜在性の感覚は変わらないが,色の多様性や因果的顕現(causal manifestations)に関する直観は劇的に変化する。 …5歳児よりも10歳児の方が,動物と人工物の色を表面から剥離する方法について知っている。 ・ある特性がその種にとって重要であることを説明する特殊な因果的メカニズムを理解するようになる。 …スイセンの黄色はスイセンであるために重要であるという理解から,(花の色は)受粉を担う昆虫を惹きつける役割があるという理解へ。 BEYOND POTENCY;潜在性を超えて ・因果的力関係や因果的パターニングも発達初期において表象され,概念獲得を促しているのかどうか? ・(因果的潜在性や因果的力関係や因果的パターニングなどの)説明的スキーマ(explanatory schemata)の発達 は考えられるが,連合レベルや一般的説明のパターンが発達するのではなく,初期の局所的なメカニズム の断片が,社会的に共有されるメカニズムへと徐々に統合されるのである。 ・Piagetの考えは多大な影響力を持ち,彼が提言した思考構造の大局的な変質は未だに議論の的であるが… Piaget;説明や理解や概念の構造化については多くの異なる過程を示している。 個々の概念は大きな理解システムに連合している。 ↓  ↑ 本章;概念や理解に関する全ての相は発達を通じて存在している。   児童期に劇的に発達するのは,頻度情報や抽象的パターンの理解ではなく,正確なメカニズムや規則 の明示的理解である。