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カタリエヌモノ

** 2012.07の カタリエヌモノ **

 ++ 12.07.02 (mon) ++ 



いくつかの大学を渡り歩いて,大学毎にカラーがあることを実感しています。
このカラーを個性と捉えるべきなのか,優劣と捉えるべきなのか迷います。

ただ,カラーの違いがパフォーマンスの違いを生み出している気はします。

 ++ 12.07.03 (tue) ++ 



大学入学から心理学を始めたと考えると,既に17年目ということになります。

ほぼ人生の半分を心理学に捧げていることになります。

 ++ 12.07.04 (wed) ++ 



歴史を学ぶことで,どのように世の中が変化してきたかが分かります。
歴史の流れを知ると,だんだんと良い世の中になってきたように感じます。

だから,今後ももっと良い世の中に変わっていくんだろうと漠然と考えます。

けれど,歴史は今の世の中の支配階級が今の世の中を良いものとして描いた物語でもあります。
なので,我々が改悪だと思っている出来事も,未来の人間は改善だと習うのかもしれません。

 ++ 12.07.05 (thu) ++ 



長生きしたいと思っている人は,
やりたいことがあって時間が欲しいのか,
死ぬのが怖いから生きながらえていたいのか,
どっちなのだろう?

 ++ 12.07.09 (mon) ++ 



大学教員を続ける限り,高校生を大学生に生まれ変わらせる作業を永遠やり続けなければならないのでしょう。
「答えは1つとは限らないし,そもそも答えなんかないかもしれないんだよ」っていう台詞は嫌いじゃないけど,もう飽きました(笑)。

 ++ 12.07.10 (tue) ++ 



「学問する」という言葉はイイ言葉だと思います。

私は大学で学問をしたいのです。

研究においても,教育においても,学生と共に問い続け,考え続けたいのです。

 ++ 12.07.11 (wed) ++ 



学習指導要領などに謳われている学力観は,初等中等教育に高等教育的な目標を入れるものだと言えます。
良定義問題ばかりでなく不良定義問題にも対応できる児童・生徒の育成を目指しているように見えます。

一方で,今の大学改革の方向性は高等教育を「規格化」していくものが多く,初等中等教育っぽくするものだと言えます。

そういう環境で養成される教師に初等中等教育を変えられると思いますか?

 ++ 12.07.12 (thu) ++ 



学問の府としての大学は,
内発的動機付け(*1)によって動く人間の集団であるもかかわらず,
外発的動機付け(*2)によって管理しようとすることは,
大学が持つ能力を削ぐ愚行である。

−−−−−−−−
(*1)≒知的好奇心や有能感の自覚化等によって起こるやる気。
(*2)≒報酬や競争によって起こるやる気。

 ++ 12.07.17 (tue) ++ 



考えることを嫌い,
成長する速度がとてつもなく遅い学生でも,
考えず素直に丸暗記できてしまう能力がある場合,
教師になれてしまう。

こういった教師の被害者は,
その教師自身だけでなく,
その子どもたちや,
いずれその子どもたちが作る社会や国である,
ということに「考えない学生」は気づけない悲劇。

 ++ 12.07.18 (wed) ++ 



考えない学生にはとことん嫌われる講義をしよう。
そうすれば,考えない学生は私の講義の試験で良い点は取れない。

私の講義の単位が取れなければ学生は教師になれない。
そうすれば,少しだけ社会が良くなる。

もし,世間の皆さんが「考えない機械のような教師」をお望みでしたらおっしゃってください。

考えを改めます。

 ++ 12.07.20 (fri) ++ 



研究はエレガントに。
教育は泥臭く。

 ++ 12.07.23 (mon) ++ 



大学教育を良くする改革のハズなのに,
予算を増やし,応援するのではなく,
予算を減らし,締め付けるのは
なぜ?

 ++ 12.07.24 (tue) ++ 



心理臨床場面でカウンセラーがクライエント(来談者)の気づいていない自分に気づかせるような言葉を紡ぐ行為は批判的思考に支えられている?

 ++ 12.07.25 (wed) ++ 



最近,また研究者の格について考えるようになっています。

以前考えた整理(*1)は,あながち間違っていなかったと思います。
ただ,当時はなかった実感として「自分は今あたりが限界かなぁ」というものです。

少なくとも,今の働き方では殻を破れないと思います。
研究者としてもっと成長したいとは思っているので,色々と試行錯誤しています。

−−−−−−−−
(*1)「07.12.17」参照。

 ++ 12.07.27 (fri) ++ 



格が違うなという先生方のお仕事ぶりは驚異的です。

これまでの努力の甲斐もあり,学生の頃あこがれていた先生たちに少しだけ近づけた気はしています。
ただ,それで分かったのは,そういう先生方のお仕事のレベルは実際に自分がやれと言われたとてもじゃないけど無理だということです。

 ++ 12.07.29 (tue) ++ 



明日は大学院の講義の最終回です。

この講義ではポートフォリオ評価をしています。
提出されたポートフォリオは最終回で返却しなければなりません。
そのため,講義内容は最終回を残して終わるように計画しています。

ということで,最終回は自分の研究についてしゃべるジャイアンリサイタルとしました。
受講生に賛同を求めましたが,30名中5名の賛同しか得られませんでした。
それでも,ジャイアンリサイタルをやることにしました。
というか,賛同が得られたらジャイアンリサイタルではないので,これでよいのです(笑)。

「ジャイアンリサイタルやる!」
「聞きたい人はどなたでもどうぞ」
って告知したら,広大の後輩を含め,複数の関係者が聞きに来てくれることになりました。
全人類の99.99...%が興味を持たない内容ですが,少しでも楽しんでもらえるように話します。

ということで,明日はゲストの送迎やら何やらで忙しくなりそうです。
明日の更新はお休みします。

 ++ 12.07.31 (tue) ++ 



優しくなりたければ賢くなりなさい。

あなたの身勝手な善意(独善)を押しつけないために,本当に何をすべきかを考え抜ける力をつけなさい。

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