国道202号線を耶馬渓に行く途中に青洞門という洞窟があります。ここは、その昔、交通の難所で、多発する事故を見かねた禅海和尚という方が、 最初たった一人で掘削を始め、やがて、その姿に心を動かされた人々の協力によって、30年の歳月を経て完成した洞窟です。
 菊池寛の小説「恩讐の彼方に」のモデルにもなっています。

 
 青洞門を出発する頃には、かなり時間も遅くなっていましたが、少しでも距離を稼いでおこうと、先を急ぐことにしました。ところが、耶馬渓に近づく頃には、 日が暮れて、雨も降り出し始めてしまいました。雨具も無く、キャンプ地のめどもついていない。とりあえず、休憩しようと立ち寄った温泉で一風呂浴びて外にでると、 店の家族の方が、軒先でバーベキューを始めていました。
 家族の方に招かれて、私もいつしか宴会の輪の中へ・・・
 
4日目
 

 昨夜は話が盛り上がり、とうとう、その晩は彼らの家に泊めてもらうことになりました。久しぶりに(と、言うほど長い旅でもないのですが)布団の上でゆっくり寝ることが出来ました。 松葉さんご家族、本当にありがとうございました。
 耶馬渓は、もう目と鼻の先です。ここまで上ってくると、さすがに風も涼しく、中津までの道のりのように、暑さに悩まされることはありません(その分、道は登り坂ですが・・・)。 今度は是非、秋に来てみたいと思いました。そして、今日の目的地、湯布院を目指します。
 
 4日目の行程は、アップダウンがある代わりに、走行距離が短いので、昼頃には湯布院の町に着くことが出来ました。湯布院は、私のような汚い旅行者には似合わない洒落た町です。時間があったので、温泉を梯子したり、町の中に 散らばっている、小さな美術館を巡って、時間をつぶしました。それにしても、出発して以来、毎日どこかで温泉に浸かっているような気がする・・・


 
(左)小さな美術館・博物館が点在していて、これらを見て回るのも楽しそうです。
(右)湯布院では、地ビールの生産も行われていて、ビアガーデンで味わうことが出来ます。
5日目
 今日が九州最終日です。狭霧台まで距離は短いけれど、上り坂が続きます。初日から痛んでいた膝は、ますます痛みが増してきていましたが、ここまで来たら、這ってでも別府へたどり着きたい。
 高原らしい、緑の絨毯の中をゆっくりゆっくり上っていきます。
 そして、ついに狭霧台に到着。ここまで来れば、後は別府まで豪快なダウンヒルです。行き当たりばったりな旅でしたが、いろいろな人に助けられて、ここまで来ることが出来ました。旅で出会った人々のことを思い浮かべながら、 別府の町を目指して、下っていきました。