ツール・ド・由宇 参戦記

2001.11.25

 山口県由宇町の銭壷山を舞台に行われるヒルクライムレース、ツール・ド・由宇が9年ぶりに開催されることになりました。 懐かしさに思わず、私も12年ぶりの参加を決めました。まだ、自転車を始めて間もない12年前と体力のピークを過ぎた今と、どっちが早い かも見ものです。


トレーニング
 ごまかしが効かないヒルクライムのため、今回ばかりは練習なしで臨むのは自殺行為だと思い、1ヶ月前からスケジュールを組みました。 だけど、仕事から帰るのがいつも深夜になるため、結局土日にまとめて(と言うほど走っていないけど・・・)練習するしかありません。
 練習メニューは土曜日に70〜80km、日曜日に40km前後(翌日の仕事がつらいので)走るだけ。「なめとんのか!」と思われそ うですが、今回はこれが精一杯でした。
 ただ、疲れがたまるのを覚悟で走った、11/23(祝)の直前練習(80km)では、いつになく調子が良かったので、もしかしたら行けるか も・・・
 
出発
   会場では前夜祭も行われたようですが、出席すると泊らなくてはいけなくなるので、当日の朝出発することにしました。朝6時に監督兼 ドライバーのN氏と待ち合わせ、広島から高速を走って会場の山口県由宇町を目指しました。走りながらN氏が「この車、ヘッドライトおかしくない?」 「バルブ自分で変えたけど・・・」「下を向きすぎてる。」なんとバルブを交換したとき、上下逆につけていたのです。そのままの状態で2ヶ月以上 平気で乗ってました。知らないというのは恐ろしい。
 気を取り直して会場に到着。受付を済ませて、ウオーミングアップ。今回は寒さ対策として、秘密兵器を用意してきました。「ローラー台」。 2日前に友人から借りたのですが、まだ、乗る練習もしていないのがちょっと心配。まず、監督がお手本を見せてくれました。「昔はこれで よく練習したもんだぜ。」というN氏がすいすいと乗りこなす。そこで私も、まず、車のドアに手を掛けながら乗ってみました。スピードが 乗ってきたところで、そっと手を離す・・・。「おわわ・・」バランスを崩して、台から自転車が落ちそうになる。
 ワアワア言いながら、軽い汗と言うか、冷や汗をかいてアップが終わりました。


ローラーでの練習風景、カメラに視線を送る余裕はない。


スタート
 山頂に集合した選手たちは、一旦、スタート地点の麓まで自転車に乗って下ります。下りながら思いました。「これはだめかもしれん・・・」 予想以上に勾配がきついのです。早くも戦意喪失気味の私・・・。
 今回は練習で使っているまんまのフロント52×39T リア13−25Tというギヤの組み合わせで来ました。フロント用の38Tを持ってい たのですが(前のギアを小さく、後ろを大きくするほど回転は軽くなる)、めんどくさくて、交換しなかったのです。 「ギヤ変えとけばよかったな〜」と思っているうちにスタート地点に到着。
 スタートは5人ずつ1分間隔で行われます。同じ組に広島の早い選手がいたので「この人に絶対ついていかない」のがとりあえず本日の 作戦になりました。久しぶりのレースなので落ち着かず、自転車で近くをぐるぐる回ってアップを続けます。荷物の運搬車が出て行くと まもなく、選手がスタート地点に集められました。出走順の早い選手が、次々スタートし、自分の出番が近づくと緊張はピークに。そして とうとう自分の番。
 3,2,1・・・パーン。スタートと同時に一人が飛び出し、あっという間に視界から消えました。予想していたことなので、あせらず 残った4人と上ってゆきます。始めのうちは、周りの人と冗談を言い合いながら、それもそのうちなくなって、荒い息遣いだけが聞こえる ようになりました。同じ組にいた選手一人と後になり、先になりながら、走っていましたがコース中盤を過ぎた急坂でとうとうちぎられて しまいました。
 今回のコースはレース終盤に長い平坦路があり、ここでタイムロスを最小限に抑えながら体力を回復させるのが、ひとつのポイントにな ります。このころには、前後を走る選手がいなくなってしまいましたが、平坦路を抜けたところで、途中一緒に走っていた選手の 背中を発見!。一気に追いつき、その勢いで追い抜きました。 
 

ゴール手前、最後の九十九折。手前の平坦路で加速して一気に上る。と、言いたいところだけど、後が続かない・・・


ゴール
 ゴールの手前は九十九折の急坂になっていて、最後にこれを上るのは、かなりきつい。ここに監督が待機していて、トップグループ とのタイム差を知らせてくれました。「○○さん(優勝候補)と10分差!」。萎えた、と言いたいところだけど、元から張り合う気も なかったので、「あっ、そ」てなもんで、とりあえずゴールを目指します。要らなくなったボトルを投げ捨て(1回やってみたかった)、 腰を上げ、ペダルを踏む。


 ゴールまで200m、呼吸が乱れ、自転車が蛇行しそうになる(というか蛇行している)。200mがやたらと長く感じる。 ようやくゴールが目に入ると一こぎ一こぎ、止まりそうになる足に力を込め、そしてようやくゴールラインを通過。
 しばらくすると「お疲れー」と監督が、投げ捨てたボトルを拾って来て(本当に捨てられますか、もったいない!)くれました。 休んでいると、選手の一人から声を掛けられました、「途中一緒に走ってたけど、最後やられちゃったなー」。ゴール前の登りまで競り合 っていた人でした。この後、彼の家族と一緒に記念撮影をしました。草レースらしいこんな雰囲気、大好きです。
 レース後は会場で宝探しがあり、地元特産の漬物や由宇温泉の入浴券などの商品をお土産に持って帰ることができました。最後に成績 ですが、完走82名中、32位と練習不足の割には、まあまあかなと思いました。次はきちんと練習して走りたいと思います。