用語解説
デトネーション


 燃焼には大きく分けてデトネーションとデフラグレーションの2形態があります。


 デトネーション(爆轟:ばくごう)は、伝播速度が毎秒数キロメートルと非常に高速で、爆発的な燃焼です。混合気は衝撃波によって瞬時に過熱され反応します。 デフラグレーションは燃焼後に圧力変化がわずかであるのに対し、デトネーション背後の圧力は十数気圧まで上昇します(大気圧下でのデトネーションの場合)。 このため、炭鉱や化学工場などでデトネーションが発生すると大事故になってしまいます。

 図1には、理解しやすいようにデトネーションを簡略化して示しましたが、実際のデトネーションは図2のように三次元的な複雑な構造を持っています。 デトネーション波面には、三重点と呼ばれる衝撃波が交差して非常に圧力の高い部分があり、すす膜記録法によって三重点の軌跡を記録することができます。 三重点の軌跡は魚の鱗のような模様になり、セル構造と呼んでいます。デトネーションの進行方向に対して垂直な方向のセル構造の幅をセル幅と言いますが、セル幅はデトネーションの特性を知る上で非常に重要となります。 一般に、デトネーションになりやすい可燃性混合気を用いた場合にはセル幅は小さくなり、なりにくい混合気ではセル幅は大きくなります。 また、およそセル幅よりも管の直径が小さくなると、デトネーションは管内を伝播することができなくなります。





図1 デフラグレーションの構造



図2 デトネーションの三次元構造