気がついたら・・・走り始めていた

 別府まで走っていけるだろうか・・・。漠然とそんなことを考えてはいた。まとまった休みが取れたのに、特に予定も入っていなかった平成10年の夏、僕はある朝、自転車に荷物を積んでふらりと出かけてしまった。自宅の広島から九州までの地図は持たず、国道2号線をひたすら西へ、西へと・・・
1日目
 門司までの地図を持っていなかったので、とりあえず2号線を下関方面に向けて、看板だけを頼りに進みました。テントは持ってきたけれど、荷物を軽くするため、自炊用具は無し。別府に着く予定の4日後までの週間天気予報で大丈夫そうだったので、雨具も持たないという徹底的ぶり。果たしてどうなることやら。
 今回の旅の最大の敵は暑さでした。国道2号線は走っている間、ほとんど日を遮るものがなく、コンビニで水分補給と休憩をしながら進みます。
夕方までにどうにか100kmほど走り、山口県の湯野温泉という小さな温泉街が今日の宿泊地に。温泉に浸かった後、町の中の公園でキャンプ。
 初日から無理したせいか、膝の裏に軽い痛みがある。ヤバイ・・・


2日目
   2日目も相変わらずのカンカン照り。一夜明けても膝には痛みがありましたが、何とかごまかしながら走り続けて、ようやく下関到着。
 (左)関門海峡は人専用のトンネルがあり、自転車もここを通れます。  (右)九州側にわたる前に、関門海峡大橋をバックに記念撮影。暑さですでにバテバテ・・・
 この日は、九州側の入り口、門司に渡り、温泉に浸かった後、門司港駅近くの公園でキャンプ。2日がかりで、ようやく本州を脱出したのでした。

3日目
 夜中に集まってきた高校生が、テントの周りで花火を始めたため、熟睡できませんでした。寝不足のまま、九州での第一日目が始まります。
レトロなたたずまいの門司市街。正月には、カウントダウンのイベントなども行われます。



 門司から別府への最短コースをとるには、国道10号線をひたすら南下すればいいのですが、今回、私は10号線を中津まで走った後、 内陸に進路を変え、耶馬渓、湯布院などを経由して、別府を目指すことにしました。九州の地図は持っているので、ここからは道の心配もありません。


 (左)中津に入ると、大きな福沢諭吉の看板が迎えてくれます。(右)福沢の旧家も残されており、見学できます。

のんびりとしたたたずまいの、中津市街。

 中津を後にする頃には、もう昼を、とうに過ぎていましたが、単調な国道10号線の走行にそろそろ飽きてきたので、内陸部に進路を変え、 次の目的地、耶馬渓へと向かいました。