M-estimator は、最も良く利用されるロバスト推定手法のひとつであり、最小
2乗法で用いられる最小2乗(LMS)基準
関数 によってモデルからずれたデータに対してどれくらいの重みが与
えられるかを見るためには、
の微分
を取ってみればよい。
は、influence
function と呼ばれている。平均2乗誤差基準に対する infuluence function
は、図11 (b)のようになり、データがモデルから離れる
につれてその影響が線形に増大する。一方、図11(c)のよ
うな Geman と McClure の
関数では、データがモデルからある程度離
れるとその影響はほとんどなり、
に近づく(図11(d))。
M-estimator による推定のためのアルゴリズムは、式(75)
を最小化する最適化問題として定式化することができ、重み付き最小2乗問題
となる。ただし、このアルゴリズムは、 関数によっては必ずしも最適
解に収束することは保証されないので、良い初期値から出発する必要がある。