「DAIGO CAFE」は,コンビニエンスストアのコーヒーマシンのモデルを用いてプログラミングの基礎知識・技能を学習することを目標とした教材です。中学校技術・家庭科技術分野の「情報の技術」における(1)生活や社会を支える技術,での活用を意図しています。もちろん,他の教科・単元での活用も歓迎します。
コンビニエンスストアでは,店内でドリップするコーヒーが販売されており,コーヒーの種類に合わせてカップをレジで購入します。アイスコーヒーとホットコーヒーのカップは,それぞれ材質が異なっています。コーヒーのサイズであるラージとレギュラーでは,それぞれカップの大きさが異なっています。店内ではお客さんがレジで購入したアイス/ホット×ラージ/ レギュラーの4種類を区別するために,センサなどで判別するコーヒーマシンが設置・使用されています。
「DAIGO CAFE」はコーヒーマシンのモデルを使用し,センサなどでカップの透光性や大きさ判別するアルゴリズムを考え,アルゴリズムをフローチャートなどでかき表し,センサなどを実装してプログラミングにより計測・制御することでコーヒーのカップを判別する学習活動を実現できます。
プログラミングにはScratch3.0,計測・制御にはMicro:bit v2を使用しています。Scratch3.0を用いてMicro:bit v2を動作させるために,Scratch Linkというアプリを使用します。また,Scratch3.0にはMicro:bit Moreを拡張機能として追加します。
コーヒーマシンのモデルは3Dプリンタで作成された部品で構成することができます。センサなどのブロックも3Dプリンタで作成しており,どのセンサをどこに設置するかについて考えることができます。このことにより,センサの特性と位置により4種類のコーヒーカップを判別するアルゴリズムを構想し,プログラミングを実装することが可能です。
「DAIGO CAFE」の外観と動作は以下の動画をご覧ください。
「DAIGO CAFE」で使用しているセンサなどの部品は一般的な商店で購入が可能です。主な部品を以下に示します。
I/Oシールド(IO Extender for micro:bit:型番MBT0008)
赤外線センサ(SHARP社製:GP2Y0E2A)
CdSセル(直径[5mm],明抵抗50[kΩ]~100[kΩ],暗抵抗5[MΩ]
抵抗(470k[Ω])
白色LED(5[mm],順方向電圧3.1V)
動画では以下のカップを使用しています。
HOT LARGE 高さ106mm 上面直径90mm 下面直径63mm ダイソーで購入
HOT SMALL 高さ79mm 上面直径72mm 下面直径50mm ダイソーで購入
ICE LARGE 高さ122mm 上面直径92mm 下面直径68mm ホームセンターナフコで購入
ICE SMALL 高さ97mm 上面直径78mm 下面直径68mm セブンイレブンで購入
動画ではICEのカップに氷を入れていますが,写真のようにビニール袋で代替することもできます。
「DAIGO CAFE」では,4授業時間の指導計画を提案・推奨します。
まず,コーヒーカップの大きさと色を判別するためのセンサの種類と役割を知り,それらのセンサを利用してカップの大きさと種類を判別するアルゴリズムを考えることを目標とした授業を計画・立案しました。
この授業では,コーヒーマシンのモデルとセンサの機能と配置を踏まえ,カップの大きさと種類を判別するアルゴリズムを考える学習活動が実現できます。
次に,カップの大きさと種類を判別するアルゴリズムを,順次・反復・分岐などのルールに沿って構造化し,フローチャートやアクティビティ図などにより表現する授業を計画・立案しました。
この授業では,前時で考えたアルゴリズムを一般的なプログラミングのアルゴリズムに反映するとともに,アルゴリズムを表現・共有するために必要となるフローチャートやアクティビティ図などを知り,ルールに基づいてかき表す学習活動が実現できます。
最後に,Scratch3.0を用いて4種類のコーヒーカップを判別するプログラムを作成するともに,Micro:bit v2に接続されたセンサをコーヒーマシンのモデルに配置してプログラムを実装する授業を計画・立案しました。
適切なセンサとプログラムが実装された「DAIGO CAFE」は,4種類のコーヒーカップを判別することが可能となり,Scratch3.0のディスプレイ上でカップの判別結果が表示されます。このことにより,購入したコーヒーカップの種類と大きさをマシンにより判別する問題解決が実現できます。
指導案とワークシートの例は以下からダウンロードできます。
4授業時間の指導計画
授業の目標・内容 | 学習活動の概要 | 指導案とワークシート |
---|---|---|
センサの機能と役割を知り,アルゴリズムを考えることができる。 | コーヒーカップの大きさと色を判別するためのセンサの種類と役割を知り,それらのセンサを利用してカップの大きさと種類を判別するアルゴリズムを考える。 | 指導案1 ワークシート1 |
アルゴリズムを表す方法(アクティビティ図やフルーチャートなど)を知り,適切に表現できる。 | アルゴリズムを,順次・反復・分岐などのルールに沿って構造化し,フローチャートやアクティビティ図などにより表現する。 | 指導案2 ワークシート2 |
プログラムを作成し,センサなどを実装したシステムを構成することができる。 | 適切なセンサとプログラムが実装された「DAIGO CAFE」により,4種類のコーヒーカップを判別する。 | 指導案3 ワークシート3 指導案4 |
「DAIGO CAFE」で使用するコーヒーマシンを模したモデルは3Dプリンタで作成しています。また,センサなどに使用するブロックも3Dプリンタで作成しています。3Dプリンタで作成ために必要なSTLファイルやサンプルプログラムは以下からダウンロードすることが可能です。
サンプルプログラムはこちらのエディターから開いてください。
https://microbit-more.github.io/index-ja.html
部品 | データ |
---|---|
底 | base.stl |
背面 | BackBoard.stl |
カップストッパー | CupStopper.stl |
左 | LeftBoard.stl |
右 | RightBord.stl |
固定部品 | Stopper.stl |
赤外線センサブロック | SekigaiSensor.stl |
LED,Cdsブロック | CdsLed.stl |
ブロックカバー | SensorCap.stl |
サンプルプログラム1 | SampleProgram_1.sb3 |
サンプルプログラム2 | SampleProgram_2.sb3 |