ドイツ語の形容詞の変化がklein, kleine, kleiner, kleines などとたくさんあって,分からないのですが。
いろんな教科書などを見てると,やたら形容詞の変化の表が多くて,とまどってしまうよね。でも,あまり難しく考える必要はないんだ。
まず,基本の使い方をおさえよう。
単数 |
複数 |
|
1人称 |
ich bin イッヒ ビン |
wir sind ヴィア ズィント |
2人称 |
du bist ドゥー ビスト |
ihr seid イーア ザイト |
3人称 |
er/sie /es ist エア/ズィー/エス イスト |
sie(Sie*) sind ズィー ズィント |
* 3人称の複数形(彼ら・それら)は
2人称の敬称としても利用されます。
あとは,この sein と形容詞を組み合わせると,「○×は。。。だ」という表現をいくらでも作ることができる。
(このホームページは面白い)
"schnell" (速い):
Ich esse sehr schnell.
(私はとても速く食べる)
Ich finde die Jacke schick.
(私はそのジャケットをシックだと思う)
分かったような気がします。でも,形容詞の語尾にくっつくあの変なのはいったい何でしょう?
名詞の前にくる場合の語尾だね。これは形容詞の屈折語尾で,形容詞の名詞的な用法で現れるということになっている。これに,パターンが3つあってややこしくなる。でも,基本のタイプをしっかりおさえておけば心配ご無用。
◎ いちばん簡単なのは,定冠詞のあとに形容詞が来ると,1格(主語)で,ぜんぶ(男性,中性,女性)で,-e をくっつける:
Der Himmel ist blau. → der blaue Himmel (青い空)
der blaue Himmel das gelbe Hemd die rote Blume
(その青い空) (その黄色いシャツ) (その赤い花)
中性や,女性は4格(「を」にあたる)でも冠詞は上と同じ形だから,
形容詞の語尾もそのまま:
Ich kaufe das gelbe Hemd.
(私はその黄色いシャツを買う)
Sie kauft die rote Blume.
(彼女はその赤い花を買う)
それ以外は,ぜんぶ語尾は en の形になります:
2格 des blauen Himmels des gelben Hemds der roten Blume
3格 dem blauen Himmel dem gelben Hemd der roten Blume
4格 den blauen Himmel ( das gelbe Hemd die rote Blume )
注意してほしいのは,男性の場合の4格目的語では,
den ____en という形になることです。
音が同じのが2つ現れて,韻律的に同一のものになるわけです
(デン ブラウエ より,デン ブラウエンのほうが響きがよい)
複数はぜんぶ,-en の語尾です:
die jungen Studenten
der jungen Studenten
den jungen Studenten
die jungen Studenten
というわけで,定冠詞のあとでは,-e, -en の2つの語尾があるということになる(2種類しかない,あるいは2種類もある?)。
口調をよくするために,入っていると考え,繰り返して,覚えよう。
Wie findest du den neuen Computer?
(その新しいコンピュータをどう思う)
Ich finde diesen blauen Computer sehr gut.
(私は,この青いコンピュータをとてもよいと思う)
Dieser blaue Computer ist sehr gut.
(この青いコンピュータはとてもよい)
でも,まだ他に-erとか-esの変化があったような気がしますが。。。
そう,冠詞が不定冠詞 ein の場合だね。でも,これは上の変化の付け足し
と考えていいんだ。「ある」「一つの」を表す ein は男性(単数)と中性(単数)
の2つに現れるよね。
ein Tisch (机,男性) ein Buch (本,中性)
ここに形容詞がくっつくと,男性と中性を区別しようとする。つまり,男性では男性のマーク -er を,中性では中性のマーク -es をくっつけるんだ:
男性 ein _er: ein neuer Tisch (新しい机)
Da ist ein neuer Tisch. (あそこに一つの新しい机がある)
中性 ein _es : ein altes Buch (古い本)
Da ist ein altes Buch. (あそこに一つの古い本がある)
で,もう予測がつくかもしれないけど,中性では4格目的語も同じく
ein __es 名詞 となる:
Ich lese ein altes Buch. (古い本を1冊読んでいる)
あとは,さっきの定冠詞の語尾とまったく同じ(特に女性名詞は
まったく同列):
男性 中性 女性
1 ein _er
2 eines _en
3 einem _en
4 einen _en
これだけでもうじゅうぶん。
他に,冠詞がまったくない場合もあるが,基本は einの場合と
似ている:
男性1格 roter Wein (赤いワイン: 男性)
男性4格 roten Wein (赤いワインを: 男性)
中性1・4格 gutes Bier (よいビール: 中性)
女性1・4格 neue Musik (新しい音楽: 女性)
※実はこの場合,2格・3格はまたちがった変化になるが,冠詞が
ないのは物質名詞や抽象名詞だけで,主語や目的語以外はほとんど
つかわないから,初歩の段階では覚える必要はない。
ありがとうございます。これだけでも,覚えるのがたいへんですねえ。何のために形容詞の変化ってあるのかなあ?
そう,意味を考えるうえではほとんど必要ないといえる。けっきょく,名詞の領域の中では,冠詞でも形容詞でも何でも性や格,数を表そうとするドイツ語の特徴といってよい。
とにかく,まちがいをおそれずに,話してみることだ。